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天使の恋

作者: 暗闇

天使と男



その天使は下界を見るのが好きでした


忙しなく動き回る人間


その一人一人の一度っきりの人生を眺めるのが好きでした




ある時はとても幸せな人間の人生を


ある時は最悪の人間の人生を



ある日天使は一人の男の子を見つけました


男の子は一人でした



男の子の生れた時は戦争の真っ最中でした



男の子の父親は戦争で死に


男の子の母親は病気で死にました



男の子はたった一人で生きていました



男の子には才がありました


その時代に一番必要とされる才が



あるとき男の子は真っ赤に染まっていました


男の子の血でではありません


他人の血で 真っ赤に染まっていました



男の子は人を殺しました



一人、二人、十人、百人……



それはまだ、男の子が八歳の時でした


ですが男の子は人形の様に、表情も心も動かしませんでした


天使は哀しみました



まるで 人形の様だと



天使は男の子に惹きつけられました



時が経ち、男の子は三人の仲間に会いました


男の子の心は喜びました




男の子に親友が出来ました



男の子に友達が出来ました



男の子に師匠が出来ました




人形に 感情が芽生えた時でした




天使は喜びました



男の子の心が笑ってるのがとても嬉しかったのです



このまま ずっと男の子が笑ってられれば良いと、思いました



ある日男の子の親友が 死にました



男の子の心は泣きました




大きな声で   泣きました




男の子の友達が  死にました



男の子の心は苦しみました




何で自分は助けられなかったのか……と




男の子は心を閉ざしました



もう 何にも感じない人形に成りたいと思ったのでしょう




でも 出来ませんでした



一度心を持った人形は  何度心を壊しても感情が勝手に芽生えてきます




男の子は苦しみました




そして一人、人を殺す度に男の子の心は凍っていきました



男の子の師匠が死にました



そして完全に男の子の心は凍りました




天使は泣きました




一度も涙を零さない 男の子の為に




大きな声で泣きました









心は泣いてるのに 









なぜ










涙を流さないの?




男の子は成長して 大人に成りました



それでもまだ 長い長い月日が経ったのに



男の心は凍り    泣いていました



天使は思いました




自分では  あの人を助けられないの?




天使は男に恋をしていました




天使は下界へ降りました



自慢の長い薄い黄色の髪を靡かせて



下へ   男の元へ行きました







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― 新着の感想 ―
[一言] とても、よかったと思います!!
[一言] 文章にとても魅力を感じられました。 特にこの作品に、この行間はぴったりって感じでぃぃですね。これからも、頑張っていきましょう!
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