表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/131

神代セリカからの手紙

親愛なるナズナちゃんへ




お元気かしら。


突然のお手紙、驚かせてしまったならごめんなさいね。


でも、メールよりお手紙の方がお友達っぽいでしょ? ふふ




あの「失踪事件」の後は、いかがお過ごし?


512名の生徒と職員が、忽然と姿を消して


報道も、記録も、現地の痕跡すらも存在しなかった、すべてが真っ白なワルツ......




とても美しかったわね。




けれど、残念ね.....あれは実際には起きていないの。


あの校舎は、とっくに廃校になっていたもの。


生徒も、教師も、あの朝も──すべて、あなたを“招く”ために用意した舞台。


つまり……少しだけ、騙してしまったわね。


ふふ、ごめんなさい。




でも、私はそんなに悪い子じゃないのよ。


ただね、試したかったの。


あなたという人を、私は危険視していたから。


唯一、“私を止めうる存在”──そう考えている人がいるみたい。




だけど私は自分のことを信じてるの。


だってね世界が見えるのよ。


過去も、人の心も、死の先までも。




まるで、ひとつの物語の全ページが、初めから手のひらにあるように。


それはきっと、“完成されている”ということだと思うの。


ねえナズナちゃん、私って、本当に“人間”なのかしら?


ふふ……どう思う?




もう、私はあなたたちの“迷い”とは、全く別の世界にいるの。


あなたはその中には含まれていないけれど……


だからこそ、みんなを導いてあげなきゃって思ったの。




人間って、本当にくだらないことで悩むのよね。


未来を恐れて、形のない不安に泣いたりして……


あまつさえ、自分の欲望を満たすために、時にとても醜くなる。


下品な笑い方をしながら理性の無い事を平気でする事もある


 勿論、皆がそうでは無いし、ただの私の意見よ。


でも、そんな世界の片隅で泣いてる人を私は無視できないの




だから、私が世界を作り変えてあげるの。


幸福で、静かで、美しく、何も間違えない世界を。


それができるって、もう確信があるのよ。


……だから伝えたかったの、あなたに。




前は騙してしまったけど。


あなたは、唯一の友達だと思ってるから。




──セリカより


追伸




ナズナちゃんが恐れていた、あの“くだらない石柱”──


私は、全てくぐったわ。


ふふ、予想通りだった。五番目を通るとね……




“あれら全ての支配権”が、私の中に降りてくるの。


まるで、女王様になったみたいな気分だった。




今度、あなたにも“見せてあげる”わね。


私の、美しくなった世界を──。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ