第七夜 歌姫の薔薇の色 Ⅰ
ミュージカルシリーズ?第三段。ミュージカルを好きになったきっかけの作品への敬意をこめて。やはりミュージカルと言えば、オペラ座の怪人ですよね! ←独断
ちょくちょく小説やミュージカルの場面を思わせるような部分もあるのでご存知の方は探してみて下さい。また、話中に出てくる人物達のイメージは、オペラ座の怪人の登場人物を元にした部分が多々あります。主人公のイメージは、もちろん、ヒロインのクリスティーヌ。……ではなく悪役令嬢、カルロッタ。
「私は、例え世界中が敵になったって構わないの。」
綺麗に着飾った娼婦達がそれに相応しくない鋭い視線で真ん中に立つ女を睨む。視線に込められた剣先をふわりと薙ぎ払うように、横を向いていた女が客席へと向き直り、艶然と微笑みながら言い放った。決して大きな声ではないのに、遠くの客席まで響く心地良い声だった。
「だから、嫉妬とか羨望とかそんなくだらない理由で蔑まれたって、気にやしないわ。」
場面は移り、夜に一人、部屋で女は訪れない恋人を思い、夢でも良いから会えたらと焦がれる。
「夢は、いつも甘美で、私の願いを叶えてくれる。」
愛しい人にもらった花にそっと口づけをすると、その花を髪に刺して女は顔をきっと上げた。
「現では寂しい夜を過ごすけれど、涙で枕を濡らすだけが寂しい夜の過ごし方ではないの。」
今宵、あなたを待ちましょう
あなたの囁きで耳は目覚めさせられ、あなたの吐息で呼吸を思い出す
今宵、あなたを待ちましょう
昼間の憂いも夜には充ちて夢になる、次の夜に思いを馳せる糧になる
今宵、あなたを待ちましょう
あなたの側で私は愛を知って、あなたの側で私は夢を忘れる
あなたがいれば、私の目は光を映す
あなたがいれば、私の肌は温もりを覚える
あなたがいれば、私に心臓があると知ることになる
今宵、私の世界は色を取り戻し
今宵、あなたの腕を感じながら
そして、この胸は高鳴る
だから、今宵……今宵、あなたを……
天を仰いで両手を掲げる歌姫の声が、余韻を残して消え行った。一拍遅れて歓声と拍手が劇場に溢れる。
劇場は、今、都中の話題を攫う歌姫を一目見ようと、高貴な人々で一杯だった。
渾身の歌声に、貴婦人達は歌に思いを重ねて身を焦がし、紳士達はまるで彼女の愛と眼差しを向けられたのかのように息を飲む。
彼女の歌声は、そこに集う耳の肥えた高貴な人々の鼓膜を官能に震わせ、脳髄を揺るがす。愛の歌は血液に熔け込んで体を巡り、体中を走り回る情熱は感嘆に沸きたって、人々は皆知らずのうちに腕をさすっていた。
拍手に呼び出される様に、舞台袖から役者達が現れ、次々と並んで礼をする。そして、モーゼの前の海のごとく役者達が左右に割れば、人々の喝采は一際高まった。ただし、人の波の間を歩くのは、舞台の女王。彼女だけはただ一人、他の役者たちよりも一歩前へと足を進め、喝采の全てを受け止めるように腕を広げ、愛おしげに称賛を抱きしめると、腰を落として誰よりも優雅な礼をして見せた。
ゆっくりと幕が降りる間も観客達が皆各々称賛を口にしながら立ち上がるので、劇場は興奮で満たされ、余韻が消えるのに長い時間がかかった。指揮者が退場し、楽団達も立ち去っていく。
舞台の中央、最後の最後まで観客の視界に入っていた歌姫は幕が降りると同時に体を起すと、くるりと美しいターンで後ろを振り向いた。
その姿は、熱を帯びた官能的な娼婦ではなく、さながら氷の女王で。先ほどまでは紳士達を官能に酔わせた視線を全く異なる温度に変えて見据えれば、立ち並ぶ役者や踊り子達は女王の裁可で砕かれる運命になる氷像よりも固い表情をしていた。女王の視線に曝された若いバレリーナ達は、身を竦ませ互いに体を寄せ合う。
その後ろから、襟の詰まった服を着た中年の女が前にすっと現れる。歌姫の視線から放たれる批判という矢は、全て自分が受け取るのだと言うように、身を竦ませている少女達の前に立った。真っ直ぐに伸びた姿勢とその歩き姿は、年齢による衰えを覆い隠す程の凛々しさを女に与えていた。きっと若い頃は、歩くだけですれ違う男の視線を欲しい儘にしていたに違いない。
今と昔を象徴するような二人の麗人は、しっかりと視線を交わし合った。口を開いたのは女王が先だった。
「マダム、あのバレリーナ達の跳ね方は何かしら? 着地なんて無様なカエルみたいだったわ。それから、トウの足音が皆バラバラよ。気が散ってしょうがないわ。私達役者をそんなことで邪魔しないで頂戴。まだカエルの方が揃って鳴いているのでなくて?」
髪は一本のほつれもなく結われ、未亡人らしい典型的な服にも無駄な皺は一つもなかった。彼女は真っ直ぐに歌姫の視線を受ける。
「はい、その通りです。マドモアゼル。」
彼女は手を叩いてバレリーナ達を集めると、練習室へと向かわせる。舞台が終わって一息つきたかった娘達は、口々に不満をこぼしながら、その不満を視線に込めて、ただしマダムには分からないようにこっそりと歌姫を睨む。その視線を真正面から受けて笑い返すと、まだ幼さを残すバレリーナ達は怒りと羞恥に顔を赤らめて舞台から消えて行った。
バレリーナ達を追った視線の先にいる今度は幕が再び上げられた舞台の縁に向かって進み、戻って来ていた楽団を見下ろす。その姿は正しく高慢で冷酷な女王そのものであった。
「マエストロ、まるで船着き場のような騒々しさでなくて? 楽器を奏でているとはとても思えないわ、櫓櫂で船を叩いている音の方がまだ良くてよ。」
船着き場の住人と揶揄されたヴァイオリニスト達は苛立たしげに弓で首をとんとんと叩いたり、楽器を手から離せない者達は肩をすくめて顔を見合わせたりする。
「ええ、その通りです。マドモアゼル。」
指揮者は、それに構うことなく演奏の指示を出す。
くるりと歌姫は優雅なターンで後ろを振り返る。舞台用の衣装は足首が見える薄い素材だったので、回ると同時にふわりと裾が浮きあがり、白いふくらはぎが見えた。白い滑らかな曲線に視線を釘づけにして鼻の下を伸ばしていた男は、目の前でその足が止まったことに気が付きようやく顔を上げる。
「それで、監督。私の歌は?」
監督と呼ばれた彼は、そう呼ばれなければ芸術に関わる人間だとはとても思えないほどに野暮な容姿であった。櫛を入れているのだろうが今一つまとまりに欠ける髪に、男らしさよりも鬱陶しさを覚える伸び放題の髭。仕立ては良いのかもしれない衣服はどことなく皺が寄り、どうにも体に合っていなかった。タイは曲がっていたし、色も合っていない。何よりも靴の先に泥が付いていることが先程から気になって仕方がない。
きっと、この男はバレリーナの足を見る為だけにここに立っているのだろう。どこの世界に足元しか見ない舞台監督がいるだろうか。足しか見ていない証拠に彼が言う台詞なんて、何度舞台をやっても、どんな舞台をやってもいつも同じだ。
(勿論、完璧ですよ、マドモアゼル。)
「勿論、完璧ですよ、マドモアゼル。」
きっと、この男は誰が舞台に立っても同じなのだ。
全く、使えない男。完璧な訳ないでしょう。耳の穴まで毛でふさがっているのかしら。
「そう。なら良いわ。」
内心を一つも見せずに微笑んで答えれば、監督は女神の崇拝者のごとく恍惚とした表情を見せた。
再びくるりと歌姫は向きを変ると、二人のやり取りを面白くなさそうに眺めていた面々の視線を背中に浴びながら、その場を後にしたのだった。
劇場中の苦い視線を集めながら歌姫は廊下を進んで行く。俳優達も、楽団員も、裏方の人間も、果ては掃除婦まで。
誰かが嗤う。
「なによ、あの女。足を見せて監督を喜ばせてのしあがったくせに。」
後ろを向いて誰かが嗤う。
「女王気取りじゃないか。偉ぶって、良い御身分だよ。」
ちらりと僅かに顔を覗かせて誰かが嗤う。
「あんな可愛げがない女、今に見捨てられて忘れられるだろうさ。」
まるで鏡に囲まれた部屋の中を歩くようだ。姿はあっても虚像ばかり。実のところは真ん中に立つ自身しか分かり得ないし、有り得ない。だが、虚像は実像の預かり知らぬところで、まるで実像と同じように動く。
控室に入って扉を閉めた所で、ようやく大きく息を吸い、ほっと吐き出した。化粧台の前に置かれていた赤い薔薇を見つけると、その高貴な香りを味わいながら燭台に火を移した。ぼんやりと明るさが増すと、大きな鏡が現れる。燭台を持って歌姫は鏡を覗き込んだ。下側からの光で照らされた自分の姿は、十も二十も年を取ったように見え、未来を示しているようだ。
蝋燭の弱い光は、鏡を覗く女と鏡の中から覗く女との間で行き来をし、後ろにはぼんやりとゆるやかな影が伸びる。
『あんな可愛げがない女、今に見捨てられて忘れられるだろうさ。』
じわりと毒が精神へと浸み込む。十年、あるいは二十年した頃も、こうやって暗闇の中に一人佇んでいるのだろうか。火が揺れて影が忍び寄るかのように蠢く。
コンコンとノックの音に顔を上げれば、同時に燭台を持つ手が動いて、影は部屋の隅へと霧散していった。
やって来たのは、バレリーナの一人で伝言を預かったと紙片を渡して来た。伝言はパトロンである若い子爵からで、支配人には既に告げているが夕食を是非ともに、との内容だった。返事をもらいたいという彼女に、喜んで伺うというような返事を告げれば、一瞬だけバレリーナの表情に苛立ちが交じる。
子爵は非常に魅力的な男性だった。例え、爵位がなくとも女性は放っておかないだろう。たしか、初めて子爵が劇場を訪れた時、このバレリーナは随分と熱の籠った目で子爵を見つめていた筈だった。初恋の幼馴染似ているとか何とか他のバレリーナ達と姦しく話していた気がする。どうやら、憧れの人物が大嫌いな女を誘ったことが面白くなかったらしい。まあ、この若いバレリーナでなくとも、意中の相手から他の女への伝言を頼まれたら、少なからずこのような表情を見せるだろうが。
ところで、と、すぐにでも立ち去りたかったバレリーナは思いがけず声をかけられ、身を固くした。
「貴女、この先もずっと足を見せびらかせて、殿方の気を惹いて生きていくつもり?」
若いバレリーナは、自分が叩いた陰口の揚げ足を取られて、かっと羞恥と怒りに頬を染める。何か言い返そうとして口を開いた瞬間、歌姫は先んじて言葉を続けた。
「心にも思ってない事を心底思っている、そんな振りが貴女はできるかしら? 心の内を隠して、心と真逆の素振りが出来るようになれば、貴女は素晴らしい女優になれるわよ。」
バレリーナは言葉を探しているのか、怒りの為に僅かに潤んだ瞳で目の前の女を睨むしかできない。歌姫と言えば、しばらくは言葉を待っていたが、反論が返って来ないと分かると急に苛烈な視線を嘲りに変えて、若い娘を見下すと鼻で笑った。
「ま、今のままじゃ無理ね。私の事、大嫌いだって顔に書いているもの。それが本心とは逆ならば話は別だけれど。」
二人の間に重く険呑な沈黙が充満した時、見計らったかのように扉がノックされた。膠着状態を破ったのはマダムだった。練習室に居る筈のバレリーナが何故いるのかと片眉を微かに上げたがすぐに歌姫が口を挟む。
「ああ、マダム。怒らないでくださらない? どこかの殿方からの伝言を届けてくれたのだから。」
ぷいと無言で部屋を去っていくバレリーナを見送ると、マダムは溜息かただの吐息か判別が付きづらい程度にゆっくり息を吐き出した。そして、微かに唇の両端を挙げると、歌姫を見つめた。
「マドモアゼル、貴女は素晴らしい女優ですね。」
どうやらマダムはノックをする時機を伺っていたようだ。その言葉に、珍しく悪戯っ子のようなあどけない笑み浮かべると、椅子を勧めた。しかしマダムは手紙を渡すようを頼まれただけだと立ったまま小さな紙片を差し出す。
舞台の素晴らしさを賛美する言葉と、夕食への誘いが美しい筆跡で書かれていた。
「マダム、これをくださった方にお伝え下さる? お誘いは有難いけれど、このように美しい文字を書かれる教養高い方とご一緒するのは恥ずかしいと。もし、私の様な無教養な女を外に出してもこの劇場の名を損なわないと支配人が考えるようでしたら、その時は喜んで参りますと。」
いつもの断り文句だった。誰と会うべきかどうかは支配人に一任している。殿方達の矜持を顧みることなく誘いを受け、諍いの種を播くのはよくない。マダムは肯いて伝言を受け取ると扉へ向かう。しかし、ふと足を止めて、そう言えば、と振り返った。
「支配人から二十分後に夕食をとの伝言が。」
「もう、マダムったらそれを先におっしゃってくださいな。」
浮足立ちながら慌ててドレスを選び始めた歌姫に、マダムは微笑ましそうな視線を向け、着替えを手伝うべく手を伸ばしたのだった。
晩餐のためのドレスは色が淡く初々しさを覚える物であったが、歌姫から立ち昇る色香が奇妙な不均衡を生み出して、妖艶さを与えていた。豊かな胸元には歌姫の情熱的な精神を暗示するように赤い薔薇が飾られている。
「ああ、子爵様方。我らが歌姫を連れて参りました。」
支配人は、皆が既に知り尽くしているであろう歌姫についての紹介を、つまりは花々しい業績を紳士達に告げながら、用意された食事の席へと向かう。若い紳士が挨拶代りにと白い薔薇を一輪差し出した。もう一人の少し年上の紳士が、苦笑しながら口を挟む。
「子爵。彼女に贈る薔薇が、赤い薔薇と決まっているのは有名な話ですぞ。」
「ええ、勿論知っていますよ。ですが、赤い薔薇ばかりなら、違う色の花が目立つのではと浅知恵を働かせたのです。しかし、こうしてお目にかかると大失敗だったとわかりました。赤い薔薇以外では、貴女の美しさに花を添える役目すら適わないでしょうから。」
「まあ。でも、せっかく私の為に選んで下さったのですから、今日はこの薔薇も飾りましょう。」
胸元の赤い薔薇の隣に白い薔薇は飾られたが、結局、淡い色のドレスに埋もれてしまった。確かに白い薔薇を選んだのは間違いだったようだ。それでも、自分が差し出した薔薇が歌姫の胸元を飾ることに満足した若い子爵は、熱を隠さない視線を歌姫に向けた。
「しかし、貴女が一躍有名になった『醜聞』のアミ、あの場に居られなかったことが本当に残念です。」
「それは惜しい事をしたね、子爵。私は幸運にもあの舞台を見ていたのだが、本当にあれは素晴らしかった。主役の二人を差し置いて、アミが一番喝采を浴びていたのだけれど、誰も文句など言えなかっただろうね。」
支配人は紳士達の言葉に頷きながら、讃辞を続ける。
「ただ、個人的な意見を述べるのならば、『ナイル』で演じたクレオパトラが良かったと思いますよ。高慢な女王がふとした時に見せる弱みをあそこまで演じられる女優は中々いないでしょう。」
「あの時は、看板女優もすっかり板に付いた頃でしたから、女王は演じると言うよりもいつもの通りだったかもしれませんね。でも、そうだとしたら、上手く演じ分けられたのは、女は誰でもそう言う瞬間があるからかもしれませんよ、支配人。」
くすりと笑ってグラスを持ち上げる。それに応えるように、支配人が杯を掲げた。
「我らが女王の美しさに。」
冗談交じりに『ナイル』の台詞で乾杯すると、一瞬だけ歌姫と支配人の視線が交わる。視線の交差に気が付いたのか、話題に乗り遅れまいとしてか、子爵が話を引き戻した。
「私が初めて見た貴女の舞台は、『リリートゥ』でしたが、あれですっかり貴女の虜になってしまいましたよ。エイロゥが誘惑に勝てなかったのも仕方ない。先ほどまで可憐な乙女だったのが一瞬で妖艶な悪女に変わっていたのですから。どんな男でもすぐに心を奪われてしまうでしょう。」
早口で一息に喋ったせいか、ぐいとグラスを呷る。ちょうど、給仕が料理を持ってきたので、もう一人の年配の紳士はゆったりとグラスを置き、同じくゆったりとナプキンを取り上げた。
「私は『エポナ』が素晴らしかったと思うね。女神に扮した貴女が現れて、兵士達を鼓舞し勝利へと導く場面ではいつの間にか手に力を込めて握り締めていたよ。まるで、戦場に向かう兵士の心が乗り移ったみたいにね。」
若い紳士は、確かにあれも素晴らしかったと相槌を打ち、歌姫へと向き直った。
「貴女自身は、どの役柄が一番気に入っているのでしょうか?」
「そうですね……。」
歌姫は口元にそっと指を当てて考える仕草をする。優雅でいて妖艶に見えるようにと指の角度まで計算されつくした仕草が決して嘘臭くなく、自然と馴染んでいるのは流石としか言いようがないだろう。
「やはり、その時の役柄にこそ一番心が近づきますから。」
先ほどまで舞台で演じていた役、愛を渇望する娼婦の役が今は一番気に入っている、遠回しにそう告げると、自分が気に入っていた役が答えではないかと気負っていた紳士達は、答えが外れたことに悟られない程度の落胆を見せた。それから、誰かが気に入った役ではない役を歌姫が答えたことに気が付くと、小さな諍いを上手くかわされたと知ったのだ。
「それに、何度も舞台に立っていると段々、台詞が私の心と同じになって来るような、そんな心持にはなりますの。例えば……、」
ちらと、ほんの一瞬だけ歌姫は視線を支配人に向ける。
「今宵、あなたを待ちましょう、」
グラスを持っていた支配人の手が微かに揺れたのも仕方がない。『リリートゥ』の時よりもずっと妖艶な視線だったからだ。
「とは、もう何度も何度も口にしておりますから、いつの間にか誰かを待ち続けている心持ちになってしまっていますわ。」
支配人が動揺を押し殺し、台詞だけを聞いた子爵が落ち着きをなくす。もう一人の紳士は愉快そうに子爵を眺め、歌姫は無邪気に笑って見せたのだった。




