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85.「判断」に困りました。

 こんにちは、加瀬優妃です。

 『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。

 今回の内容は……

  「判断」に困りました。

でございます。


 2019年1月8日の夜。

 都森のぉ様から「SSを追加しました。設定も追加しました」というメッセージが届きました。


 は……早っ! 丸一日しか経ってないですけど!

 ……と驚きつつも、早速チェック。


 うん、やっぱりSSが付くとだいぶん違う。

 イメージができたことで、

「ここはどういう意味だろう」

「ここは改変していい部分なのだろうか」

など、新たな疑問がたくさん出てきました。


 誤解しないでいただきたいのですが、「たくさん出てくる」というのは悪い事ではなく良い事なのです。

 発想力底値の私でもいろいろ想像することができた、つまり「書きかけの設計図」の域に達しているということなのですから。


 ただ……ある、全く別の疑問も湧きました。

 設定がある。SSもある。

 初回の原案提供と同じなのに、何かが違う。


 その「何か」を見つけなければならない、と思いました。

 でないと、それが「個性」なのかそれとも「修正するべきもの」なのか、判断ができないからです。


 そうして、初回の原案を読み返し……決定的な違いが分かりました。


 初回の原案は、「人間ドラマ」なんです。

 だから、キャラと初期状況――つまり、「問題提起」がなされている状態。


「そのキャラがどういう風に動き、また周りのキャラがどう動くことでその問題は解決に向かうのか」


 ここが、創作のポイント。

 つまり、「問題提起」こそが「原案提供」の部分なのです。設計図が書きかけの部分。

 一つの目標が定められていて、創作者はその経過を考える。それをゴールにしてもいいし、それを一つの通過点として自分が考えた内容も含めてゴールに設定してもいい。

 キャラや背景を変えれば、解決方法も変わってくる。そこに創作の余地がある訳です。


 しかし……のぉ様の原案は、そういうタイプのものではない。

 背景が決まっている、あるいは使うべきものが決まっているのです。

 ですから、「問題提起」を考えるところから創作するのでなければ、創作の意味をなさない。そこに、創作の余地がある訳です。

 そこまで提示してしまうと、いろいろな方向に向かう可能性のあるこの原案を、1つの方向に決めてしまうことになる。

 創作者の楽しみがなくなってしまうんですね。


 つまり、二つの違いは「個性」だった訳です。


   * * *


「うーん……。キャラの雰囲気を伝えるためにはSSのこの部分が削った方がいいかな」

「人生は金次第の方は短編でいろいろな方向に行ける気がする。先着1名ではなく、複数の人に書いてもらう方がいいんじゃないかな」


 方針が決まったことで、いろいろと見えてきた。

 うむうむ、確実に前進しているな。

 

 でも……待てよ?

 本当に私の見解で合っているんだろうか。

 もし、とんでもない思い違いをしていたら?


 それに、

「SSをつけてください」

と頼んだくせに、せっかく書いていただいた文章に

「ここ削った方がいいのでは」

と注文をつけたり、原案者が「先着1名」と言っているのに

「複数にしてはどうでしょう」

と提案したりするのって、行き過ぎではなかろうか。


 どうだろう? どこまで合ってるんだろう?

 この場合、どういう判断が正しいの?


   * * *


 1月8日、深夜――。


「ごめんなさい、ちょっと私一人では判断がつきかねるところがあるので副会長に相談します。だから、お返事はしばらく待ってもらえる?」


 のぉ様のお店に息せき切って現れたおかみは、ゼーハー言いながらどうにかそう告げました。

 当然のことながら、のぉ様はきょとんした様子。


「副会長?」

「リサイクル協会は、そもそも私が立ちあげてNOMAR様がそれに応えたことで始まったもの。だから、NOMAR様が副会長なの」

「なるほど……」


 おかみはのぉ様が頷いたのを確認すると、しゅたっと右手を上げました。


「とりあえず……ちょっと時間をください! では!」

「あ、はーい……」


 のぉ様が「わかりました」と返事をする頃には、おかみの姿は消えていました。

 戸口の暖簾がパタパタと空しくなびいています。


「……早っ……」


   * * *


「――副会長、出番です!」

「いきなりそう言われても分かりません」


 バターンと勝手口の扉を開けて現れたおかみを、NOMAR様はしかめっ面で出迎えました。


「……で、ちゃんと玄関から入ってもらえませんか?」

「まぁまぁまぁ」

「まぁまぁじゃなく」

「それどこじゃないから。それでですね……」

「…………」


 ズカズカと中に入り、いきなり本題に入るおかみ。

 NOMAR様はこっそりと溜息をつきました。


   * * *


 さて、副会長の見解は? 待て、次回!

 長くなったのでとりあえずここまでー。

 自分で判断がつけられなかったのは、やはり私は発想力底値であり前回で言うところの「Bタイプの人」だから、ということですね。

 ですから「Aタイプの人」にとってみれば全然とんちんかんなことを考えているかもしれない、と不安になりました。

 ですので、のぉ様と同じ「Aタイプの人」である副会長(笑)に相談した訳です。


 ……で、あと1回だけ続きます。

 来週からは「週1・金曜日更新」に戻ります。


 読んでいただきありがとうございます。(^^)/

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