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超電特装ゴーサイバー  作者: MrR
プロローグ
1/29

過去と未来


 Scene of 未来


 眼前には絶望の光景が広がっていた。


 十字架に貼り付けられ、ボロボロになった女戦士達。


 スーツは引き裂かれ、顔を覆っていたフルフェイスのマスクも破壊され、引き裂かれたスーツのそこら中に乾いた血の跡がこびりついていた。


 それはどれだけ痛い目に合ったと言うのかを証明する証拠に他ならない。


 自分の弱さと、過去とを償うため、戦いに身を投じた納馴染みの桃井 薫。


 常に他人のために人の思いやり、戦う動悸も自分以外の誰かを守るために戦う優しい少女、佐々木 麗子。


 思った事をズバズバ言い、男勝りで気が強いが本当は不器用で優しい女の子、神宮寺 芳香。   


 元々は研究員の一人であり、本当は戦いなど専門外でありながら皆を纏めてくれた綺麗なお姉さん、白墨 マリア。


 それが全員傷付き、倒れ、気を失い、この硬い石だらけの採石場の丘に置かれた十字の石版に貼り付けられていた。


 周囲には視界を埋め尽くす程の戦闘員達。


 捕らわれた彼女達の行く手を阻むように怪人達が。


 強大な力を持った大幹部が行く手を遮る。


 そして彼達が取り囲む中心点には燃え滾るような、巨大な炎があった。


 行く手を阻む物は全て焼き尽くすような勢いで燃え盛っている。


 その火種になっているのは赤い戦士だった。


 フルフェイス仕様のマスクで顔を覆い、自らが生みだす火炎と融け込むように烈火のスーツを身に付けた一人の正義の味方。


「皆・・・・・・今助けに行くよ・・・・・・」 


 名をゴーサイバーが一人、サイバーレッド。


 またの名を楠木 達也。 



 嘗て絶望に身を落とし、そして今再び正義の味方としての道を目指し始めた少年である――



 Scene of 過去



 自分はヒーローになれない。



 異臭が漂う汚い学校のトイレの床に這いつくばりながら楠木 達也はそう思った。


 入学式ピカピカだった制服もボロボロになり、顔も痣だらけで鼻や口からは血を流している。


 周りではゲラゲラ笑いながらガラの悪い男子生徒達が見下して携帯を向けている。この無様な自分の姿を撮影しているのだ。


 達也にとっては痛みよりも今心に感じている悔しさが何よりも辛かった。


 自分の憧れのヒーローならきっとこんな苦境など平然と撥ね除けるんだろう。


 だからそれが出来ない自分はヒーローになんてなれない。


 小学校の頃はテレビの中で連日のように彼達の活躍に目を輝かせ、強く憧れていた。


 しかし中学校になり、こうしてイジメを受けるようになってからそんな風に考えるようになった。


 イジメられたキッカケもヒーローに憧れたばかりに起きた悲劇だ。


 ただ単純にイジメられっ子をイジメっ子から助けたばかりにこんな酷い仕打ちを受け続けている。


 仲のよかった友人も教師も親も――誰も助けてくれない。


 そして現実にいる筈のヒーローでさえも・・・・・・

 達也はこうしてヒーローに幻滅し、ただただ卑屈にイジメられっ子を演じながら生き続けた。 


 殴る蹴るは当たり前。


 酷い時は犯罪行為をやらされたり、好きでもない女子に告白、録音されクラス中に晒された。


 そんな日々を続けて行く内に生きる気力も失っていき、そして彼はその末にある事を決意した。


 まるで病人のようなおぼつかない足取りで埃っぽい学校の階段を登る。


 重くやや錆び付いたドアを開け、風雨に晒されて腐敗が酷い金網を登り、何の躊躇いもなく達也は四階の屋上から飛び降りた。


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