2:シーズン開幕
第2章:シーズン開幕
4月3日。
今シーズンの幻想郷プロ野球が開幕。
今日のカードは、博麗パイレーツVS白玉楼ゾンビーズ、守矢ロッキーズVS命蓮寺テンプルズ、そして永遠亭レッドクロスVS幻想フォーシーズンズである。
開幕投手はエース・アリス・マーガトロイド。
そして今シーズン、捕手として期待されているレティ・ホワイトロック。
対する永遠亭レッドクロスは、やはりエースの蓬莱山輝夜を立て、開幕を迎えた。
試合は息詰まるような投手戦。
アリス・マーガトロイドは4回までパーフェクトピッチングで、5回にレッドクロスの4番・鈴仙・優曇華院・イナバにセンター前ヒットを打たれるものの、後続を断ち切る。
対する蓬莱山輝夜も好調で、7回までヒット2本とフォーシーズンズを抑えていた。
その7回裏に、レティの面目躍如の活躍があった。
アリスが1アウトをとった後、1番・因幡てゐにフォアボール。
3-1からアリス得意のチェンジアップがストライクゾーンに入らなかったとはのちのレティの談。
続く2番・黒谷ヤマメは初球を打ってキャッチャーフライに倒れ、2アウト1塁。
(…来るか)
3番・藤原妹紅の場面。
バッターが昨年の首位打者、ランナーが俊足の因幡てゐであるため、当然ヒットエンドランと読んだレティ。
カウント2-1で因幡てゐがリードを大きくした。
(…なるほど)
四季監督のサインをレティが確認するが、特に指示は出ていない。
レティを全面に信頼してくれているのか、試されているのか。
アリスも慎重にレティのサインを確認する。
(…真ん中に高速フォーク)
そのサインに、アリスが頷いた。
アリスは4球目を投げた瞬間、てゐがスタートを切る。
真ん中に投げたアリスの決め球・フォークに妹紅のバットは空を切り、そしてレティはボールを受け取った瞬間に2塁に送球。
「…アウト!!」
セカンド・秋穣子のグラブに納まったボールは、てゐよりも先にセカンドに到達。
2塁塁審はそれを見逃さず、てゐは盗塁死となった。
(…やったか)
不満そうな因幡てゐを横目に、アリスとハイタッチして、ダッグアウトに戻るレティであった。
試合はさらに進んで0-0のまま、9回表。
フォーシーズンズの攻撃は、先頭バッター1番・秋穣子が左中間2塁打、2番チルノのファーストゴロの間にランナーは3塁進塁、1アウト3塁で3番リリーホワイトのライトフライがタッチアップになり、秋穣子ホームインで1点を取り均衡を破る。
そのまま、9回裏をアリス・マーガトロイドが抑えてゲームセット。
フォーシーズンズは開幕戦を勝利で飾った。
その後開幕戦白星スタートしたものの、しばらく一進一退となった今シーズンは、万年最下位の汚名返上といえるAクラスの3位とBクラスの4位を行ったり来たりする生活が続く。
そしてトップを独走するのは帝王・博麗パイレーツ。
続いて、2位が八坂神奈子率いる守矢ロッキーズ、3位を命蓮寺テンプルズと幻想フォーシーズンズ、5位に永遠亭レッドクロス、最下位が白玉楼ゾンビーズの順になっている。
パイレーツの首位と、優勝を争うのがロッキーズというここ数年の傾向は変わらないものの、万年最下位と言われていたフォーシーズンズが3位争いをしているのが、今年のシーズンを白熱した展開にしている。
というわけで開幕です。
一応開幕戦は実際のNPBと違い、
前年優勝VS前年4位
前年2位VS前年5位
前年3位VS前年最下位
との組み合わせにしています。
前年度は
1:博麗パイレーツ
2:守矢ロッキーズ
3:永遠亭レッドクロス
4:白玉楼ゾンビーズ
5:命蓮寺テンプルズ
6:幻想フォーシーズンズ
という順位という設定です。
これから先は、このシーズンで各チームとの対戦を1回ずつ描写していきます。
(つまり、レッドクロス戦は開幕戦しか描写されません)
第2話は前半戦終了直前のVS白玉楼ゾンビーズ戦です。
今回はレティの活躍でしたが、次は別の選手が活躍する話です。