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途中、小さな街で何度か休憩し

リアリスとウォルフは無事に王都に到着した。


貴族には王都に滞在する為のタウンハウスなる物があるのだが、我が家にそんなものはない。


王都に到着したら馬車を返すがてら、我が家に来いと言われているとかでウォルフの友人宅へと向かっていた。

賑やかな中心部を抜け、しばらくすると建物もまばらになって来た。

道の両側にあった商店の代わりに、今は綺麗に整備された並木道を走っている。


「もうすぐ到着だぞ。」


ウォルフの言葉に周りをキョロキョロ見ると

目の前に大きな門が見えて来た。


まさか…あそこ?


リアリスの不安をよそに、馬車が大きな門の前で止まる。


「王宮騎士団のウォルフ・ハミルトンだ。」


門番はあらかじめウォルフの訪問を聞いていたらしく

静かに礼をしたと同時に門がゆっくりと開いた。


リアリスは緊張しながら門番に会釈すると

門番もそれに礼で応えてくれた。


「ね、ねぇ。あの、ここはどなたのお屋敷なの?」


「ここか?ここは、騎士団の友人のマイクスの実家だよ。」


「そ、そのマイクスさんは…」


「ああ、言ってなかったか?マイクスはポートマン侯爵家の長男だよ。」


ウォルフの言葉に固まるリアリス。


ポートマン侯爵家と言えば田舎暮らしのリアリスでも知っている名家だ。

そんな名家の子息とこの兄が友人?

信じられない…

リアリスはしばらくポカンと口を開いたまま動けなかった。


そんなリアリスを現実に引き戻したのは

お屋敷から出てきた人物の声だった。


「ウォルフ!やっと帰ったか!」


ハッと我に帰ったリアリスは、咄嗟に笑みを作った。

しかし次の瞬間、自分が馬車の中ではなく兄と共に御者席に座っている事を思い出して冷や汗をかいたのだった。


ウォルフは身軽に御者席から飛び降り、友人のマイクスと握手をする。


「おお!今帰ったよ。あ、そうだ!紹介するよ、妹のリアリスだ。」


リアリスは御者席に乗ったままにこやかに微笑んだ。


ちょっと…私を下ろしてから紹介してよね。

リアリスが目で訴えるが普段から鈍感気味のウォルフは

何故降りてこないんだ?という顔で見ている。


そんな2人のやり取りを見てか、友人のマイクスはくすくす笑いながらリアリスに深々と礼をした。


「友人のマイクス・ポートマンです。よろしければ、私がお手をお貸ししてもよろしいですか?」


いかにも名家の貴族らしい流れるような仕草。

リアリスはニッコリ微笑んでマイクスに手を借りて御者席から降りた。


「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただき

ありがとうございます♪


作者のぎゆりです( ¨̮ )



さて、リアリスが王都へ出発する日の前日の家族でのお祝い会。

その食卓に並んだお料理を考えてみました。

ハミルトン男爵家は貧乏なので、豪華絢爛なお食事とは行きませんが、その代わり心のこもったお料理が並びました。


メニューは

●野菜のスープ

こちらは、お料理に使ったお野菜の端っこを細かく刻んでコトコト煮込んだもの。

お野菜の切れ端も無駄にはしないハミルトン家の料理人。

●マッシュポテト

●オムレツ

卵はお屋敷で飼っている鶏さんが産んだもの。

毎日は食べられないのでハミルトン家の皆さんもたまにしか食べらません。

●ローストチキン

ハミルトン家で年に1回だけ食べるご馳走です。

ここぞ!と言う時に出てくるメニュー。

●焼き立てのパン

普通のパンですが、とにかく焼き立てでホカホカ。

●焼きプリン

こちらも貴重な卵を使ったデザート。

リアリスが子供の頃から大好きは1品。


という様に、お金をかけないでも

心を込めて作るご馳走が出ました。

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