第一章 3 『イケメン現る』
う、ううん…
どこかから声が聞こえる。
まだ瞼が重い。
たくさん寝たようでもあり、一瞬だった気もする。
長い夢でも見ていたのかな。
ぼんやりしてて思い出せないけど。
まだ覚醒しきってない、ふわふわした感じ。
瞼に光を感じ、そっと目を開けてみるとそこには…
???「あ、やっと起きた!大丈夫??」
と、心配そうに私を見下ろす超絶イケメン(推定20歳)のドアップがあった。
え、え、えぇーーーーーーー!!!
何??誰??何で??
この距離この角度から察するに、恐らく私の後頭部はイケメンの太ももの上と思われ…
置かれているシチュエーションを認識した結果、完全に脳がフリーズしてしまった。
イケメン「ん?あれ?大丈夫?どっか痛い??あれ?聞こえてない?おーーーい」
両手で顔を隠したまま固まった私に呼び掛けるイケメン。どれくらい放心していただろうか。
あまりに何度も大丈夫?を連発するので、指の隙間からそーーーっと様子を伺ってみたら、バッチリ目が合ってしまって。
なにがどうしてこうなったのか?さっぱりわからないけど。心臓はもう爆発するんじゃないかと思うぐらいバクバクだけど…!
このイケメンが私を心配してくれてるのは、ようやく理解できてきた。
イケメン「起き上がれる?水あるから飲んだ方がいいよ。」
いや、どんな顔して起き上がるのよ?
ってか、なんでひ、ひ、ひざまくらなのよ?
もしかしてドッキリか何か??だったら素人相手にやりすぎだから!
大体なんなのこの人は?
心臓とまったらどうするのよ。私、血圧お高めなんだけど?!なんて、頭の中で高速でグルグルしていたら…
イケメン「僕に寄りかかっていいから、起きてみようか?」
なんて抜かしやがりました。綺麗なお顔で。
これは、夢でしょうか?
…と、軽く現実逃避してみたけど、こっそりつねったほっぺが痛いから、現実なんだろう、たぶん。
イケメンの手を借りて、木の幹を背もたれに座らせてもらう。
あ、寄りかかる=僕の肩にもたれかかるじゃないのね〜
そんなアフォなことを考えている間にも、イケメンはテキパキと動いている。
私の肩には、今まで体に掛けてあったブランケットがふんわりと掛けられ、手には木のコップに入った水を持たされ…
なにもすることのない私は、まだ半分混乱している頭で周りを見回しているのだけど。
あれ?ここって…夢の中の景色と同じ?
座っている布のシートや掛けているブランケットの柄も。
近くで咲く花や遠くに見える山も。
私が着ているRPG風村娘ドレスも!!!
ただ1つ夢と違っているのは、ここにイケメンが居ること。私がイケメンのひざまくらで目覚めたこと。
この景色、デジャヴなのかな?いや、それにしてはあまりに鮮明すぎる。
夢の中で私は散策していて。調子に乗って一人で森の中に入って…何か、とても怖い思いをして。うーん。それからどうしたんだろう?
イケメン「ねぇ、さっきから難しい顔してるけど、大丈夫?」
うわっ!いつの間にかイケメンが隣に座ってこっちを見てるし!
やだ!そんな綺麗な顔で見ないでよ。近い!近すぎるってば!何度も言うけど、私血圧お高めなんだって!と、心の中で叫んだ。
何故本人に言わないのか?って。だって言えるわけないじゃん!相手は謎のイケメン(推定20歳、お肌もツルスベ)なんだから。
なので、恐る恐るきいてみた。
私「あなたは誰ですか?」




