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ゴールデンウィークの出来事

前回は、お兄ちゃんことSさんから

いつもある急な電話に出て、

いつものことだと思ってたら、違くて

真剣な低い声のトーンで言われた。


Sさんから、大事なお話があると聞いたけど、なんだろうか?


次のゴールデンウィークに帰省するとのことで、大事なお話とは何かすごく気になっている。



紫「今日は、推しの出てる番組やラジオの日!忙しい!( ̄▽ ̄;)

あるいみ推し活で忙しい!

多分、周りに言ったら暇?って言われそう

だから、一人で、一人の時間を、孤独に楽しもうと!あれ?もしかして悲しい人?

いや、わかってんだろ私…さ!推し活じゃー!」



そして…


ゴールデンウィークの日。



S「こんにちは!ただいま^_^」


家族一同「おかえりなさい」



今日は実家で、集まれる家族で集まって

大事なお話も聞く予定。



S「これお土産です。地方のライブツアーに行った時のです^_^

うちの実家にもちょくちょく帰ってるので

親にはもう伝えてあります。

ので、大丈夫です^_^」



母「そうなのね〜お仕事大変よね?

この前もライブしてたんでしょ?

忙しいわね…ちゃんと休めてる?」



いかにも田舎ならではという感じが…

私は嫌いでは無いがちょっと勘弁して欲しい…お兄ちゃんがかわいそう?に見えてしまう。


相変わらずお兄ちゃんのかっこよさに緊張してしまい、喋らなくなる。


家族みんなで盛り上がってるところ、私は端っこの方で小さくなりながら、お話を聞く。



紫(笑顔カッコイイ♡やばい…お兄ちゃんっていいな…)


やはり噛み締めている私であった( ̄▽ ̄)


ここで言ってなかったが、姉は仕事の都合で帰省できないとのことで、お兄ちゃんだけは帰省できるようにスケジュール調整し今日、来てくれた。この後も仕事があって

泊まりはしない。



そして、大事なお話になり


S「大事なお話がありまして、

実は、今活動しているアイドルグループをやめまして、別のお仕事をはじめようと思ってまして、もう決まってはいるんですが、改めてちゃんと報告した方がいいと思いまして、今日この日にお話しさせていただきました。」



紫「(そっか…このことだったんだ…

やめるって最初聞いた時すごくショックで

やりたい事があるなら仕方ないか…ってでも寂しいよって泣いたな…。

でも、決まってるのよね…)」



父「やりたいこと決めてるならいいんだよ

ただやりたいで終わるなら止める意味がなくなるから、それに

やりたいことはやった方がいいよ。

自分の人生なんだから」



S「はい。ありがとうございます」


この緊張感の中、報告だけ終わって

しばらく休憩してから仕事現場は行く事に。



そして、みんなそれぞれいつも通りのことをして、私というと…



端の方で、気まずくゲームしたり、

絵を描いたりしていた。



S「ごめんね、紫織ちゃん寂しそうな顔してたから…ちゃんと伝えたくて。

ずっと応援してくれてたもんね。

ありがとう^_^」



紫「いえ!…その…うまく言えないんですけど…(やばい泣きそう…)

すみません…ちょっと」


言葉が出なくて、その上なんか泣きそうになって、その場から離れてしまった…

外へ出て、深呼吸をするも

空を見上げても、泣きそうで

どうしようか困っていた。

こんな姿を家族にもお兄ちゃんにも見せたく無い。変なプライドがある。


縁側のそばに座って、落ち着くまで待った。


誰か、玄関から出てきた。


Sさんだった。


S「心配になって出てきちゃった。

大丈夫?

俺も寂しいよ。紫織ちゃんが思ってることと多分同じだと思うから…


となり座るね^_^


もしかして嫌だった?…」



紫「首を横に振る…。(違うのに…嫌じゃないのに…なんか気まずくて私がうまく言葉返せなかったから…この後仕事で帰っちゃうのに…ちゃんと話せないまま別れるのは嫌だ。でも、言葉でない…泣きそうなの)


あの…嫌じゃなくて、その…( ; ; )

ん…ぅん…(ダメだった泣いてしまった…

涙腺バカやん…なんで)」



S「いいよ(・ω・`)大丈夫だよ

ゆっくりでいいよ。寂しいんだよね

俺も。たくさん過ごしてきたし、番組もたくさんやったし、お世話になった方もいるし、メンバーとバカやって笑ったりもしたし、ファンの皆さんにも、それこそ紫織ちゃんにも応援してもらって、こんなに幸せな事があっていいのかってくらい嬉しいよ」



ゆっくりでいいよって優しく、落ち着いた声で、背中をそっと優しい手が撫でて

話をしてくれた。

あたたかくて、泣き止まなきゃっていうより、本当にありがとうの気持ちでいっぱいだった。



お兄ちゃんが渡してくれたハンカチで涙を拭いて、それを握りしめて

頭をポンポンと優しく撫でてくれた。


落ち着いた頃にはもう行かなきゃいけない時間で、駅まで送る。


ハンカチを握りしめたままポケットに入れて、次の機会に洗ってちゃんと返そうと思った。



バイバイと、笑顔で見送った。

手を振って。気をつけてねと。



見送った後、LINEで「ありがとうございました。ハンカチはちゃんと洗って、次会った時に返しますので。気をつけてお仕事頑張ってください!」と言って送った。



紫「まさか泣いてしまうとは…

優しい手があたたかかった…。

お兄ちゃんが優しいから…声も…あ…また泣きそう。」


その日の夜は、一人で余韻に浸りながらまた涙を浮かべるのでありました。



翌日、返信が返ってきてた。


S「はい^_^次帰ったら、一緒にどこか出かけようね^_^ハンカチいつでも大丈夫だよ!」と言ってくれた。



優しすぎて泣けてくる…

推しでお兄ちゃんで…もう渋滞中。


本当にありがとうとしか出てこない。


どこまでいい人なんだろうと思う。

お兄ちゃんみたいになりたい!

見習わなくてはと、反省する一日。



つづく

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