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火炎の王との戦い

1|依頼──灼熱の異常事態


北海道・十勝平野の外れにある無人地帯。周囲で、原因不明の高温現象が相次いでいた。草木は自然発火し、地中から蒸気が噴き上がる。




とある組織が秘密裏に調査に乗り出し、ナズナに依頼が届いた。




  


ナズナはこの案件の情報があまりに少なかったので逆探知による依頼人の解析から始めた。




「TASK-V.......これは確か、島のファイルに....なぜ私に?」   




引き続き彼らの無線の傍受する。




『対象は火炎の王。こちらの干渉に気づいたと思われる。ANEI(AI)より、異常行動ありとの報告。対応コード:対異界災厄級。論理干渉可否』


  


ナズナは音に耳を澄ませ、様々な思考を巡らせる。一言「行くか......」と呟き、支度する。




東京の片田舎の僻地にあるヘリポートで組織と合流。ナズナはその一帯に目を凝らす。最新のヘリに武装機器、幾千の修羅を乗り越えてきたと思われる、厳かな雰囲気の人間ばかりの組織。」    




「探偵です。ナズナといいます。依頼を承りここへ来ました。」最低限の情報の提供。




彼らは睨みをきかせ、こんな素人の女が大丈夫なのかよ?冗談じゃないぜ、という雰囲気で満ち溢れている。




その中のリーダーとみられる男が「君が電脳探偵ナズナさんだね?宜しくお願い致します。」と言う。他の者とは違い、優しい雰囲気だが、何を考えてるのか一番わかりづらい得体の知れない雰囲気を纏っている、まるでナズナを知っていて試しているかのように    




「今回は常人であれば、まず生還は不可能だ、それでも君はこのまま進むかい?」男は決して脅しでは無い、恐ろしい宣告を告げる




「はい。自分の身は自分で守ります。もし途中で離脱した場合でも幾らか報酬は貰えるとのことですし。」




男は笑う、同時に何かを認めたかのように「それはいい! ハハ 君は僕の兵隊より肝が据わってるね」    




男は続ける「今回の作戦は外部に与える説明は最小限だが、君には特別に大まかな内容を伝えよう」




「突拍子がないがとりあえず聞いてくれ。まず今回の作戦は人外の鎮静化、もしくは捕獲。対象は現在北海道にいる。銃は無効。火炎に似たような現象を自由自在に操るらしい。対象は論理的交渉は不可能だが会話はできるらしい。対象の発語する内容からは性格の傲慢さが感じられるのが要注意だ。君の任務は対象を自慢の推理でいかなる方法を使っても攻略すること.....我々もこれぐらいの情報しかない。手探りな案件ばかりの部隊なんだ、すまないね」




彼は部下に呼び出される「千界隊長、そろそろお時間です」彼は頷きナズナに言う「幸運を祈ってるよ、探偵さん。命は大事にしなよ」男は最後にそう言い残し、どこかへ消えた。




ヘリに乗り部隊兵から再度、最低限の説明を受けた。難しくはない、現地に着いたら後は自分で考えろという事だった。その後、沈黙のヘリの中で二時間ほど思考して作戦を考えていた。




目的地近辺についたのか、部隊は空からドローンで状況を確認しつつ、ヘリで降下した。




 


着陸




──暑い。氷点下に近いはずの山地で、立っているだけで汗が噴き出す異常な熱気。




2|出現──炎の玉座


事前に渡されたデバイスとスーツを持ち別行動をとる。スーツは暑すぎて着衣しない選択をした。もし彼らと行動してたらきっと叱咤を受けていただろう、しかし暑いのとうるさいのは苦手だ。




デバイスが表示する目標圏内へと辺りを散策しながら遠回りで考えながら向かう




山中の古い神社跡地。そこに“いた”。燃え盛る炎の玉座に、紅蓮の鎧を纏った、王冠を戴く影。




「ほう……人間が来たか。我を制しに来たのか?」




「そう......お主......姑息な......。か弱い兵隊共の策か、くだらん機械(ANEI)の探りか──どちらでもよい。我の静寂を乱す者、排すのみじゃ」




3|交戦──論理の破綻


ナズナは状況を確認する。ヘリの部隊が上空から冷却剤を散布してるが地上部隊はなぜかまだ姿が無い、ドローンで解析されたデータがデバイスへ受信され視認する。




「小細工はよせ。我は怒っているのだぞ、小娘。機械や下等な人間が鼻を突っ込み、ワシの地を探りよって──」




火柱が上がり、上空の無数のドローンは焼かれる。




「……完全に、“神話”だ」




ナズナはすかさず退却。持ち前の運動神経で繰り出される熱風をぎりぎりかわし、森の斜面を滑り降り、岩陰に隠れる。彼女は分析用スコープに手をかけ、空間の揺らぎを可視化した。熱風の温度は一瞬で800度を超える。




「まずい……このままじゃ焼かれる」




ナズナは自前の周波制御装置を取り出し、地中に設置し移動する。風を誘導する音響波を放ち周囲の空気を震わせることで気流を操作した。




──風が斜面を下り、火の流れを逸らす。




ナズナは全力疾走し、数十メートル先の崩れた鳥居の影に身を滑り込ませた。そこは地熱がわずかに低い。




火炎の王は上空を睨み、炎を束ねて放つ。超高熱の炎の柱が一直線にナズナの方へ迫る。




「今っ……!」




ナズナは事前に解析していた地下水脈に繋がる岩盤が薄い水がにじみ出る地面付近に気流の誘導と、ハッキングで制御してたドローンで冷却剤を散布した。ナズナに火柱が向かう直前に水、火、風が合わさり水蒸気爆発を起こる。




──この一瞬ナズナは閃く。王を静止出来る程の爆発は可能、さらに状況を構築して膨大な密度のエネルギーを誘導できれば......




ナズナは手元のデバイスを操作し、“熱の回廊”を設計する。冷たい水、流れる風、熱風、薬剤、それらすべての流れる道を正確に作り上げる




“定義:熱圧=分子運動量×空間密度×偏差外の速度”


“仮説:火炎の王の出力は、周囲の平常を湾曲させている、その空間に膨大なエネルギーが蓄積されている”    高温(たとえば800℃以上)の物体に冷水が触れると、**水が瞬時に気化(蒸発)**する    通常、水1gが蒸気になると体積は約1700倍に膨張    地下水脈の体積と極低温、熱風の超高温と異常な速度。それらから逃れる退避場所も確認。


ナズナの推論は光速で動く。彼女は火炎の王の動きを見ながら最短ルートを計算。熱波が地形を削るがナズナは常にその数秒先を読んで動く。




火炎の王が吠えた。「逃げるな、小娘ッ!!!!」




ナズナの動きを追い、王は地を割るほどの火炎を一帯に叩きつけた。その直撃は、ナズナが構築していた“熱の回廊”が完成した




──その瞬間、辺り一面が爆ぜた。




大気が一気に圧縮され地面が跳ね上がる。巨大な水蒸気爆発。火炎の奔流と冷気の構造がぶつかり合い、空間全体が白く、そして金色に輝いた。




「やったか……?」




ナズナがつぶやく──その次の瞬間




「小賢しいしいわぁァァッ!!!」




炎の王が火煙の中から咆哮と共に現れる。王の紅蓮の髪が大きく揺れ、怒りと熱を纏って空気を灼いた。




「貴様ッ、よくも我が神炎を愚弄したな……いにしえに託された娘とて許さんぞ!!」




いにしえ......?なんのことだ?よくわからないが考えてる内に灰にされる




時間稼ぎ、ナズナは何通りも並列シュミレーションで未来を考え逆算し次の一手を考える




「あなたの怒りは、理不尽じゃない……観測できる」




火炎の王が唸る。「観測だと? 我が高潔な怒りが、人間如きに知れると申すか!!!」




「怒りは感情。その振る舞いにも、軌跡がある」




火炎の王が再び手を掲げる。空が赤く染まり、火の雨が降り始める。ナズナは逃げる。とにかく走って逃げる




火炎の王は炎を操りながらも、何か考えてるように口をつぐむ。




ナズナは叫ぶ




「私は……あなたと、向き合いたい」




炎はなおも燃え盛るが、王の瞳にほんの一瞬だけ興味の光が灯った。けれども王は炎の雨を止めない




視界が赤く染まり、温度は計測不能に。ナズナは限界を感じた。




これで終わりか.....




ナズナが諦めかけた──その時




   


天が裂けた




降臨──未来の神の介入


金色の閃光が槍となり、ナズナの前に突き立ち現れるなにか。




「我が愛しき巫女よ……無事でよかった」




  


驚愕。火炎の王も、ナズナも一瞬固まる。炎の雨が光の雨に変わる




「……誰?」




「わからないか……ふふ、そうかもしれぬ。されど、そなたが“私を復活させた”のだ、おかげでこうやって喋れるまでに戻れた」




「……でも、私はそんな覚え、ない。絶対ない。あなたを復活?させたなんて……」




「当然だ。まだそなたには“起こっていない”のだから」




その存在は、穏やかに微笑んだ。




「人間の時間の“前”と“後”は、我らにとっては大したことではない。


我にとって大事なのは“そなたが祈りを続けれる”ということだけなのだ」




6|退却──王の言葉


火炎の王は沈黙の後、笑いだす。




「わっはっは! なるほど、なるほど! これが“神の手助け”か!」




「主はもうそこまで進むか、その知性に太古の賢人まで引き込む能力。それに人間らしからぬ魂の炎色。悪くわない、悪くわないぞ人間。」




火炎の王は少し考えた後「まぁ今回は……部が悪いわ 引いてやろう」




なぜかとても楽しそうな顔をして、燃え盛る姿は霧となって消えた。




7|静けさと、余韻


神はナズナの肩に手を添える。




「また会おう、巫女よ。そなたが私を“名前ある神”にする、その時まで」




ナズナは荒れ果てた山の中で取り残され。火炎の王が据わっていた神社の玉座でへたり込む




疲れた.....もう1mmも動きたくない。そんな事を考えながら遠くを見つめる




ふいに目線を下げる。するとそこには、この世の物とは思えぬ美しい装飾の槍が落ちていた。炎が具現化した様な形状は火炎の槍とでもいうべきか、それ全体が一つの宝石の様なモノだ




ナズナは辺りを見回し静かに素早くバックにしまう。いつかあの王に合うことがあるなら返さねばと最もらしい理由を自分に言い聞かせながら満面の笑みで




ヘリまで帰還する。一部始終を見ていたのか部隊兵は皆呆気にとられた表情でこちらを見ている。最初の余所者を見る目とは全く逆の雰囲気がそこにはあった




そして形式的な任務報告をし、ヘリで元の場所まで送ってもらった。帰りの際、TASK-Vの隊長"千界"には会うことは無かった。




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「千界隊長。以上が報告となります」何にも似つかない、何を処理するのかも不明なファイルや造形物ばかり並ぶ執務室で兵士が声をあげる。男が答える「そうか、やはり......彼女はそういう存在か.....」そういって遠くを見つめ千界は少し微笑んだ

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