年末のお泊まり会
姉の婚約者を連れてきてからというもの、
元々引っ込み思案だったのが、もっと内気になってしまった。というのも…
恥ずかしさのあまり、影に隠れてはのぞく行為が増えた。
次に挨拶にくる日などもちろん知らない。
いつ来るのかと、自分がドキドキして
いつも綺麗でいなきゃ意識で、部屋を片付けたり、いつもはめったに読まない本まで読んでみたり、落ち着かない行動が多すぎて、一人で何してるのかわからなくなるほど、内心浮かれモードなのだ…。
紫「そういえば次のライブいつだったっけ?確か次のライブツアーは、3ヶ月後だ!でも、チケット当たるかなぁ〜…?
もうそれどころじゃないんだよなぁ〜
姉の婚約者が…Sさんだし、しかもだよ?!家に来た?!しかもついこの間!
婚約者を連れてきてから、まだ2週間しか経っていない。やはり次も、姉と来るのだろうか?そりゃそうだよね、婚約者だものね?ん〜〜〜〜〜…どうしよう。
というか私の問題か?姉が結婚するんだもの!素敵なことじゃない!お祝いしなきゃ!!」
それからというもの、独り言はどんどん増え、姉からの連絡で、次に来る日は、年末だとわかった。
私は緊張で、眠気はあっても寝ることができなかった…
布団に入っても、音楽を聴いても…
羊を数えても(1032匹…千…)
そして…
・・・・・・年末年始・・・・・・
Sさんは、婚約することを発表後も
今までと変わらずアイドルの仕事をし、
CMやバラエティ番組などで活躍しては話題を上げていた。
年末も仕事終わりに来てくれるそうだ。
今年の仕事のスケジュールは、仕事終わりにこちらの家へ向かい、宿泊し、元旦と2日目まで、いられるそうだ。
その後はすぐに東京へと戻る。
スケジュールはやはり忙しそうだった。
家族水入らずとはいえ、婚約者、つまり
結婚したら家族になるのだから、あまり
関係がない。
そうは思いつつも、私の脳内会議はいつしか止まず、ずっと言葉が飛び交っている。
紫「私は、家でお留守番。というか行かない。(そう、年末はいつもおばあちゃんの家に泊まるのだ。うちの家族は。
けど、私はいつからか苦手で、一人と猫1匹とお留守番。それが楽)今年も一人で年越しですよ( ̄▽ ̄)静かですな〜
友達にもLINEしてみよ!あ!さすが、レスが早い!」
しばらくして…
おばあちゃん家にいる、私以外から
新年のご挨拶をLINEでいただく。( ̄▽ ̄)
紫「今年もよろしくお願いします。と!」
そして…元旦を迎える日
家族は一泊のみ泊まりこちらへ帰宅。
なんと、Sさんもご一緒にこちらへ…
緊張で動悸がする…死ぬ?死ぬの?
落ち着いてくれないや。
心の準備の前に帰宅。
遅し…
紫(まぁでも、私は部屋にいるし
ちょくちょく除けばいいかと…
今年は婚約者もいるからねー
部屋見違えるほど綺麗だし。
すごいよね、がんばるよね、うちの母。
いつもはうまく片付けられなかったりするけど、今回うまく行った!)
紫「(ちょっと覗こうかな?
わー!居るわ。やっぱりいるね!
横顔カッコいい!昨日まで、テレビで歌ってたのに、すごい!笑顔変わらず素敵すぎる!可愛すぎる!)」
S「あ!紫織ちゃん、あけましておめでとうございます^_^」
紫「はい!よろしくお願いします!
(わー…やばい(汗)今推しと新年の挨拶してる!しかも、うちで!正面もカッコ良すぎますって〜)」
S「紫織ちゃんもこっちおいでよ?^ ^」
紫(な!なんだってー!私がそちらに?
しかも近いじゃないか!
いや緊張で壊れそう、心が、動悸が!
ちょっと無理そうだよ…どうしよう…
とりあえず、首を振る)
そのまま立ち去ってしまった…
部屋に戻ると、脳内会議がまた始まった。
紫「断ってきちゃった…絶対嫌な感じに思われたよね?嫌われちゃったかな?
でも、緊張やばいし…優しくしてくれた。
ますます好きだ!でも私最低だわ…
やっぱり、自分勝手だったかな?
しかも、今日ここに泊まっていくし?!
あっちの部屋で、Sさんはどこで寝るのかな?やっぱりリビング?私が行ったら寝てますって、幸せ空間すぎる♡
いやいや!ダメでしょ!変態か!
うん、私変態だわ、どう考えても。
とりあえず、妹と雑談だな。」
その後は、リビングに行ったものの、
姉と母、Sさんはテレビを観ている。
そして、妹と私はいつものように雑談。
でも、今回目の前に推しがいるため、
ちょくちょく妹に煽られる…
[目の前にいるじゃん、だから声かけなよ
話せばいいじゃん]と。
もはや恋バナ状態。
いやいや姉の婚約者だから!
話すくらいはいいと思うけど、
緊張するでしょ!こんな綺麗な顔が目の前に!
紫「(目が合った!)(^ ^)にこっ
(やばすぎる〜)」
次回へ続く