59.「別荘のカセユキ」が現れました。
こんにちは、加瀬優妃です。
『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。
今回の内容は……
「別荘のカセユキ」が現れました。
でございます。
7月28日、夜。田舎の民宿「加瀬優妃亭」。
「そろそろ新商品を出したいけど……なかなかいいのが浮かばないわねぇ」
メモ帳を見ながら、おかみは溜息をつきました。
「前に出したのは……あら、1か月以上も前じゃない!」
「何してんの?」
「わー!」
おかみの背後から現れたのは、おかみとそっくりな顔をした女性。
「あ、あんた……何!? 別荘に行ってたんじゃないの!?」
「たまには帰ってくるよー。いいじゃん、別に」
この女性は、おかみの双子の妹です。今はNOMAR様の好意で建ててもらった別荘の方に住んでいます。
比較的マジメなおかみに比べると、自由奔放で何をするかわからない、爆竹のような女性です。
「で? 何してんの?」
「新商品をね、出したいんだけど……いいのがなくって……」
「ちょっと見せてよ」
おかみの手からメモ帳をひったくると、妹はパラパラとめくりました。
「……コレは? 私が言ったやつ」
「それはボツ」
「何で?」
「面白そうだけど、好みが分かれそうでもあるのよね」
「んー……そう?」
妹はちょっと考え込むと、ニヤッと笑いました。
「私ならできるよ、商品化」
「……何を?」
「コレを」
「や、やめてよ!」
おかみは慌ててメモ帳を取り返しました。
「こんなモノ加瀬優妃亭から出したら、馴染みのお客さんにドン引きされちゃう!」
「じゃあ、私が出すよ。元々私のネタなんだし。それならいい?」
「んー……」
「じゃ、そういうことでー!」
「ちょ、ちょっと――!」
おかみは慌てて追いかけましたが……妹の姿は、どこにもありませんでした。
「だ……大丈夫かしら?」
◆ ◆ ◆
こうして出来上がった、別荘・発の新商品……。それが
『「ちっぱい」、可愛いじゃないか!』
です。
あー! ちょっと、言い訳させてくださいぃ~~!
エッセイは、ですね……ランキングを見ていると、上位にくるものが批判だったり、悲しい話だったり、何と言いますか……あまり明るいネタがないよね、と思っていまして。
勿論、主張したいことを一生懸命に伝えることがエッセイです。どんな題材でも構わない。
真面目に考えて、色々なことを訴えることは大事なことです。(私も最初はそうでした……)
ですが、たまにはちょっと笑えるものがあってもいいのではないか、と。
それで、前に出した『「キーンコーンカーンコーン」の後は?』ですが、これ自体は一瞬、日間ランキングの5位ぐらいに滑り込んだものの、そうヒットはしなかったんですね。
ですが『49.「我慢」できなくなりました。』でも書いたように、この次の日に更新した、この「田舎~」のPV数が、過去最高の200PVを記録したんです。
折しも、8月1日に更新予定の内容は、ゆう様との出会い、つまり「リサイクル」に関するお話でした。
だから、前日の7月31日の火曜日に単発エッセイを出して、それがもし日間ランキングに滑り込めれば、水曜日更新の「田舎~」を読んで頂ける人が増えるのではないかと。
そんなことを考えたんですね。
でも……単発エッセイって、それなりに思い入れのあるネタでなければ、書ききれないんですね。
だってこの作戦が成功するためには、ある程度の方に読まれなければならない。
真面目なことを話すならきちんと論理立てて丁寧に説明することを考えればいいのでしょうが、最初に書いたように、私は明るい、皆に笑ってもらえるようなエッセイが書きたかった。
そのためには、誰が読んでもわかる題材であり、かつ私の熱量が高まらなければならない。
そのネタが……「ちっぱい」しかなかった……。くうぅ。
なぜこのネタがそんなにアツかったのか……それは、2か月以上前に遡ります。
それについては……次回、乞うご期待!
「待て、次回!」……ということで。
長くなったので分けました。すみません。
その「次回」は明後日、金曜日の予定です。
読んでいただきありがとうございます。(^^)/