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どうして未来のことはこんなにも怖いのだろう?

作者: ラベンダー

 私はどうしようもないことで悩んでいる。まだ起きてもいないのに、どうして未来のことはこんなにも怖いのだろう? 起きてから考えればいいのに。起きてもいないことで悩むなんて、私は馬鹿だ。未来は、莫大な不安の塊だ。 じゃあ、過去はどうだろう?――良い思い出なんてない。過去のことなど、どうでもいい。 では現在は? 現在には、未来に起こりうる出来事を予測し、備える余地がある。それは素晴らしいことだ。 しかし、それでも対処できないことだったら? 手の打ちようがないことだったら? それはあまりに残酷だ。その瞬間、現在は未来への不安により、絶望へと叩き落される。


「未来のことは、起きてから考えればいい」と言う人もいる。確かに、その通りかもしれない。 だけど――もしかすると、今できる対策があるかもしれないのなら、未来のことを考えるのは、決して無駄ではない。


 ああ、不安だ。 こんなときは、外に出て気分を変えなければ。今にも、気が狂いそうだ。 脳がパンクして、血痕が部屋中に散らばってしまいそうだ――いや、さすがにそれはないとしても、倒れる可能性なら、ありそうだ。


 ……外は雨だ。終わった。 気分転換に、陽の光を浴びたかったのに。残念だ。 天候には失望した。私からの信頼を失った。 そうか、今は梅雨か。自殺者が増えそうだ――これは、私の限りなくゼロに近いデータから推測された、くだらない予測である。


「心配事の9割は起きない」とは、よく言ったものだ。 私だって、それくらい知っている。けれども、「起きない保証」はどこにもない。 それが恐ろしい。だって、1割を引く可能性が、ないとは言い切れないのだから。


 考えてばかりじゃ意味がない。行動しなければ! 休んでる場合じゃない! とりあえず、外に出よう! 傘など必要ない! 今まで当たり前だと思っていたことを、やめよう!子どもの頃に戻ったかのように!もっと自由に!空を見上げて―― 息を4秒吸って!4秒止める!そして8秒かけて吐く! そうだ、それでいい!私は、生きている! 拍手喝采!万々歳だーー!




おわり

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