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プロジェクト・シボ  作者: 立夏
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2

訓練に入って、ハナはすぐにKが気になるようになった。

Kはいつも控えめで、寡黙といってもいいくらい。

発言は滅多にしないが頭がよく、与えられたグループミッションが行き詰まると助け舟を出してくれる。

発想はハナとは違うタイプだ。ハナはどちらかというと皆に無謀と言われるようなアイデアを出しがちだったがKは違う。安全策を好む。


ある時、ハナの創造的なプランで進行していたミッションが破綻しかけたことがあった。

もう駄目かと諦めムードになったところ、ずっと黙っていたKがリカバリープランを出してくれて当初の計画とは違う形になったものの無事クリアできた。

その時の彼の表情、けして誇らしげになることもなければ得意げにもならず、

控えめに少しだけはにかむようなそのささやかな笑顔を見て、ハナは恋に落ちた。


それから、29名の中からすぐにKを見分けるようになった。

常に気配を意識し、どこにいても視線で追った。

訓練に集中すべきだったがそれ以上に、気持ちがKを追いかけた。

そして、ハナがそうすればするほど、Kと目が合う回数が増えていることに気づいた。


これは偶然?それとも?


月基地での訓練が始まって半年たち、中間試験が行われた。

試験中にNJがうっかり居眠りしてしまい鼾をかき、皆が大笑いして試験の緊張感が一気にほぐれたそんな時、皆はNJのほうを見ていたのに、Kはなぜか振り向いてハナを見た。

今までのなんとなく視線があうのとは異なるはっきりとした視線。

ハナは気まずくて戸惑った表情をしてしまい、そしてぎこちなく俯いた。

Kはそのまま机につっぷした。その背中をハナはやや高揚した気持ちで眺めた。


彼も自分のことを好きでいてくれるといいなと思った。そう思ってもいいような気がした。


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