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デロデロリーン★美少女怨霊アナスタシアに呪われました

初めて1話まともに書けたけど初心者なので緩い目で見てくれるとうれしいです。

 



 迷宮(ダンジョン)……それは世界のあちこちに点在する摩訶不思議な領域のことを指す。


 迷宮核(デウス・クリスタル)と呼ばれる神秘のエネルギー結晶を中心に構成されたその領域は様々な資源や宝物に溢れ、見るものを魅了し自らの中に誘う。


 それだけを聞くとまるで楽園のように思えるが現実はそんなに甘くはない。


 ダンジョンの中には様々な罠が設置されているだけでなく凶暴な魔物が生息しており、(エサ)に釣られてやって来る者を今か今かと待ち構えているのだ。




 そんな危険な領域であるダンジョンに一攫千金を狙い挑む者逹がいる。


 その命知らずの者逹を人はこう呼んだ。




 《冒険者(エクスプローラー)》と。






 ★★★



 大陸の中央部に位置する《ソレイユ黄土迷宮》は地下に向かって構成された迷路のように複雑に入り組んだ岩窟状の中級者向け迷宮である。


 豊富な鉱物資源と魔力が多く含まれた地下水によって育つ希少植物が取れることで知られている。


 その《ソレイユ黄土迷宮》に一組の冒険者パーティーの姿があった。





 プギギギイイイィィィィイイッ!


 ドドドドドドドドドドドドドッ!


 迷宮の洞窟のような通路に雄叫びを響き渡らせ、ガタガタと地面を揺るがせながら数十もの豚鬼(オーク)の群れが駆け抜けていた。


 それぞれが体長2メートル前後の巨体を誇る豚鬼(オーク)が押し寄せて来る様はまるで氾濫した川の濁流のようで、抗いがたい本能的な恐怖を感じさせる。


 それが例え大型の魔物であっても尻尾を巻いて逃げ出してしまうことだろう。



 「うわあああぁぁぁぁぁぁっ!!」



 その豚鬼(オーク)の群れを率いるように先頭に数人の男女が通路を駆け抜けていた。



 「どうしてあそこで罠を作動させるんだよ!」


 「いやあれは不可抗力だって!」



 鎧を着込んだ男の戦士の叫びに隣を疾走する女の剣士が叫びながら答える。


 彼らが何故こんな目に遭っているのか、その理由は至って単純(シンプル)


 ただ戦闘中に迷宮(ダンジョン)内に設置されていた罠のスイッチを踏んでしまい、広大な迷宮(ダンジョン)を区切っていた壁が開いてしまったのだ。


 そして彼らにとって運が悪かったのは繋がった区域が大量の魔物が犇く区域、通称モンスターハウスであったこと。


 ひとえに罠といっても足止め程度のものから一発でアウトのものまで色々存在するのだが彼らが引っ掛かったのは明らかに一発アウトの方だった。



 「これからどうする、ずっとこのまま走ってなんていられねぇぞ」


 「い、一応、通信魔具(リンクパール)で…救援を……入れておきました」



 戦士が問うと前を走っていた魔術師の女が息絶え絶えに答えた。



 「返事は!?」


 「ち、近くにいる奴を……救援に寄こすから、もうしばらく耐え凌げ…と」


 「もう限界だっての!!」



 戦士がチラッと背後を確認するが豚鬼(オーク)達とそれほど距離は開いていなかった。


 足を止めればたちどころに蹂躙されてしまうのが目に見えている。


 だがずっと走り続けた肉体は悲鳴を上げていた。


 一番早くに限界を迎えたのは後衛職の神官の女だった。



 「きゃっ!」



 前衛職よりも体力に劣る後衛職の女神官が足を縺れさせてしまう。


 急いで立ち上がろうとしているが体を打った衝撃と疲労が重なり中々立ち上がれないでいた。



 「ちっ!!」



 戦士が立ち止まり女神官の下に向かうと残りの仲間達もそれに続いた。



 「みんな…私はいいから逃げて!!」


 「そんな訳にいくかよ!!」


 「そうですよ。仲間を見捨ててなんて行けません」


 「行くなら一緒に、だ」



 戦士は女神官を立ち上がらせるのを見ると仲間達も苦笑を浮かべて陣形を組み始めた。


 もはや逃げ切ることは不可能であり、ここで迎え撃つしかないのだと悟ったのだ。



 「みんな…ごめんね」


 「そんな話はこれを乗り切ってからにしようぜ」



 戦士は明るく言ってるが皆、それが無理だと分かっていた。


 それでもここで諦める訳にはいかない。


 なぜなら彼らは冒険者(エクスプローラー)なのだから。


 迫りくる群れを前に戦士は震える体を叱咤し、覚悟を決めた。





 「行くぞ!!」


 「「「おぉっ!!」」」

















 「いや、逝っちゃ駄目でしょ」


 「「「「…………………えっ!?」」」」





 覚悟を決めていざ行かんとした瞬間、聞こえてきた仲間達以外の声に思わず戦士の脚が止まった。


 戦士が振り向くと仲間達の後ろにいつの間にいたのか一人の青年が佇んでいた。


 なんか黒い影みたいな奴……それが青年を見た戦士の感想だった。


 この大陸では珍しい黒髪に同じく黒色の瞳。


 漆黒の軽鎧を纏い、その背中に黒金の大剣を担いでいた。


 青年の肌は色白なため余計に黒い色が映えて見えた。



 「え~…あんたらが救援の連絡を寄こしたパーティーで合ってるか?」


 「あぁ、そうだが…あんたがギルドが派遣してくれた救援か?」



 てっきり複数のパーティーが救援に寄こされるとばかり考えていた戦士は辺りを見渡しながら青年に尋ねた。


 相手は低級の豚鬼(オーク)とはいえ群れを成している。


 低級といえど個と群ではその脅威度は大きく変わる。


 数が多いというのはそれだけで大きな力を持つ。


 戦争の際でも様々な策が練られるが基本的に兵数が多い方が勝つというのが常識であるし、個の力で戦局が覆返されるなんてことは稀である。


 それ故このような事案の際に寄こされる救援というのは複数のパーティー合同の部隊レギオンが派遣されるのが普通なのだ。



 「……これでメンバー全員か?」



 何故かパーティーメンバーの女性陣を上から下まで舐めるように見つめていた青年の問いに戦士が頷くと「…チッ」と舌打ちされた。



 「……腐れリア充は全員滅びればいいのに。大体なんでパーティー構成が男1・女3なんだよ。普通に考えておかしいだろ。ただでさえ女性冒険者の数は少ないのになんで一人でハーレムしてるんだよ。これはあれか、嫌味か、いや嫌がらせなんだろもてない持たざるものをあざけ笑ってるんだろそうに決まってる」


 「お、おい、どうしたんだ急に……」



 突然虚ろな表情を浮かべ瞳孔の開いた暗い瞳になり小さな声で何かをぶつぶつ呟き始めた青年に戦士は戸惑いながらも声をかけるが全く反応がない。



 「解せぬ、世界人口の男女比率は戦争で死にやすい男のほうが少ないはずなのに何故持たざるものが生まれるのか、解せぬ。しかし一部の持つものが独占していると考えればこの謎は解くことができる。つまりリア充野郎は敵である」


 「ちょ、ちょっとあんたしっかりしてくれよ」



 そんなやり取りをしている間にも豚鬼(オーク)の群れは一刻一刻と迫ってきていて焦燥に駆られた戦士が青年の肩を揺さぶっていた。



 「うっ……そんなリア充オーラに包まれた手で俺に触るな」



 と訳の分からないこと言いながらもようやく現実に帰ってきた青年は戦士の手を払い迫りくる豚鬼(オーク)の群れに眼をやった。


 この一本道の通路を端から端まで埋め尽くして迫りくる群れを横に避けることは不可能であり、できるのは後ろに逃走するか正面から立ち向かうことだけである。


 しかしまともに立ち向かえばあの濁流の如き流れに飲み込まれ蹂躙されてしまう。


 とにかくまずはあの勢いを止めなければ話にならない。



 「下がってろ」



 陣形を整え援護しようとする戦士一行を後ろに下げると青年は一人群れの前に立ちはだかった。


 何をするつもりだ……戦士は青年に疑問の眼を向ける。


 装備からして剣士であることは伺えるが自分のように盾を装備していないのであの突撃を受け止めることは出来ないだろうし、あったとしても一人でやるなど論外だ。


 ギルドが救援に寄こしてくれた人材なのでこの状況を打破できる力を持っているのだろうが、それがどういうものなのか戦士には全く予想が付かなかった。


 戦士は何があっても動けるように武器を構えた。


 既に奴らとの距離は50メートルを切ってる。


 いまさら選択肢を変えることなど出来はしないし前に立つ青年にすべてを託すしかないのだから。


 しかし青年は未だに動く気配が無かった。


 40メートル………30メートル………。


 青年はまだ動かない。


 本当に大丈夫なのかと戦士の心に不安がもたげる。


 奴らとの距離が20メートルを切った。


 戦士が恐怖に突き動かされ突っ込もうと一歩踏み出した瞬間、今まで微動だにしなかった青年が動いた。



 「やれッ!アナスタシアッ!!」



 青年が叫んだ瞬間、それは起こった。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴッと豚鬼(オーク)達が起こす地響きとは違う別の振動が発生し、戦士の目に信じられない光景が映った。


 ビキビキッと地面の岩盤に罅ができ、そこから畳返しのように岩盤が捲れあがったのだ。


 捲れあがった岩盤は分厚い壁として豚鬼(オーク)達の進路を塞ぎ、突然の変化に対応できなかった前列の豚鬼(オーク)達は岩盤に勢いよく衝突し、後続の豚鬼(オーク)に押しつぶされていった。


 プギャアアアァァァァァ……と豚鬼(オーク)の悲鳴が轟き岩盤の向こうで何が起こっているのかが戦士には鮮明に想像することができた。


 想像することはできたが現実味が無く呆然としたままこの事態を起こした青年に眼を向けた戦士は視界に映ったおかしなものに眉を潜めた。


 いつからそこにいたのか、夕焼けに照らされた稲穂を思わせる黄金色の金髪を腰まで靡かせ真紅のドレスを着た女性が青年を背後から首に腕をまわし抱きついていた。


 線の細い体は後姿からでも分かるぐらい女性らしいラインを描いており露出の少ないドレスだというのに眼が眩んでしまいそうになるほど淫碑な雰囲気を漂わせている。


 魔性の女……彼女を言葉で表現するなら正にその一言に尽きるだろう。


 このような時であるにも関わらず戦士は彼女から視線を外せなかった。


 戦士が正気に戻ったのは岩盤から発せられる衝突音が止んだ時だった。


 先ほどまで断続的に発せられていた衝突音が止み、代わりにガンガンガンと岩盤を叩く音が響いてきた。


 あの濁流のような勢いが止まったことを察した青年は大剣の柄に握り締め岩盤に向かい駆け出した。



 「アナスタシアッ!!」



 青年の叫びを聞き背後の女性、アナスタシアはニヤリと不敵な笑みを浮かべて指揮者のように腕を振るった。


 するとあれだけ豚鬼(オーク)がぶつかってもビクともしなかった岩盤の壁が傾き始めた。


 岩盤に密集する豚鬼(オーク)の方へ向けて。


 ドオオオオォォォォォォォォンッ……今日一番の地響きを立てて巨大な岩盤は多くの豚鬼(オーク)を下敷きにして倒れた。


 再び訪れる阿鼻叫喚。


 豚鬼(オーク)達は完全にパニックに陥り、群としての体を失っていた。


 その時豚鬼(オーク)の群れの真っ只中に漆黒の影が飛び込んだ。


 上から下まで黒尽くしの青年が風のように駆けて岩盤の上を乗り越えると豚鬼(オーク)の群れの中心に向かって跳び、黒金の大剣を振るった。


 横薙ぎに振るわれた大剣は分厚い脂肪と筋肉に守られた頑丈な体を抵抗らしい抵抗を感じさせず引き裂いていく。


 風車のような回転斬りで周囲の豚鬼(オーク)を切り伏せ終わると前方の獲物へと飛び掛り大剣を振るった。


 とっさに豚鬼(オーク)は棍棒を盾にするが青年の大剣は棍棒ごと相手を真っ二つにした。


 横にいた豚鬼(オーク)が動きの止まった青年にチャンスとばかり棍棒を振るう。


 しかしその一撃は青年には届かない。


 振るわれた棍棒はまるで見えない壁に阻まれるかのように青年に届く前に止まった。


 いくら力を籠めても動かない棍棒を捨てて拳で殴りかかるがその拳も青年には届かない。


 何故届かないのか分からず豚鬼(オーク)はそれならばと青年につかみ掛かった。


 しかし真上から振り下ろされた大剣に真っ二つにされる。


 そんな光景を目の当たりにし、とうとう豚鬼(オーク)達は青年から逃げ出した。


 ほとんどの豚鬼(オーク)迷宮(ダンジョン)の奥へ一目散に逃走を始めたが、一部の豚鬼(オーク)が戦士達の方へと駆け出した。


 青年は無理でもこいつらなら大丈夫、そんな風に考えたのだろう。


 岩盤を乗り越えようとする豚鬼(オーク)達を尻目に青年はアナスタシアに視線をやった。


 アナスタシアはフフフと笑い腕を振るった。



 グシャグシャグシャ……。



 その瞬間、数体の豚鬼(オーク)を乗せた岩盤は勢いよく天井まで浮かび上がりあっけなく豚鬼(オーク)を押し潰した。


 何が起きたかも理解できなかったのだろう、悲鳴すら残さずこの場に居た最後の豚鬼(オーク)が屠られた。





 「それじゃ帰りましょうか」





 驚愕に眼を見開き、口をあんぐりと開けて突っ立っていた戦士一行に血まみれの青年は苦笑を浮かべながらそう促したのだった。













 「くそっ、めんどくせぇ」



 呆然としたままの戦士ご一行を連れて地上に戻ってきた青年はギルドに彼らの身柄を預けると今回の報告書を書いていた。


 探索を終えた冒険者の書いた報告書の情報がギルドに集積され、自分だけでなく他の冒険者のために利用される。


 そのためこの作業も大切だと分かってはいるが探索で疲れた体にこの手の作業はなかなかに堪える。


 しかし受付嬢の視線が手を抜くことを許さない。


 羊皮紙を隙間無く文章で埋めると受付嬢の視線が和らいだのを感じた。



 「よしっ、これで終わり」


 「はい、お疲れ様でした」



 人使いの荒い受付嬢に見送られて青年はギルドを後にした。




 「「「「今回は危ないところを助けていただいて本当にありがとうございました」」」」



 ギルドを出た瞬間、青年は見覚えのある顔ぶれに囲まれいきなり頭を下げられた。


 どうやら戦士ご一行が礼を言いに来たらしい。



 「あんなに強い人はじめて見ました。ほんとすごいです!!」 と暑苦しく言う戦士。


 「あのすごい剣さばきに感動しました。流派はなんですか?」 と尊敬の眼差しで見つめてくる女剣士。


 「岩盤を浮かしたのは一体どんな魔術なんですか?よかったらご教授下さい」 と可愛らしくお願いしてくる女魔術師。


 「このご恩はずっと忘れません。何かあればいつでもお声がけして下さい」 と囁いてくる女神官。



 戦士の野郎はどうでもいいけど他の娘達は可愛い。


 ぜひともお持ち帰りしたい。


 みんなそんな頼りない野郎はほっといて俺のところにおいで。


 俺はいつでもウェルカムさ。


 思わずそんなことを言いそうになった青年はぐっと堪えた。



 「よかったら握手してもらえませんか?」


 「もちろんいいよ」



 可愛い女の子のお願いに青年は即答した。


 手汗を服で拭うと手を差し出した。


 女の子が手を伸ばしてくるのを見て青年はにやけそうになる顔を必死に引き締めた。


 いよいよ感動の瞬間。


 女の子のやわらかそうな手が青年の手を包み込んだ------




 ツルッ!



 「……えっ!?」



 青年の手は女の子の手に包まれた瞬間、何故かその手の中から抜け出した。



 「……あぁ、ごめんごめん。ちょっと滑っちゃったみたいだ」



 今度は青年の方から女の子の手を握るが手が触れる直前、スルリと女の子の手が青年の手の中から抜け出した。


 まるで磁石の同極同士を引っ付けようとした時みたいに青年の手は女の子に触れようとすると反発する。


 女の子との握手を諦めきれない青年が何度も何度も手を伸ばすがスルスルと反発した。



 クスクス………



 背後から青年の行動をあざ笑う声がした。


 青年が振り向くと腰まである長い金髪を靡かせ、真紅のドレスをきた美少女が口元を扇で隠しつつ、片手で腹を抱えて笑っていた。


 少女が顔を上げ、青年と眼が合った瞬間、ニタニタと嫌らしい笑みを浮かべた。




 「貴様のせいかーーーーーーーーーーーッ!!!」




 青年の堪忍袋は一瞬ももたなかった。








 ★★★★★



 『貴様のせいかーーーーーーーーーーーッ!!!』



 「あらあら賑やかだこと」


 「止めなくてよろしいのですか?」



 ギルドハウスの最上階の一室、一人の女が窓下を見下ろして笑っていると後ろに控えていた男が尋ねた。



 「元気があっていいじゃない。若い子はあれぐらい元気がなくちゃね」



 女は笑っているが男は苦虫を噛んだかのように顔を歪めた。



 「極普通の人間ならそうですがね。彼は普通じゃない」


 「あら、加護持ち(ギフテッド)だって普通の子とそう変わらないわよ」



 加護(ギフト)、それは神が人に授けし特別な力をことを指す。


 生まれた段階で人を超越した力を持つ加護持ち(ギフテッド)は人から尊敬と畏怖を抱かれる。



 「彼は更に特別ですよ。あの力は人が持っていていいものじゃない」


 「口を慎みなさい。あまり度の過ぎた発言は許しませんよ」



 女の叱責に男は慌てて頭を下げた。



 「報告すべきことがないなら下がりなさい」


 「はい。ではこれで失礼します。ギルドマスター」



 男が部屋から出て行くと女、ギルドマスターは溜息をつき男が持ってきた報告書に眼を通した。


 報告書を読むにつれてギルドマスターの表情に笑みが浮かぶ。



 「ふふふ。流石はシオン君ね。ほんと頼りになるわ」



 霊を支配し、人々から忌避される怨霊の力を行使する【呪霊】の加護持ち(ギフテッド)


 トップクラスの実力を持つ特級冒険者。



 「あなたの活躍を期待しているわ。シオン君」



 眼下の喧騒を眺めながらギルドマスターが呟いた。








 『何暴れてやがんだシオン!!』


 『煩い!!むさ苦しい野郎はどっか行ってろ!!』 


 『こらッ!暴れんじゃねぇよ!』


 『ギルドの品位を落とすような真似すんなって何度言ったら分かるんだ』


 『取り押さえろッ!!』


 『や、やめろッ!!俺に触るな!!何でヤローだけが俺に触れるんだよ!!』


 『観念しろッ!!』


 『ど、どこ触ってるんだッ!!やめろ俺にそっちの毛は無ぃ………アッーーーーーーーーーーーーーーッ!!!』











 ギルドの賑やかな日常はこうして過ぎていった。


 

【ゴーストデータ】

《アナスタシア》…生前とある高貴な貴族令嬢。なので扇は標準装備。

 ・所有能力……念動力ポルターガイスト。物を自在に動かすことができる。

 ・憑依代償……アナスタシアさんは少しばかり嫉妬深いのです。だから自分のものに他の女が触れることを嫌います。だからとり付かれた人は基本的に女の子に触れません。でも女の子だもの。独占欲を持っちゃうのは仕方がないよね。

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