2.「書き専」を始めました。
こんにちは、加瀬優妃です。
『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。
今回の内容は……
「書き専」を始めました。
でございます。
高校に進学する春休み、「さよならの瞬間」という小説を書きました。
第2作「あの夏の日に」の元となった作品です。
あんまりにも暇だったので「○○○大賞とかにでも出してみようかな」と思い立ったんですね。
それで、設定や話の流れももう1回練り直し、原稿用紙に書き直してみた、というものでした。
確か、100枚強……40000字程度ですね。
結局、応募することはなく……しばらく眠っていましたね。
高校入学後に新しい友人ができて、春休みに小説を書いたことを言うと「見せて」と言われました。
◆ ◆ ◆
「読んだよー。すごいね、話って作れるんだね! ちょっと最後せつなかった。賞に出したの?」
「出してない」
「えー……出すだけ出してみればよかったのにー」
「いや、それは……」
「でねー、今はKちゃんが読んでるよ」
「へ?」
「あの辺に回ったら多分返ってくると思うけど……」
「え? え?」
◆ ◆ ◆
Kちゃんはクラスメイトですが、当時は親しくありませんでした。
よくわかりませんが、知らない間にクラスの女子の半分ぐらいに回っていました。そのうち全く接点のない人にも飛び火しましたね。
あの人は趣味で小説を書いているらしい、というのが一部の人に知られるようになり……なんか新しいの書いて、と言われました。
そうして書いたのが「華鏡」という平安時代の恋愛モノです。
古文って、教科書の他に「便覧」っていう資料集があるんですよね。それを眺めるのが好きでしたね。
平安時代の暮らしとか行事とか、いろいろ載ってるんですよ。それを見ながら話を考えました。
ルーズリーフ20枚(40頁)で一冊にまとめて、回していましたね。
そして……最初はよくわからんところにまで回っていたんですが、だんだん固定されて8人ぐらいの間で回るようになりました(この辺は「小説家になろう」と同じですね。興味を持ってくれた方だけが残っていくという……)。
その中の4人ぐらいはとても熱心に読んでくれて、Lちゃんという子は家のパソコンを使わせてくれて、私と一緒に四人分の製本をしてくれました。
そしてKちゃんは毎回便せんに感想をびっしり書いてくれて、「続きは?」とせかしてくれました(笑)。
この話は5巻で第1部が終わって……結局、7巻の途中で止まっています。
つまり、未完という訳です。
第2部に入って話が思うように進まなくなったんですよね。
最後まで書ききるのって難しい……。ここで、思い知りました。
製本までしてもらったのに、申し訳ない。(Lちゃんは第1部の分、計20冊も作るのに協力してくれていました)
――こうして新たに書き始めたのが、「想い紡ぐ旅人」の原版、中学時に書いた話のリメイク「ガラスの時空」です。
この話はノート3冊に書きあげました。最後の2頁ぐらいは感想を書くスペースとして残しておいて、1冊書くごとに回しました。
中学の友人たちと違って、高校の友人たちは手厳しかったですね。
「会話での説明が多い。文章で説明した方がいい」
と指摘してくれたのも、一番の読者だったKちゃんです。
久し振りに私の小説の師匠・Mちゃんに会ったとき、完結した「ガラスの時空」を読んでもらいました。
何ていうか……「こんな長い話を書けるようになったよ、センセー!」という感じですね。
Mちゃんは、巻末の感想のページを見て相当ビビっていました。
単に「面白かった」とか「続きが気になる」とかだけでなく、手厳しい指摘がビシバシ書いてあるからです。「説明不足」とか「ここが矛盾」とか。
私にとっては当たり前だったんですが、中学時のノリとは違うから、怖かったみたいです。
でも、「こういう批評家の皆さんが周りにいたから成長したんだね」と言って褒めてくれました。
嬉しいです、センセー!
……思えば、この高校時代が「書き専」の始まりですよね。
このあと大学受験があり、またもや皆バラバラになって……疎遠になってしまいました。
私も、新しい作品を書くことはありませんでした。「ガラスの時空」をちょっとリメイクしたのを大学時代の友人1人に見せたぐらいです。
そして……これを最後に、私の小説は読まれることがなくなりました。
また何か、湿っぽくなってるー!
……大丈夫です、ここまでは前フリです。(←長いな)
とりあえず「加瀬優妃」のルーツを知ってもらえれば、と……。
安心して下さい。みたび、新しい出会いがありますから!
読んでいただきありがとうございます。(^^)/