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4:オールスター戦

 

 幻想郷プロ野球では、オールスター戦は昨季の1,3,5位 (赤軍)と2,4,6位 (白軍)のチームのスターが一堂に会する。

 今回は赤軍が博麗パイレーツ・永遠亭レッドクロス・命蓮寺テンプルズ、白軍が守矢ロッキーズ・白玉楼ゾンビーズ、幻想フォーシーズンズで選抜選手は以下のようになっている。

 

 ・赤軍 (パイレーツ・レッドクロス・テンプルズ)

 1 9 鬼人正邪 (パ)

 2 6 フランドール・スカーレット (パ) 

 3 8 鈴仙・優曇華院・イナバ (レ)

 4 D 博麗霊夢 (パ)

 5 3 村紗水蜜 (テ)

 6 5 上白沢慧音 (テ)

 7 7 黒谷ヤマメ (レ)

 8 2 永江衣玖 (テ)

 9 4 わかさぎ姫 (テ)

 P 十六夜咲夜 (パ・先発)、蓬莱山輝夜 (レ)、寅丸星 (テ)、稀神サグメ (レ)

 D 紅美鈴 (テ)、藤原妹紅 (レ)

 

 ・白軍 (ロッキーズ・ゾンビーズ・フォーシーズンズ)

 1 8 射命丸文 (ロ)

 2 4 秋穣子 (フォ)

 3 3 霍青娥 (ゾ)

 4 D 洩矢諏訪子 (ロ)

 5 5 魂魄妖夢 (ゾ)

 6 9 チルノ (フォ)

 7 7 リリーホワイト (フォ)

 8 6 秋静葉 (ロ)

 9 2 レティ・ホワイトロック (フォ)

 P 東風谷早苗 (ロ・先発)、茨木華扇 (ゾ)、アリス・マーガトロイド (フォ)、多々良小傘 (フォ)

 D 星熊勇義 (ロ)、小野塚小町 (ゾ)

 

 前半戦、1位のパイレーツと2位のロッキーズは昨年と変わらずであり、赤軍の先発はパイレーツの十六夜咲夜、白軍はロッキーズの東風谷早苗と発表された。

 そして白軍のキャッチャーとして今年フォーシーズンズの正捕手に座ったレティ、さらに秋穣子・チルノ・リリーホワイト・アリス・小傘と6人が選抜された。

 ロッキーズ・八坂監督の、今年勢いのあるフォーシーズンズに対する評価の高さがうかがえる。

 

 その試合のさなか…。

「どうも、レティさん」

「青娥さん…ええ、どうも」

 4回の白軍攻撃中、ゾンビーズの霍青娥がレティに話しかけてきた。

「先日のノーヒットノーラン、素晴らしかったですね」

「…ええ、小傘の実力ですね」

 霍青娥は、球界の勝負師ともいわれ、小傘のノーヒットノーランの時にもホームラン性の当たりを打つなど、しぶといバッティングが持ち味の、敵にいると恐ろしい選手であった。

「あら、ゾンビーズでは小傘さんのピッチングも素晴らしいけれど、フォーシーズンズナイン…特に、小傘さんをリードしたレティさんの貢献度も高いと言われていましたよ」

「そうよ、レティ」

 いつの間にか、その会話に、後ろに座っていた多々良小傘も入ってきた。

「…私はいつものリードをしていただけですよ。

 作戦は監督のものですし」

 そういいながらいつものクールな雰囲気で答えるも、球宴という場で楽しんでいる気持ちもあって、悪い気はしない。

「ふふふ…本当にクールな人ね」

「ええ、レティはクールですよ。 

 けど、野球に対する内に秘める情熱は半端じゃないです!」

「ちょ、ちょっと、小傘…」

 さすがに慌てるレティに、小傘は満面の笑みで霍青娥に答える。

 霍青娥のほうも笑顔で小傘の話を聞く。

「にぎやかだね」

 そんな話に入ってきたのが、今年の白軍の監督で、ロッキーズを率いる八坂神奈子であった。

「あぁ、八坂監督…どうしました?」

「いや、楽しそうだったんでね、混ぜてもらおうと思って」

「あ、はい、どうぞ」

 そういって小傘は自分が座っていた場所を八坂監督に進め、自分は一つ横にずれる。

「ありがとう、小傘。

 そういえば、こないだのノーヒッター、素晴らしかったね」

「あ、ありがとうございます!」

「レティも素晴らしいリードだったよ。

 おかげで、オールスターに花が添えられたよ」

 そういって八坂監督は豪快に笑った。

「いえ…あ、ありがとうございます」

 そういってレティは頭を下げる。

「青娥は…悔しかったかい?」

 8回の大飛球について、八坂監督が霍青娥に問いかける。

「いえ…ゾンビーズ全体が、ヒット一本ほしいと思っていたところで一本打てたとは思いましたが…。

 むしろそのあと、ゾンビーズファンがチルノに拍手を送っているところを見て、あぁゾンビーズファンは素晴らしいなと思いましたが」

 そういって霍青娥は微笑んだ。

「そうだな…それが野球ってもんだ。

 小傘のノーヒッターに、チルノのファインプレイ。

 こういうものは、球団関係なく喜ぶのが、野球ファンってもんだよな」

 そういって八坂監督は嬉しそうにほほ笑んだ。

「そういえば、監督。

 ロッキーズの調子はいかがですか?」

 ふとレティが最近思っていたことを聞く。

「ん? ああ、選手はいい状態だよ。

 そうじゃなきゃ2位になんていられないさ」

 前半戦ではぶっちぎりのパイレーツだったが、前半戦終了直前に失速して、勢いのあるロッキーズはそのまま差を縮めることに成功している。

「…射命丸さんのほうは」

「あぁ、文かい?

 盗塁王争いはありがたいんだが…盗塁成功率が低くてね。

 パイレーツの鬼人正邪の盗塁成功率がうらやましいよ」

「…」

 現在パイレーツの盗塁王争いは、ロッキーズの射命丸文がトップを走っているものの、その後ろをぴったりくっつくように鬼人正邪が追いかけている。

 そしてこと盗塁成功率に関しては、果敢に攻める射命丸と、絶対に成功する場面でしか盗塁しない鬼人正邪で差が出ており、同じ盗塁数の場合、成功率がモノをいう盗塁王争いでは鬼人正邪が有利といえる。

 しかし、成功の可能性が高い盗塁しかしないということは、その分盗塁阻止率の高いキャッチャーの場合に盗塁をしないことになり、盗塁できる可能性は下がっている。

 今シーズンのフォーシーズンズでは、パイレーツ戦に限って四季映姫がスタメンマスクを被ることが多く、これは鬼人正邪との相性を考えての方策と言われている。

「…私は、射命丸さんの盗塁、素晴らしいと思いますよ。

 失敗しても、すっきりしてます」

 レティは、真っ直ぐな眼で八坂監督に答えた。

「…ああ、私もそう思うよ。

 射命丸にはぜひ、盗塁王になってもらいたいね。

 ロッキーズ戦ではお手柔らかにね」

 そういって八坂監督にはいたずらっぽく笑う。

「…いえ、そこは、真剣勝負ですから」

「…そこは嘘でも、うなずいてほしかったなー」

 八坂監督の苦笑に、横で聞いていたロッキーズの星熊勇義が思わず噴き出した。

 

 さて、オールスターゲームの試合は、赤軍が4回に村紗水蜜・上白沢慧音 (ともに命蓮寺テンプルズ)の連続ヒットでノーアウト1,3塁とし、続くレッドクロスの黒谷ヤマメの犠牲フライで1点。

 更に8番永江衣玖凡退の後、9番わかさぎ姫のシングルヒットの間に上白沢慧音が生還して1点、合計2点を先取。

 そのまま赤軍が逃げ切り勝利。

 こうして、今シーズンのオールスター戦は終了した。

 

というわけでオールスター戦です。

レッドクロスは開幕戦以来登場しないのに、ゾンビーズの霍青娥は二度目の登場だったりします。

 

というわけで次から後半戦です。

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