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第五話 旦那様に『課金』の力を示した後、食事へと向かった。

 

 第五話




『スキル・終焉魔法』を発動させると、画面全体に壮大なエフェクトと共に、古代の龍に億単位のダメージが入った。

 通常なら数千万ダメージだが、夫婦のバフと戦闘前のアイテムの効果もあり、単体のキャラが出していい威力の限界値を叩き出していた。


『うわぁ……頭おかしいダメージじゃん……』

『ふ……これが課金の力だ』


 サトルからのメッセージに、俺はそう答える。

 まぁ累計の課金額は上位人に比べたら鼻くそみたいなもんだが、臨時収入があったら使うとかしてるので、累計では数万単位のお金は使ってる。


 そして、画面上には『クエストクリア』の文字が出ていた。

 古代の龍のドロップアイテムは

『竜の牙』と『龍の尾』と『龍の翼』

 そしてレアドロップの『龍の珠』を落としていた。


『お、ラッキーじゃん!!』


 俺がそうメッセージを送ると、サトルから気になる言葉が返ってきた。


『僕もアルバイトが出来る年齢になるから、課金しようかなぁ』


 無課金勢のサトルのその言葉に、俺はちょっと窘めるようにメッセージを返す。


『課金は沼だからほどほどにな?』

『あはは……わかったよ。忠告をありがとうミナミ』


 そんなメッセージがサトルから返ってきた時だった。


 コンコン


 と部屋の扉がノックされた。


「空いてるから入っていいぞ」


 俺がそう答えると、ガチャリと扉が開いて結花が部屋の中へと入って来た。


「お兄ちゃん。夕ごはんが出来たよー」

「お、ありがとう。ちょうど今クエストクリアした所だから行くよ」


 結花の言葉に俺がそう答えると、彼女は画面を見て小さくため息をついた。


「はぁ……ゲームも程々にね、お兄ちゃん。あんまりやり過ぎると目が悪くなるからね?」

「あはは。心配かけてごめんな結花。一日二時間までの約束は守るようにするよ」


 ゲームは一日二時間まで。

 ライジンを朝から晩までやってた時に、結花が怒ってしまってそれが俺との間での決まり事になった。

 目が悪くなる。と言うよりも、構ってくれなくなる。が一番の理由だよな。


「じゃあ先に下に行ってるね。今日はカレーだから」

「お!!やったじゃん!!すぐ行くよ」


 そう言って部屋から出ていった結花。

 俺はログアウトする旨を伝えるために、サトルにメッセージを送る。


『じゃあなサトル、楽しかったよ!!これから夕ごはんだから落ちるわ!!』

『おっけー!!こっちも楽しかったよ。また今度な』


 そう言ってメッセージのやり取りをしたあと、俺はライジンをログアウトさせる。


 そして、パソコンの電源を落としてから一つ息をついた。


「ふぅ……さてと。夕ごはんだってことはもう父さんは帰って来てるって事だよな」


 アルバイトの話は母さんがあらかじめしておくって言ってたけど、まぁ折を見て話をするか。

 まぁ反対されることは無いと思うからな。



 そう結論付けた俺は、部屋の明かりを落としたあと、居間へと向かって歩いて行った。

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