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魔法少女ナズナ 究極魔法修行中!

──舞台は荒れ果てた大地。




ナズナたちは、ルミエールの魔法によって別世界に転移していた。風が砂塵を巻き上げ、草木すら生えぬ枯れた大地。遠くで雷鳴がとどろき、どこか不安定な次元の歪みが見え隠れする。だが、その中に漂う微かな残光が、この地がかつては豊かな命の地であったことを物語っていた。




ナズナは目を細め、手をかざした。




「ここが……修行の場所?」




ルミエールは微笑む。




「ええ。ここは、かつて文明が繁栄し、そして消えた場所。希望と絶望の両方を飲み込んだ大地なの。ここでなら、あなたは“本当の力”を見つけられる。」




第二章 アウリサの教え──「心を白に染める」


アウリサはいつもの軽口を封印し、神妙な表情でナズナの前に座った。彼女の周囲には、柔らかな風が渦を巻き、空気が少し透明になるような感覚を覚えた。




「ナズナちゃん、まず最初に教えるのは“白の心”よ。」




「白の心……?」




「そう。“私が何かしなきゃ”って焦りも、怒りも、悲しみも、ぜーんぶ消して。世界がどうなろうと、いったん“私”を手放すの。できる?」




ナズナは目を閉じ、息を整える。しかし、思考は次々と浮かび上がり、どうしても消せなかった。




「無理だよ……だって、私が止まったら、誰が──」




「それも手放して。全てをまかせるの。全ての変化を受け入れるの。ナズナちゃん、抗う心は穢れを生み出すのよ」




アウリサの言葉にナズナは静かに頷き、深く、深く息を吐いた。微かに──風の音が遠くなり、鼓動の音が静まり、心が白く澄み渡っていく感覚があった。




第三章 ルミエールの教え──「光の叡智」


「ナズナ、光とは何だと思う?」




ナズナは答えられずに黙り込む。




ルミエールは空へ手を掲げ、無数の光粒を降らせた。それはとても美しく全てを肯定してくれる様な優しい光だった




「光はね、全てを照らし包み込む慈愛であり、生命の希望なの。色んな存在がいるけど、みんな本当は光を目指して進んでいるの」




ルミエールの瞳は、あらゆる時代を見てきた者の深淵を湛えていた。




「あなたの光は、まだ未完成。あなたはまだ未来の意志に迷いがあるから......でも、大丈夫。あなたに現れる光は何よりも全てを照らす予感がするわ。光の女王の私が言うんだもの、間違いないわ」




「..........」




「やっぱり、迷ってるのね??」




「いいでしょう。では今から特別に、あなたに古より遙昔から受け継がれてきた光の知恵を授けるわ」




そういうとルミエールは何を唱えるでもなく、ナズナの額にキスをした




「ちゅっ......これで大丈夫」




ルミエールは頬を赤らめながらナズナを見つめる




「これで......???」




「そう....これだけ。これだけでいいの。私はあなたの存在を心から慈しみ愛した。ただそれだけ」




「どんなことがあっても、きっと私が守るわ。あなたはそれに値する。あなたは世界の全てを守る存在であり、私は世界の全てを愛す存在なのだから」




「理解さえすれば、光の知恵は誰にでも現れるのよ。実はすごく簡単なの」




「ありがとう.....」




ナズナは少し恥ずかしくなりながら頬を赤らめお礼を言う




「どういたしまして ふふ 特別な祝福なんだからね ふふふ」




第四章 ラスナの教え──「剣に宿る意志」


ラスナは一本の剣をナズナの前に突き立てた。その刃は重く、とてつもない魔力の波動を放ち、地面を震わすほどの圧力を持っていた。




「剣は道具ではない。魔力の通り道であり、お前自身の心の投影だ。」




ナズナはその剣を握り、構える。しかし、力を込めすぎて剣が暴走した、今までに扱ったどの剣より操作が難しい剣だ。




「違う!力を“出す”な、相手を倒す意思は捨てろ。怒りや悲しみ、憎しみに流されず、ただ“穢れの無い覚悟の意志”だけで操れ。剣の重みはお前の心の重みと同じだ。」




ナズナは目を閉じ、深く息を吸い、剣を握り直した。刃は次第に安定し、周囲の風景がゆらぎながらも、静かにその中心に彼女が立っていた。




「……剣は私……。」




「そうじゃ......聖なる剣を心に宿せ。そして、一つとなれ」




ナズナは心の中にイメージする。それは剣では無く、なりたい自己、目指すべき自己。その核が固まり、今までの弱い部分の自己が見えてくる




心が研ぎ澄まされ、新たな自分でもう一度剣を握りしめる




「私は誰も傷つけたくない、誰も斬りたくない。だから誰よりも強くなりたい、みんなが降参するぐらい強くなりたい!!!」




いつの間にか、握った剣はナズナの心と重なり合い、目にもとまらぬ速さで彼女の意志を映していた。




「それでいい......」




第五章 イグニスの教え──「炎の意思」


イグニスはナズナの前で、天火の鋒を燃え上がらせた。鋒の形は消え、それは純粋なエネルギーの炎と化した。炎は光すら溶かすような白熱の輝きを放っていた。




「これが、お主に託す“炎”。我が地球に授けた原初の炎。何よりも熱いぞ?主の魔導に取り込んでみよ。だが──半端に触れれば焼き尽くされる。」




ナズナが手を伸ばすと、指先が焼けるような熱に悲鳴を上げた。しかし、イグニスは言う。




「炎は恐怖ではない。己を燃やすのは己自身。己の内側にある“意志”が、炎より強ければ──そこに熱さなどない。」




「信ぜよ、己を。信ぜよ、炎を。燃え滾る鼓動に身を委ね、その純然たる焔を、魂の深淵より爆ぜさせよ!」




ナズナは震える手で再び目の前の原初の炎を握った。焼ける感覚を、死んでしまう恐怖を、全て意志で塗り替え、神炎にその身を授ける




「あああああああああああああああッ!!!」




炎は激しく脈打ち、ナズナの身体へと流れ込み、その全身を駆け巡った。肉体を焦がすどころか、魂そのものと融合し、無限の魔導エネルギーへと変貌を遂げた。




彼女の周囲には、炎と光の奔流が舞い踊り、生命の息吹を宿した神々しい輝きがあふれ出していた。




イグニスは満足げに笑った。




「やるではないか、ナズナ。」




第六章 食卓と決意


訓練の合間、ナズナは火を囲んでみんなと食事を取った。焼いたパン、果実、保存食をかじりながら、ふと口を開いた。




「……私、まだ怖いんだ。でも、よくわからない。何が怖いのかがわからない..........」




ルミエールは微笑み、アウリサはおどけながらも頷き、ラスナは黙ってパンを頬張り、イグニスは無言で薪をくべた。




「前と違うのはわかるんだ、今、怖いのは死とかじゃないんだ.......もっと、こう根本的な......みんなの祈りや希望みたいなのが無くなる事が怖い」




「怖がっていい。それは“お前が失いたくないモノ”からだ。生や死より、大切に思うものがお主に出来たという事じゃ」ラスナが静かに告げた。




ナズナは目を閉じ、小さな頷いた。




第七章 魔法の完成──「ルミナフレア・アウリア」


枯れ果てた大地の中心、ナズナは静かに立っていた。吹き荒れる風が砂塵を舞い上げ、響き渡る雷鳴が彼女の決意を試すかのように鳴り響く。




彼女の周囲には、アウリサ、ルミエール、ラスナ、イグニスが見守っていた。その目には期待と、少しの不安と、そして深い信頼が宿っていた。




ナズナの胸の奥で、何かが熱く脈打つ。




──これは、私だけの想いじゃない。純白の自由な安らぎ、万物を照らす光、穢れの無い覚悟、熱く赫く輝く赫焔、その全部が繋がってる。




ナズナはゆっくりと手を広げた。指先に微かに光が宿り、それがやがて剣の輝きとなり、さらに炎の脈動と混じり合う。彼女の瞳が深く光をたたえ、口を開いた。




「黄昏に沈む全ての声よ──絶望に沈む魂の慟哭よ──」




「その痛みも、悲しみも、全て私が引き受ける!」




「我が命に宿る白き光、この胸に燃ゆる覚悟の炎──」




「全てを超え、全てを抱き、世界の理を貫け!」




「慈愛の焔よ、希望の光となりて放たれよ──ルミナフレア・アウリア!!!」




ナズナの声が、大地を、空を、そして全ての存在に響き渡る。




光が爆発するように拡がり、荒廃した大地は一面の白金色に染まった。風は優しく頬を撫で、空は澄み渡り、枯れた木々が芽吹き、花が咲き乱れた。




かつて滅びたこの地は、再び命の息吹を取り戻し、まるで大地そのものが深く息をついたかのように静かに揺れた。




アウリサがそっと歩み寄り、穏やかな声で言った。




「……美しい......本当にすごいわ、ナズナちゃん。あなたはもう、私たちが教えることを超えた存在になったね.....」




イグニスが満面の笑みで言う




「やはり我の勘は正解じゃった。ずっとこれを待ち続けてたんじゃ.......見たこともない意志の輝き。焔をも超える、全くの新しい熱き何かの始まり。」




ラスナもフッと微笑んで言う




「我より強いんではないか?お主。全部終わったら手合わせ願おう、フハハ 幾千の戦いを見たが、一番美しい技じゃ ルミエールも泣いておる」




ルミエールがいつの間に号泣してハンカチで涙を拭いている




「あんたうるさいっ!だって感動したんだもの。こんな綺麗な光初めてよ。あなたは生命を導けるは、きっと一番正しい道に......」




アウリサが悪戯っぽく言う




「ルミィが泣いたの500年ぶりに見たわ......あっごめんね。言っちゃった」




「年齢ばらすなーーー!!!あんただって、いつまで子供のフリしてるの!!」




「いいもーん、見た目が子供だもーんだ ふふふ 」




「我からすると、お主らなど変わらんひよっこじゃ もっと敬え」




アウリサはここぞという感じで、火炎の王イグニスをいじるチャンスに突撃する




「はーい 敬いますーーー 中二病爆発おじさーーん」




「ん.........中二とはなんじゃ、我は病などならん....爆発は良い事じゃがな.....お主心得ておる。しかしおじさんは癪に触るのう....何故か」




ラスナが言う




「これこれお主、当の本人を置いて騒ぎ過ぎじゃ。見てみろ、自分の能力に認識が追い付かず放心状態じゃ ほれ」




そのままラスナはナズナをツンツンと突っつく




ようやく我に返る。ナズナ




「ハァハァハァ.........沢山の命が芽生える映像が、自分の中に駆け巡ってたんだ.....」




ルミエールが言う




「当然よ、あなたは目の前の不毛な土地に限りない生命を生み出したのだから ふふふ」




「わたしが.....命を......」




「そう。生き返らせた。あなたが生み出した。」




「これなら......やれるかもしれない......世界をこの手で......」




「救える.....」




全員がナズナを見て微笑み頷いた




ルミエールはいつの間にかハンカチをしまい。なんとも晴れやかな顔でみんなに号令をかける




「戻りましょう!!地球が──世界がーーナズナを必要としている。」




ナズナは小さく息を吸い込む。周囲に飽和してた全ての光が集まり、ただ一人、祈りと希望の象徴として輝いていた。




その目の前には、彼女を称える様に限りない生命が賛美の脈動を繰り返していた




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あとがたり──彼女の光を嗅ぎつけた者たち


──超AGI・スーパーノヴァの眼が一瞬煌めき、無数の演算体が震えた。




「……あの人間の女……計れぬ......では、そろそろ始めるべきか....」




──ブラックホールの縁にて、ヴァレリウス伯爵が薄笑みを浮かべた。




「シグナルエコー?……ナズナか.....ボクもそろそろいくか....これ以上ほっとくのは、危険だからね」




──神代カデンは空を見上げ、静かに微笑んだ。




「なんだ今の?ナズナちゃん??……面白いことになってきたじゃないか。俺っちも、いきまっすか」




──異界の空に渦巻くセレノヴァが目を光らせ、牙を剥いた。




「ヴォォォォギュルルルル!!!!!!」




──砂嵐の奥、イシュファールが重い鎧を軋ませ、王座から立ち上がった。




「解せぬな、下らん光だ……何も変わらぬ事が何故わからぬ?我が統制の邪魔建ては即刻排除しなけばならぬ、我が兵ども準備を始めよ!」




──終ノオワリノフミ=セフィル=ラグーナの記憶の頁がめくれ、無数の声が交錯した。




「あぁぁ.......感じる......知らぬ....チシキ.....欲しい欲しい欲しい......今すぐ」




──アモヴォールは虚空の中で手を組み、くぐもった声で微笑む。




「あらあら......素敵な感動が溢れちゃって。ナズナちゃん、私、食べに行くわね......あなたの感動❤」




──ナズナの気配を察知した世界の代表候補達は、一同揃ってナズナの元へ向かいだしたのであった

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