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アトミック・ガールズ!  作者: EDA
25th Bout ~Burst Summer~
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05 二日目

 合宿稽古の二日目の朝――

 携帯端末の目覚ましアラームで安らかな眠りから引きずり出された瓜子は、まぶたを開くなりぎょっと身をすくめることになった。頭上から、三対の目が瓜子を見下ろしていたのである。


 目の主は、同室であった愛音と灰原選手と多賀崎選手のものだ。

 そして瓜子の身は、温かくてやわらかくて力強い存在に拘束されている。そちらはもちろん、ユーリであった。


「えーと、あの……みなさん、おはようございます」


 ユーリの怪力で身動きの取れない瓜子は、そんなすっとぼけた声をあげるばかりである。それに「おはよう」と返してくれたのは、多賀崎選手であった。


「いや、驚かせちまって悪かったね。なんていうか、こう……ついついあんたたちの寝顔に見とれちまってさ」


「な、何を言ってるんすか。冗談は言いっこなしっすよ」


「いやいや、ほんとにさ。冗談ぬきで、天使みたいな寝顔だったよ」


 多賀崎選手がどこか照れ臭そうな面持ちで微笑むと、それを押しのけるようにして灰原選手がぐっと顔を近づけてきた。


「あのさー、これは冷やかし半分じゃないから、マジで答えてほしいんだけど! ……やっぱうり坊とピンク頭って、そーゆー関係なの?」


「だ、だから冗談は言いっこなしですってば」


「だから、マジだって言ってるじゃん! あたしはゲイとかにも偏見ないって、前から言ってるっしょ? あたしやマコっちゃんなんかも、そうやって冷やかされることは多いしさ! でも、うり坊たちがマジでつきあってるってんなら……あたしは絶対に冷やかしたりしないし、あちこちで言いふらしたりしないよ!」


 灰原選手がいつになく真剣な面持ちであるものだから、瓜子も二の句が告げなくなってしまった。

 そうしておそるおそる、愛音のほうをうかがってみると――そちらはそちらで、灰原選手以上に真剣な面持ちであった。


「……愛音は心から、ユーリ様の幸福を願っている身であるのです。猪狩センパイがユーリ様のパートナーに選ばれるというのは、きわめて遺憾なお話ですけれど……でも、それがユーリ様の決断であられるのなら……愛音は浅ましい私心を排して、心からの祝福を捧げる所存であるのです」


「む、邑崎さんまで、何を言ってるんすか! みなさん本気の目つきで、こっちが怖くなっちゃいますよ!」


 瓜子がそのようにわめきたてると、ユーリが「むにゃあ」と寝ぼけた声をあげつつ、いっそうの怪力で瓜子の身を締めあげてきた。

 そして、発熱したマシュマロのように温かくてやわらかくてなめらかな頬が、瓜子の頬にすりよせられる。


「にゅふふ……うり坊ちゃん、だいしゅき……」


 いつも通りと言えば、いつも通りのユーリである。

 が、そのような姿を第三者にさらすのは、これが初めてのことであろう。

 これから誤解を解くためにどれだけの時間と労力がかかるかと想像しただけで、瓜子は溜息をつかずにはいられなかった。


                 ◇


 そんな感じに、合同合宿稽古の二日目はスタートした。

 午前の七時半に起床したならば、全員で砂浜のランニングである。保護者や一部のコーチ陣を除き、六十名がかりで砂浜を走るというのは、毎度のことながら壮観であった。


 そののちに中庭で朝食をいただいていると、ついにスペシャルゲストが到着した。『トライ・アングル』の七名に、お目付け役の千駄ヶ谷だ。それを心待ちにしていた人々は、大歓声で彼らを迎えることになった。


「静粛に。……昨年と同様に、写真撮影やサインの時間は夜に作っていただけるという話なので、それ以外の時間はむやみに騒ぎたてないように徹底してもらいたい」


 赤星弥生子の厳粛なる声音が、表面上の熱狂を抑え込んだ。

 そのぶん内圧を高めた熱っぽい視線が、『トライ・アングル』の面々の挙動を見守っている。しかし彼らもそういう視線には慣れているため、普段通りの気安さで瓜子たちに笑いかけてきた。


「よう! みんな、お疲れさん! 高速をかっとばして、駆けつけたぜー!」


「どうもお疲れ様です。……無理せずお昼からの参加でも一向にかまわなかったんすけどね」


「あはは! 目的の三分の一ぐらいは、ビーチ遊びだからな! 稽古だってマジで取り組むから、瓜子ちゃんたちの水着姿で気力を充電させてくれよー!」


 そんな言葉をぶつけられても、瓜子は溜息を連発するばかりであった。

 彼らは本年も、午後の体験スクールに参加するのだ。そちらは瓜子にとっても楽しいひとときであるのだが、かといって午前中の鬱々たる時間が消えてなくなるわけではなかった。


 そうして瓜子が溜息をついている間に、『トライ・アングル』の面々は他なる女子選手と挨拶を交わしていく。もっとも新参である鬼沢選手も七月大会の打ち上げでご一緒していたので、初対面となるのは『ワンド・ペイジ』の三名のみだ。音楽に興味がないという鬼沢選手はいつも通りのふてぶてしさであり、『ワンド・ペイジ』の面々も普段と変わるところはなかった。


 そうしていよいよ、鬱々たる時間のスタートである。

 瓜子が重い足を引きずって自室に戻ると、ユーリは昨日と同じように「じゃじゃーん!」と忌まわしき物体を取り出した。


「本日は、こちらの水着でぇす。昨日の水着にも負けないかわゆらしさなのでぇす」


「ユーリさん……お願いですから、無駄遣いは控えましょうよ……」


「にゅふふ。うり坊ちゃんのかわゆい水着姿に、無駄な要素は1ナノグラムも存在しないのでぇす」


 そうして瓜子に手渡されたのは、よりにもよってヒップハングのトライアングル・ビキニであった。尋常でなく股上が浅く、最初からヒップの半分ぐらいが露出してしまうデザインである。


「ユーリさん……自分はなるべくおしりのラインを隠したいんだって、何度も何度も何度も何度も言ってますよねぇ?」


「うにゃー! そんなにひっぱったら、ユーリのほっぺたがちぎれてしまうのですー!」


 瓜子がユーリへのおしおきを完了させてから背後を振り返ると、また愛音たちがじっとこちらの様子をうかがっていた。


「いや、あの……誤解は解けたはずっすよね?」


「うん。だけどやっぱり、仲睦まじいなと思ってさ。……遠慮なく桃園とふれあえるようになって、よかったな」


 と、多賀崎選手は思わぬタイミングで優しげな微笑をたたえる。

 かつてのプレ撮影会を経て、ユーリは一部の女子選手に人肌アレルギーの秘密を打ち明けていたのだ。さしあたって、今回は二年前からつきあいのある多賀崎選手、鞠山選手、小笠原選手、小柴選手、オリビア選手の五名に限られていた。


「うーん! うり坊たちって、今でも人前でべたべたくっついたりはしないけどさ! でもやっぱ、気軽にさわれるようになったぶん、いっそう仲良さげに見えるようになったのかもね!」


 と、灰原選手は普段通りの朗らかさでそのように言い放った。


「だから今度は、つきあってないのが不思議に思えるぐらいになっちゃったのかも! でも、マジでつきあうことになっても、あたしは冷やかしたりしないからさ! そのときは、ちゃんと教えてよねー?」


「で、ですから、そういう予定はありませんってば。ほら、ユーリさんも何とか言ってくださいよ」


「ふにゃあ。ユーリは朝方も打ち明けた通り、いつかうり坊ちゃんのお子をこの手で抱くのが夢のひとつなのですぅ」


「そ、それも何だか、やな感じですってば!」


 瓜子が背中をぴしゃぴしゃと叩くと、ユーリは「にゃはは」と笑いながら逃げ惑った。

 そんな騒ぎを経て、いざ出陣である。

 瓜子もこの段階ではパーカーとショートパンツを纏っているため、羞恥心は抱かずに済む。が、それでも『ベイビー・アピール』の漆原を除く三名は歓声をあげていた。ユーリはフレアハットとパーカーしか装着していないため、優美かつ肉感的な脚線美が丸出しであるのだ。


「やっぱユーリちゃんは、すげえ破壊力だな! 瓜子ちゃんも、ぜんぜん負けてないけどよ!」


「へ、変なこと言わないでくださいよ。こんなのは、稽古のときと変わらない格好でしょう?」


「いやいや! ハーフパンツとショートパンツじゃ、露出度が違うじゃん! ……あ、いやいや、瓜子ちゃんが恥ずかしくならないように、余計なことは言わないでおくよ!」


「……もう全部言った後じゃないっすか」


 瓜子が何度目になるかもわからない溜息をついていると、ビーチタオルを肩から羽織っただけの灰原選手がずいっと進み出てきた。そちらはレイヤード・ビキニで、惜しみなく素肌をさらした姿である。


「うり坊とピンク頭ばっかりはやしたてられると、対抗心をかきたてられちゃうなー! あたしだって、いまやグラドルの端くれなんだけどなー!」


「久子ちゃんだって、もちろんすげえ色気だよ! でも久子ちゃんだって、オトコを作る気はねえんだろ?」


「うん! オトコのボンノーをシゲキするだけシゲキして放置するのが、あたしの趣味だからねー!」


「うわー! そいつは悪趣味だ!」


 そうして一行は楽しげに語らいながら、ビーチを目指すことになった。

 タトゥーを入れているタツヤはウェットスーツで、海に入らない漆原も右手にだけ手袋を装着している。また、『ワンド・ペイジ』の中で水着に着替えているのは、本年も西岡桔平のみであった。


(……去年はこの二日目に、ビーチでエマさんを見つけることになったんだよな)


 しかし本年は姿を現さないはずだと、瓜子は千駄ヶ谷から聞いていた。山寺博人と円城リマ、『ワンド・ペイジ』のマネージャーと千駄ヶ谷の四名で秘密の打ち合わせがされて、今後の方針が決定されたのである。円城リマと再会するのは、ニューシングルのジャケットの撮影日であると周知されていた。


(でも……エマさんにあの絵をいただいてから、ちょうど一年か。今回は、とびきり奇妙な一年だったなぁ)


 この一年間で瓜子とユーリが平穏な日常を過ごせたのは、最初と最後の一ヶ月ずつのみとなる。三ヶ月ほどは完全に別離して、七ヶ月ほどは病院でのみ面会していたのだ。そうして平穏な日常を取り戻してからまだひと月ほどしか経っていないのに、瓜子は何だか長い夢でも見ていたような心地であった。


 しかしそれが夢でなかったことは、ユーリの純白の髪と肌が証し立てている。

 また、瓜子もその期間で数々の試合に挑んできたのだ。そしてその中には、赤星弥生子との鮮烈な一戦も含まれているのだった。


(今度は、どんな一年になるだろう……って、こんな風に考えられるのが、一番幸せなことだよな)


 瓜子がそんな思いにひたっていると、やわらかな眼差しをしたユーリがフレアハットを傾けて顔を近づけてきた。


「やっとうり坊ちゃんのご機嫌が回復して、ユーリも幸せ気分なのです。……うり坊ちゃんは、どんな思いにひたっていらしたの?」


「……無駄遣いをやめない人には、教えてあげません」


「ちぇーっ」と、ユーリは甘えるように笑った。

 そうしてビーチに到着したならば、まずはパラソルを立てて日焼け止めオイルだ。その段階で、『ベイビー・アピール』の騒がしい面々はいち早く海面に突撃した。


「じゃ、準備が済んだら遊んでくれよな!」


 彼らは彼らで瓜子が水着姿を死ぬほど恥ずかしがっていることを承知しているので、去年も心の準備をする時間を作ってくれたのだ。そんな彼らであるために、瓜子も最後には覚悟を固めてパーカーやショートパンツを脱ぎ捨てることがかなうのだった。


 本日も、鞠山選手はいそいそとデッキチェアを設置している。そのかたわらで瓜子がユーリのオイル塗りを手伝っていると、ふたつの人影がひょこひょこと近づいてきた。


「どうもお疲れ様っす。なんか今年はなかなかおしゃべりするチャンスがなかったんで、お邪魔していいっすか?」


 それは、メディカルトレーナーたる是々柄に、六丸であった。

 こちらの両名も海水浴には参加せず、是々柄はぶかぶかのジャージ姿、六丸は七分袖のTシャツ姿だ。瓜子はとりあえず、「どうも」と頭を下げることにした。


「確かに今年は、お二人もお忙しそうでしたね。昨日はお子さんたちの面倒を見てくださったんすか?」


「そっすね。お子さんの数が倍増したんで、弥生子ちゃんから特別指令を受けたっす。稽古の時間が長くなると、怪我をする確率も比例して増大するっすからね」


 遠視用の眼鏡で巨大化した目をぎょろぎょろと瞬かせながら、是々柄はそのように語った。こういう真っ当な会話をしている間でも、妙に脱力した雰囲気が独特である女性だ。そして六丸は、相変わらず子犬のように無邪気な笑顔をさらしていた。


「ところで……ユーリさんはその後、体調のほうは如何っすか? おかしな後遺症に悩まされたりしてないっすか?」


「はぁい。退院以来、絶好調でございますぅ」


「そっすか。あの藪医者が大失敗してみなさんに愛想を尽かされればいいのにってのはまぎれもなく本心っすけど、ユーリさんがおかしなことになると弥生子ちゃんが悲しむことになるんで、よかったっす」


 こういう部分は、あまり普通でない是々柄だ。

 そしてその巨大な目は、ずっとユーリの白い裸身を凝視していた。


「それにしても……ユーリさんは、お肉に磨きがかかったっすよね。理性を総動員しないと無意識の内に襲いかかって返り討ちにあって病院送りにされそうっすよ」


「あははぁ。返り討ちにあうところまで想定済みなのですかぁ?」


「そりゃああたしなんてミジンコていどの腕力しかないんで、ユーリさんのパンチ一発でお陀仏っすよ」


 そんな風に言いながら、是々柄はさらにまじまじとユーリを見つめた。


「ただ……生前のユーリさんのお肉にさわる機会がなかったのは、かえすがえすも残念っす」


「はにゃ? ユーリはいちおう、絶命していないつもりなのですけれども……」


「ユーリさんは不死鳥のごとく蘇ったんで、不謹慎は承知で過剰な表現をさせてもらったっす。ほんとにユーリさんは、生まれ変わったみたいにお肉の印象が一変してるんすよね」


 そう言って、是々柄は小さな指先をわきわき動かした。


「生前のお肉にさわってたら、それがどういう変化なのかもきちんと説明できたと思うんすよ。次の輪廻転生に備えて、今のお肉をさわらせてもらえないっすか?」


「それはご勘弁願うのですぅ。ユーリはことのほか、マッサージの類いが苦手ですのでぇ」


「そっすか。無理強いしても病院送りなんで、しかたないっすね」


 そうして是々柄が矛先を収めると、六丸がにこにこと笑いながら発言した。


「ぜーさんはぜーさんなりに、桃園さんの容態を気づかっているんです。どうかお気を悪くしないでくださいね」


「おやおや。六ちゃんにフォローされるようじゃ、あたしもいよいよっすね」


「ぜーさんは、初めてお会いした頃からいよいよだったと思いますよ」


 六丸は赤星弥生子とお似合いであるように思うのだが、是々柄との掛け合いも妙に呼吸が合っている。ふたりしてのほほんとしているので、どこか波長が合うのかもしれなかった。


「……やっぱりあんたの目から見ても、ピンク頭の現状は普通じゃないんだわよ?」


 デッキチェアの鞠山選手が口をはさむと、是々柄は「そっすね」と繰り返した。


「死にかけた人間がパワーアップして蘇るなんて、どっかの宇宙人みたいじゃないっすか。いったん骨と皮になった人間がたった数ヶ月でパワーアップするなんて、自然の摂理に反してると思うんすよね」


「ふん。あんたの元父親の人体実験の賜物かもしれないだわね」


「お、その物言いはあたしの心を深く満たしてくれるっすね。お礼に、マッサージしましょうか?」


「それじゃあ、お願いするだわよ」


 鞠山選手は鞠山選手で、どのような人間でも簡単に受け入れる度量を有しているようである。なおかつ、浮世離れしているという点においては、まさり劣りのない両名であった。

 そうして是々柄がデッキチェアに投げ出された足をもみしだくと、鞠山選手は「んふう」と満足げな吐息をもらした。


「これは素晴らしい手並みだわね。都内で店を出せるレベルだわよ」


「歴戦のお肉にさわらせていただいて、こっちも光栄の限りっす。これは……手入れの行き届いたアンティークの楽器を思わせるお肉っすね」


 なんとも奇妙なる交流のさまに、魅々香選手や来栖舞も目をぱちくりとさせてしまっている。

 そしてこちらには、六丸が笑いかけてきた。


「桃園さん、僕からもいいですか? ……どうか、ご自愛くださいね」


「はにゃ? それは、どういうお話でありましょう?」


「弥生子さんにとって、桃園さんと猪狩さんは特別な存在なんです。桃園さんにもしものことがあったら、弥生子さんはとんでもないショックを受けてしまうでしょうから……どうかおふたりには、健やかな人生を送ってほしいんです」


 そう言って、六丸はにこりと微笑んだ。


「自分勝手な物言いで、どうもすみません。でも、僕自身もおふたりにはものすごく感謝していますので……おふたりが健やかに過ごせるように祈っています」


「はあ……それは恐縮なのですぅ」


 と、ユーリもやわらかく微笑み返した。

 六丸は男性っぽくないというか、子犬や子鹿などを連想させる存在であるため、ユーリもずいぶん穏やかな心持ちで接せられるようであるのだ。瓜子自身、六丸の言葉には何の嘘いつわりもないのだろうと信じることができた。


 そんな六丸と是々柄が居座っていることで、パラソルの下には何か奇妙な空気が形成されている。

 その空気が、「うりぼー!」というけたたましい声によって粉砕された。


「いつまでそっちでくつろいでるのさー? そろそろ自慢のカラダをタツヤくんたちに披露してあげたらー?」


 言うまでもなく、それは灰原選手の声であった。灰原選手を筆頭とする何名かの女子選手たちは、タツヤたちとともにビーチバレーに興じていたのだ。


 とっくにオイルを塗り終えていたユーリは、やわらかな笑顔を瓜子に向けなおしてくる。

 そろそろ瓜子も、覚悟を固める時間のようである。そして、覚悟を固めて海に飛び込んだならばそれなり以上の楽しさが待っていることは、去年や一昨年に証明されているのだった。

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