第15話 マグリード後期入学試験:定期報告
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<報告>
・試験開始から4時間、残り時間およそ15時間。
既に集まった5438人の内、4412人が脱落。
・残り1026人の内、3人の受験生が"ニンゲン"であり、過去最多の人数を記録。
・3人の内の1人である少年と試験開始1時間を過ぎたあたりで交戦。名前は『カイト』。上級魔人を使役しており、結果は惨敗。彼の力は学園にとって有益であると判断を下した。
・ニンゲンの少女は『鍵』を使った能力と見られる。名前は『キッカ』。能力の詳細は現在不明。
・もう1人の少年は能力を使う様子が一切見られない。名前は『ヒジリ』。ステータスも至って普通であるが、«知力»の項目のみ群を抜いて高い。
・例の子は現在、ポイント数トップ。このまま行けば、まず入学は確実。
以上、これといった問題は発生しておりません。
以下、現在の獲得ポイント数上位10名
1位(現在14ポイント)
☆ディーナ・メリーク
☆ヒジリ
2位 (現在13ポイント)
・サファロ・ディーン・ムッソルティア
3位(現在11ポイント)
・ブロンズ・ウガンジィ
4位(現在9ポイント)
・キッカ
5位(現在8ポ)
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「うんうん!今年も中々優秀な子達が受験に来たんじゃないかな!」
「がくえんちょぉ〜!ど〜だったぁん?」
「いい感じじゃよメィリー君。 恐らく、定期報告書を書いている途中にキリエ君に問題が生じたと見られるんじゃが、うーむ……まぁ彼女に任せておけば安心じゃろう」
「そうよぉ!あの女は頭までカチカチの筋肉だけどぉ〜、戦闘においてははちょーーーっとだけ優れてるから大丈夫よぉ〜」
「魔人を使役するというニンゲンの子が心配ではあるが……。そうじゃ、メィリー君。頼んでおいた書類はもう出来とるか?」
「もっちろ〜ん!全受験生の能力値パラメーターと戦闘スタイル。しっかりまとめておいたよぉ。はいどーぞ!」
「おぉ流石、仕事が早いのぅメィリー君」
「だけどねぇ……『ヒジリ』って子だけ情報がまーーーったく存在しなくてぇ……調べてみたらシャグルのおじ様と仲良しみたい!試験前にも何回かトレーニングに付き合ってたらしいわぁ」
「ほう、シャグルと……。どうりで強い訳じゃ。じゃが彼の強さはそれだけじゃないな……」
「どうゆーことぉ?」
「いずれ分かるはずじゃ。もしかしたら、彼がこの世界を救う勇者になるやもしれんからの……」
「え〜〜〜!アタシにはそうは見えないけどなぁ〜。それよりもがくえんちょ〜!早く続きを観ようよぉ!」
「ハッハッハ、そうじゃな。今はただ、この子達の様子を見守ろう」
そう言って学園長と呼ばれる男は鏡に手を触れると、そこに受験会場の映像が再生された。
そして2人は鏡を通じ、マグリードから試験の様子を見守った。




