表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かくも心地よきさすらい  作者: 北条三蔵
第3章  わからない日
46/79

3-8. 奇気

 屋上まで行けたというわたしに驚愕(きょうがく)し、走って塔をのぼっていったファウラだったが、あえなく敗北、すごすごと帰ってきた。

「さて、サーラさんだけが上まで行けたということになりますね」カイは含み笑いをした。「いったい何をしでかしたんです?」

「なんで悪いことをしたかのように言うんだ? 何もしてないし何も気づいたことはなかったぞ。カイはどうなんだ?」

「うーん。あったといえばあったし、なかったといえばなかった」

「わけのわからぬことを」

「まあまあ。サーキィさんはどうですか?」

「余は …… ちょっと きもちわるい」

「ほほう。気持ち悪い、ですか」

「うん 水霊人(ウンディーネ)たちがいっていたこと おもいだす」

「温泉の水霊人(ウンディーネ)たちか。カイは聞いていないだろうが、彼女らはソニヤー方面の幻動気がなんだか変だ、と言っていたんだ」

「お姉さまたちは温泉の水霊人(ウンディーネ)に会ったのですか。めったに出会えないといいますのに」

 ファウラは目を丸くしていた。ソニヤーにも温泉の話は伝わっているようだ。

「ああ、サーキィがいたおかげでな」

 水霊人(ウンディーネ)たちは「危険な感じではない」とも言っていた。彼女らが指摘するのは、この塔の異変のことなのだろうか。

 もしそうなら、確かに危険ではない。が、葬儀をおこなえなくなってしまうのはソニヤーにとっては一大事だ。

「気持ち悪い、それに加えて、おかしな幻動気。いやはや興味深い。ちょっとぼく、もう一回行ってきますね」

 言うが早いか、カイはそそくさと塔に入っていった。

「お、おい、カイ」

 わたしが声をかけた時には、すでにカイの姿は見えなくなっていた。

「まったくあやつは……」

「楽しいひと」

 あきれ顔のわたしに反して、ファウラは顔をなごませた。


次回 >>> 「 気 随 」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ