表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/12

天使と悪魔と人間と


*** 天使と悪魔と人間と ***


 天使は言った


「あなたは一人じゃないですよ」


 悪魔は言った


「あなたは一人じゃないですよ」


 人間達は言った


「あなたは一人じゃないですよ」


 そして僕は思った


「僕は一人じゃないですよ」


 天使は言った


「“一人である”と感じたときには何時でも私に相談なさい」


 悪魔は言った


「“一人である”と感じたときには何時でも私に相談なさい」


 人間達は言った


「“一人である”と感じるのはお前がそう感じるからだ」


 そして僕は思った


「“一人である”と感じるのは人間達の所為だ」


 天使は言った


「いいえ、少しずつでもいいから他と共に歩むことに努力なさい」


 悪魔は言った

 

「そうだ! お前は一人で孤独なのだ! 元来生まれたその日からお前はそう在るのだ」


 人間達は言った


「キモイ! ウザイ! 勝手にすれば?」


 そして僕は思った


「ああ、やはり僕は“一人”なのだ」


 天使は言った


「今からでも遅くはないのです! あなたなりに努力さえすれば……」


 悪魔は言った


「カッカッカ! 信じられるのはお前自身だけだ!」


 人間達は言った


「…………」


 そして僕は思った


「この世界に僕の居場所なんて無い」


 天使は焦って言葉も出なかった


 悪魔は笑い転げて今にも死にそうだ


 人間達は目には入っても大して気にしていない


 そして僕は思った


 そして僕は思った



 不意に僕の子が擦り寄ってきた


 小さな僕の子が見上げるように僕を見ている


 小さな彼が言った言葉は


「パパ大好き」


 ああ、僕は思った


 そして僕は思った

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ