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欠落者  作者: Luna
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中学に上がっても相変わらず周りの感情、感覚が理解できない

1人を無視することを楽しみにしていた女の子の標的になり、興味もなかったので学校に行くのをやめた

この頃から父の躁鬱も更に悪化した


父の会社からよく電話がかかってきていた

詳しい内容は覚えていないがよく母が愚痴をこぼしていた

役に立たない私は母の愚痴を聞くことが生きる価値なのだと思った

  


私は学校内にある別の教室に通い始めた

学年問わず不登校の生徒が集まる教室だ

2年生になり1人の先輩と仲良くなった

先輩は元ヤンらしく、学校帰りに悪さをしたり先輩の家に行きメイクを教えてもらった

その中でも作詞をしていたのが1番印象的だった

音楽にあまり興味はなかったが、一緒になって作詞に夢中になった

不思議と頭の中に言葉が浮かんで形になる

自然なことなのだろうと思っていた



中学3年になる少し前、運命的な出会いをはたした

ある音楽番組に出ていたバンドに惹かれ目が離せなかった

奇抜なメイクと格好に圧倒的な歌唱力

音楽に興味のなかった私の世界を一瞬で変えた

それがヴィジュアル系との出会いだった


ヴィジュアル系なんて言葉も知らなかったが、翌日、居ても立っても居られずCDを買いに行った

ヴィジュアル系の雑誌も買い、その世界にのめり込んだ


あの頃から良くも悪くもいろんな状況が変わり始めた

父が切れ、祖父母の家に避難するのと家との往復の生活が始まったのだ

いつもの様に母が愚痴を言う中、今でも覚えている言葉がある



『結婚して1ヶ月の頃、離婚しようと考えた』



別れる事を考えたのに母は私を産んだ



『じゃあなんで私を産んだの』



その言葉が浮かんだが声に出すことは出来なかった

私は【役に立たない子】から【要らない子】だという認識に変わってしまった


自分の存在意義はなんなのだろう





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