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学校で人気な美人姉妹を助けたけど、適当な名前を名乗って乗り切ったのに、しばらくしたら病んでいる彼女がたちが僕のところにやってきた  作者: 普通


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1/1

美人姉妹を助けてしまった

僕には人を助ける趣味はない。


世の中にはとても心優しい人たちがいて、そういう人は見返りを求めずに助けに行くんだと思う。でも、僕はそういう人間になれない。


だから、今日彼女たちを救ったのもただの気まぐれだったんだろう。






――――――――


今日は日曜日。



やることが何もないので、散歩という名目で外に出ることにした。




休日にサングラスをして、マスクをして家を出る。高校生でサングラスをすると生意気みたいに思われるかもしれないが、これはどうしても必要なのだ。遺伝性の病気で物心ついたころからサングラスは手放せない。これの所為で怖い人たちに喧嘩を売られることもしばしばあるので外したけど、そういうわけにもいかない。




いつも通り、散歩をしながら何も考えずに歩く。1週間に1回ぐらいは何も考えないような日があってもいいんじゃないかと思って、こういう日を作っている。でも、これが案外良くて、ストレス発散になっているので続けている。




うちの制服ってぽいものを来た女子生徒が路地裏で見るからに不良っぽい生徒に詰められていた。女子生徒は2人で不良は5人ぐらいか。


僕としてはああいうのに関わると後々面倒なことになるかもしれない。面倒事だけには巻き込まれたくない。ここでは見て見ぬ振りをするのが得策であると結論付けて視線を彼女たちから前方へ移そうとしたタイミングで一瞬だけ、ポニーテールの女子生徒と目が合ってしまった。



その目は僕に助けを懇願するようだった。


だからなんなんだ。僕が彼女たちを助ける理由もなければ、義理もない。正直な話ここで彼女たちを助けて、僕に利益はないだろう。




気にせず、歩けば自然と足が止まってしまった。こんなことをしても利益がないのにと思いながらも、僕はため息を吐いて、彼女たちの元に向かう。


もしかしたら普通に殴られるかもしれないし、後悔するかも……というか絶対に後悔するだろうけど、足がこっちに動いちゃっている以上は諦めるしかない。


近寄っていくとどんな会話をしているのかも聞こえて来る。


「俺達と遊ぼうぜ」


「いやです」


「いいじゃねぇか。別に減るもんじゃねぇし」


「いや!」


「そんなに嫌がられると益々遊びたくなってきちゃうぜ」



女子生徒が最初に気付き、その後不良集団は僕の存在に気付いた。



「なんだ、てめぇ」



「迷惑そうだから解放してあげれば?」


殴り合いとかになったら普通に負ける。というか数の暴力で絶対にリンチだわ。こんなことなら普通に通り過ぎていれば良かったのに…。



「そんなのお前に関係ねぇだろ!さっさとどっかいけ!!」


どっか行きたいよ!


でも、さすがにここで立ち去るのはカッコ悪すぎるよ。


だけど、無傷で去りたい。



そんな葛藤をしていると、不良の一人が待ちわびたのか、胸倉を掴んできた。



「おい、どっか行けって言ってんだろ!」



「聞こえてるよ。少し静かにしてくれ」



「誰に口聞いてるか、分かってんのか!?」



「いいから少し静かにしてくれ」


うわぁ…これは殴られるパターンか。なるべく歯を食いしばっておいた方がいいかも。




「なんだその目は……本当に殴られてぇのか」


殴られたくはない。だって痛いから。



僕に力はない。全くと言っていい程、殴り返せるような人間ではない。




でも、このままリンチされたくもないので少しだけ反撃をしてみることにする。



「ごめんね」


僕は右足で男の急所を勢いよく、蹴った。その瞬間、男の顔はどんどん青ざめていき、最後には倒れてた。


その隙をついて、僕は2人の女子生徒の手を取って、逃げることにした。



「ちょっと来て!」


後ろから色々と声が聞こえてきていたので、近くの交番に駆け込んだ。追っておかなかったらこのまましばらく走って離れたところで別れようと思っていたが、そうもいかないだろう。



不良たちは何も気にせず、交番の前まで来てしまって、警察官に見つかった。女子生徒が事と次第を全て説明して不良たちはしばらく交番に留まることになっていた。






そして僕と女子生徒2人はすぐに帰された。







「じゃあ、僕はこれで」


こんなことにはもう二度と巻き込まれたくない。



別れようとしたところでポニーテールの女子からお礼を言われた。



「今回は助けて頂いて本当にありがとうございます」



「別にいいよ。僕はただ逃げただけで何もできなかったし」


本当にそうだ。


僕はただ男の股間を蹴って、逃げただけだ。


それ以上のことをしていない。




すると次に口を開いたのは今まで無口だった、白髪でショートの女子だ。



「いえ、あなたが来てくれなかったら…ぼくたちは乱暴されていたかもしれない」


さすがにあの不良たちもそんなことはしないと思うが。



「でも助かったんだからそれでいいんじゃないか。これからは不良を撃退できるように催涙スプレーとか、男友達が入れば護ってもらうとか色々とした方がいいとは思うけど」


次、同じことになれば僕は助けないし、僕がいるとは限らないだろう。自分で自分の身を守れるようにした方がいい。



「はい。今回の出来事を心に刻み、しっかりと準備をしようと思っています」


本当にしっかりしている。


高校生でここまではっきり言えるような人物がいるとは。





それから僕は彼女たちを家まで送った。本当は送りたくなかったけど、雰囲気的に送らないのは許される感じではなかった。


それに一応、助けたのにその帰りに被害にあったでは後味が悪い。



「送ってくださり、ありがとうございます」



「ありがとう」



「いえ、お礼を言われるようなことではないよ」


そしてやっと帰れると思ったタイミングでショートの子が問いかけてきた。



「あなたの名前をまだ聞いてない」



「そうでした!お名前を教えてください!」


うわぁ…これはどうするか。



僕が彼女たちに関わりたくなかったのは彼女たちの制服も関係している。彼女たちの制服は僕が通っている、菊花きっか高等学校のものだ。この人たちが何年なのかは分からないが、少なくても同じ高校に通っているのは確定だ。もし、助けたとして僕の平穏な日々を脅かす存在になるんじゃないかと思っていた。



そういう面もあって助けることを悩んだのだ。




ここで本当の名前を言う必要はない。


さすがにこんな子たちが探し回ったりするようなことはしないと思うけど、念のため適当な名前を名乗っておくか。サングラスで目も見られていないし、マスクで顔も見られていない。




「私は長倉ながくら沙紀さきと言います」


「ぼくは長倉ながくら優香ゆか


さすがにこの流れで自己紹介しないわけにいかない。



「僕は井野いの正寛まさひろだよ」




もちろん…適当な名前だけど。



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