第2話:名前
俺は戸惑った。
このマントの人物は敵なのか味方なのか、とりあえず助けてくれたと考えてよいのか・・・。
そんな事を考えていると、その謎の人物が近づいてき、俺に手を差し延べ思いもしなかった言葉を発したのだ。
「俺と来ないか?」
別に優しい言い方や気の利いた言い方でもない、、
だか俺は嬉しくて堪らなかった。
俺は生まれてから一度も・・・いや、記憶を無くしてからというべきか、
人に必要とされたことがなかった。
俺はその人が敵か味方かなど考えずこう言ってしまった。
「つ、ついていきます!」
そういうと彼はマントのフードを外し顔を見せた、金髪の長髪にバンドを付けており顔に不思議なイレズミらしきものが描かれている。
「俺はシャルマン・ナバタ、ナバタ傭兵団団長だ。」彼は名乗った。
「お前の名は?」
そう聞かれ俺は答えられなかった。
そう、答えられるはずもない、記憶を無くしているのだから・・・。
「名前は・・な・・い」こう言うとナバタはニッコリして頷きこう言った。
「そうか、今日からお前も団員になるのだから名前くらいは必要だな。」
「んー、よし今日からお前はシャルマン・グラナだ、よろしくな!」
グラナ・・・俺の名はグラナ、、嬉しくて嬉しくて自分の名前を何度も呼んだ。
この日シャルマン・グラナ、歳は14が誕生した日になった。
そういえば俺は店主どもに追われていたのだ。
2人の店主がこっちにむかってくる、手には銃をもっていた。
「さがっていろ。」
ナバタはそういうと、ぶつぶつ独り言を言い始めた。
「漂う風達よ、我が手に集まりて敵を討つ風となれ」
すると、目にも留まらぬ早さで疾風が駆けていき店主の持っていた銃がバラバラになった、、
これが魔法・・・。
俺は始めてみる魔法に感激した。
「ひぃぃ、ま、魔法・・」
そう言って走って逃げていった。
俺はいつか使えるようになってみせると決意した。