ロシアによるウクライナ軍事侵攻で感じたこと
PC画面でみながら文章の開始位置をスペースキーで調整して作成したのですが、スマホで見ると文章の開始位置がばらつきすぎて滅茶苦茶読みにくいので修正しました。
2022年2月下旬に考えたことを、3月上旬に書いたのですが、3ヵ月経ってから改めて書き直しつつ見直すと、少しニュースからフェードアウト気味のテーマもあるなと感じます。
私が当時、こんなことを考えていたという備忘録なので主旨の修正はしていません。
まぁ、今さら誰も見ないと思いますが。
過去と似たようなことが細部を変えて、再び起きていると感じます。
歴史は繰り返すことはないが、韻を踏む。歴史のアナロジーを感じたという話です。
ロシアによるウクライナ侵略戦争について連想したことを簡単に書きました。
1.西側諸国からの援助
西側諸国からの武器援助について似ていると感じたことは、日中戦争時の援蒋ルートです。
その結果、泥沼化した戦況により、日本は大量の命、モノ、カネを大量に失いました。
言い換えると蒋介石への欧米の援助が、旧日本軍の戦力を大幅に消耗させたのです。
そして、蔣援ルートを切断したいという動機が、太平洋戦争の開戦理由の1つとなりました。
ロシアは、無限に回復するウクライナの軍備に対して戦力を損耗しつづけるでしょう。
ロシアも、過去の日本と同様の動機を持つ状況なので、今後どう動くか?
最終的に西側諸国は対岸の火事で済むでしょうか?
2.ロシア側からの停戦条件に非武装化が含まれている点
似ていると感じたことや今後の可能性について説明します。
似ていると感じたことは、大坂冬の陣後の講和条件(堀の埋め立て)とその後の徳川方の動きです。
大坂冬の陣で徳川方は、豊臣方を武装解除(大阪城の堀の埋め立て)をしたあとに、軍を一旦引いています。
しかし、その後、徳川方は再軍備の兆候があることを理由として、夏の陣の開戦理由としました。
仮にウクライナが限定的な武装削減を飲んで講和しても、同様の難癖で再侵攻するのではないでしょうか?
3.ロシアが当初の停戦条件こだわる点
連想したことは、「日比谷焼き討ち事件」と「ムッソリーニの最後」です。
日比谷焼き討ち事件は、日露戦争の講和条約で得られる賠償金が不足であることを理由に起きた暴動です。
当時の日本国民は、もっとロシアから賠償金を取れると思っていたのに、期待外れだったことに怒って暴動をおこしたのですね。
同様に多くのロシア国民が、ウクライナへの侵攻に賛成していることの背景には、ウクライナから多くの領土や資源を取れる期待があることでしょう。
しかし、このロシア国民の期待は大きく外れる可能性が高いです。
次にムッソリーニとは、第二次世界大戦時のイタリアの独裁者です。日本、ドイツと同様にイタリアも敗戦国です。
色々あって、最終的には処刑されてガソリンスタンドで逆さ吊りにされています。
過去のこういった様子を見ていると、プーチンは、ロシア国内を納得させられる戦果や領土を得ない限り、退いたら最悪吊るされると思うわけです。
そのためにロシアは、ウクライナや西側諸国から大幅な譲渡を引き出す必要があります。
西側諸国も、自分たちが直接的にロシア軍と交戦する第三次世界大戦の開戦は望んでいません。
西側諸国にも、第三次世界大戦に発展するぐらいなら、譲歩して手打ちにしようとする動機があります。
しかし、西側諸国はコロナ禍で政治的な失点を重ねており、政権の支持率も大幅に落ちています。
ロシアに譲歩すると、さらに政権の支持基盤が不安定となります。
そうすると、西側諸国は譲歩する政治的余裕は少ないのではないかと思うわけです。
4.末端のロシア兵がインタビューに対し、命令されたところへ砲撃するだけだと答えたことについて
連想したことは、「アイヒマン」「ミルグラム実験」「スタンフォード監獄実験」です。
アイヒマンは、第二次世界大戦時のドイツ軍人で、アウシュビッツ強制収容所へのユダヤ人移送やユダヤ人虐殺の監視に携わった人物です。
彼は、戦争後に裁判にかけられたのですが、命令を実行しただけなので自分は無罪だと主張しました。
最終的に裁判の結果、処刑されています。
ミルグラム実験やスタンフォード監獄実験も似た話で、人間は上位の立場の他人から命令されて、自らの判断の責任を負わなくてよい立場となり、かつその命令が自分にとって損にならないものなら、かなり残虐なことをできるという心理実験結果でした。
現在に立ち返って、現在のウクライナ侵攻をみたときに、都市を攻撃しているロシア兵は命令を実行しただけなので無罪と言えるか?という話です。
プーチンやごく一部の取り巻きだけが悪逆非道で、その他のロシア人は騙されているだけなので無罪だといえるでしょうか?
私は、そのように思っていません。
5.ロシア国民のプーチン政権支持率が高い点
連想したことは、太平洋戦争開戦時の日本国民感情です。
2022年現在の日本の国民感情では、戦争は絶対に忌避すべきものと思われています。
しかし、日中戦争前の日本は、日清戦争、日露戦争に勝っていました。
連戦連勝の無敵の日本軍ですね。
そのとき、日本国民は、日清、日露戦争時の戦争景気や戦後賠償で一時的に美味しい目をみた経験をしていました。
真珠湾攻撃時も同様の期待を持ち、太平洋戦争開戦時の国民感情は、おおむね開戦へ好意的でした。
しかし、結果は惨憺たるものでした。
現在に立ち返り、プーチンを支持しているロシア国民を単純にプロパガンダに騙されている被害者といってよいでしょうか?
ロシア国民は、クリミア半島を切り取った成功体験に基づき、美味しい目が見られる期待をもってプーチンを支持しているのではないでしょうか?
6.核抑止が崩れているという主張に対して
感じたことは、相互確証破壊です。
相互確証破壊とは、核兵器をもつ2か国が互いに核攻撃を行うと双方ともに大被害を被るという意味です。
私は、相互確証破壊=核抑止と捉えています。
ソ連は既に崩壊しましたが、核兵器による相互確証破壊が成り立つ米ソ間での直接的な軍事衝突は起こりませんでした。
ポイントは、敵対する2か国が互いに核兵器を持ってないと相互確証破壊といえないことです。
非核武装国に対してロシアが脅迫することを、核抑止が崩れていると言えるでしょうか?
たぶん、核抑止が崩れていると主張した人は、核兵器を使うことに対する道徳的な制約が効かなくなったという意味で言ったのではないかと思います。
そんな道徳的な制約は、日本の国民感情の中にだけあるもので、外国の国民感情の中ではごく一部の人しか持ち合わせておらず、見たくない現実を見せられただけではとおもうわけです。
これは、歴史とは関係ないですね。
7.プーチン大統領が脳疾患という報道について
連想したことは、「太平洋戦争中の日本の報道」や「ムッソリーニの脳検査結果」です。
太平洋戦争時に、米兵は利己主義の弱兵なのでひと当てするだけで逃げ出すといった報道がありました。
また、ムッソリーニは死後に脳の生体検査をされて、脳疾患がないことが確認されています。
連合国側では、ムッソリーニは梅毒による脳疾患でイカレテイルという主張がされていたのですね。
プーチンが脳疾患で正常な判断ができないという報道を見ると、戦時にありがちのニュースを売らんがためにする結論ありきの憶測に基づく誤報ではないかと思うわけです。
マスコミが出してくる記事については、、伝聞形式で他人に責任を振れるような書き方さえすれば、裏も取らずに怪しげなトバシ記事をだしてもOKぐらいに思っているのではないかと疑ってかかったほうが良いと思います。
8.ゼレンスキー大統領による各国での演説
連想したことは、足利義昭が諸国大名へ送った手紙です。
その手紙の内容は、反信長に向けて挙兵するように促すものでした。
ゼレンスキー大統領による各国で演説している様子を見て、足利義昭の手紙を思い出しました。
足利義昭の手紙は、当時のメディア活用ともいえるので、時代を先取りしていたのかもしれません。
最後に
大阪冬の陣の屏風絵には、今にも陥落しそうな大阪城の窓から侵攻してくる敵軍の様子を恐ろしげに眺める女性の様子が描かれています。
私の状況は、この女性たちと同様だと思うのです。
出来たことは、ちょっとしたウクライナ援助の募金程度です。
最後に侵略反対!