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133.「共同制作」を完遂しました。

 こんにちは、加瀬優妃です。

 『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。

 今回の内容は……

  「共同制作」を完遂しました。

でございます。

 さて、2023年1月10日でもって、森陰五十鈴様との共同制作である『FLOUT』が完結いたしました。

 下書きを終えたときに

「ようやくEndマークをつけられた!」

と晴れ晴れした気持ちになり、清書で最後まで書き終えたときも

「よし!」

というような気分になったものですが。

 こうして表に出して『完結済』となると、改めて感慨深い気持ちになりますね。


 これまで何回か書いた気もしますが、私はエンディングを書くために途中を頑張る、という感じです。

 ネタだけの状態でも、スタートとゴールは決まっています。話を考えたとき、あるシーンがふわっと思い浮かぶんです。

 肝となる台詞があり、キャラがそれを口に出す場面。どういう気持ちでその言葉を口にするのか、その辺りもそこで決まります。


 で、その場面に辿り着くためにはどういう流れになるか、と逆算でストーリーを考えるんですね。

 よって、私の一番書きたいシーンというのはだいたい終了間際にあります。


 例えば『旅人シリーズ』で思い描いたのは、天界への扉が開かれ光があふれる中、ソータが

「行くぞ、水那」

と言い、水那に向かって手を差し伸べるシーンでした。


 『ミネルヴァ』ですと、莉子が

「初めて会ったのはいつなの?」

と問いかけるシーンですね。

 本編で辿り着いたときは

「いや、この状況じゃ新川透は口を割らないだろうな」

と思ったので、後日談にもつれ込むことになった訳ですが。


 『収監令嬢』ですと、マユが大観衆の前で演説をするシーン、それと“彼”がマユに正体を告げるシーンです。

 ここまで長かったですね……。旅人シリーズほどじゃないけど。

 旅人シリーズは映像を思い描いてから着地までに80万字ぐらいかかってるけど、収監令嬢は50万字ぐらい……って、どっちも「いい加減にしろ」と言われそうなぐらいは長いか。


 で、この『FLOUT』ではどこかと言いますと。

 リュウライが“彼女”に愛称で呼びかけるシーンです。いろいろ話し合いをしているうちに、ふと降りてきて。

 で、お願いしたんです、森陰様に。ラス前でそういうシーンを作ってほしい、あるいはこちらで作りたい、と。

 制作工程のかなり序盤だったと思うんですよ。少なくともリュウライ編のプロットは完成していないですね。これに向けて作っていったはずだから。

 

 いったいいつだっけなあ……と探してみました。2019年5月17日ですね。

 ……って、早ぁっ! 思っていた以上に早かった!Σ(゜o゜;)


 えーと、『127.「宿題」をもらいました。』の頃の出来事です。

 どういう経緯だったかな。ちょっと振り返ってみましょう。一応あまりネタバレしないようには気を付けつつー。


~共同制作の軌跡~

2019年5月11日~13日

・森陰様からグラハム編のプロットが提示され、事件案やオーラスの事業案などの話し合いが行われる。

2019年5月14日

・森陰様から『B』の過去を考えるという宿題を貰う。

・『B』の名前等について森陰様に質問する。

2019年5月15日

・名前についてはリュウライ編がやりやすいように自由にしてよい、と返事をもらう。

・グラハム編のプロット(この時点では第20日ぐらいまでの大まかな骨組み状態)をExcelで表にし、内容について質問する。

・上記について返事を貰う。その結果『B』についていろいろ案を出す(『B′』とします)。

2019年5月16日

・森陰様から設定改変の了承を貰う。その際に名前の案も頂く。

・上記の案を参考にしつつ、自分で調べた名前を挙げ『愛称』の案を出す。

・森陰様から意見と共に愛称案を頂き、『B』と『B′』について決定する。

2019年5月17日

・『B』の過去とリュウライの過去、および本編のプロットをExcelの表に入れて提示。作成する上で疑問に思った部分を質問する。

・森陰様から質問の答えと共にリュウライ編のプロットに関する質問を貰う。

・上記の返事と共に、愛称で呼びかけるシーンを作りたい、とお願いする。


 うーん、『B』の名前や愛称については早々に相談していますね。

 多分、過去を考えることになり、割とすぐに映像が浮かんでますね、これは。恐らく自分の頭の中では「こういう感じでやりたい!」というのが既にあった。

 だから、「ソレをやってもグラハム編のプロットに影響は無いか」という点を気にしていろいろ聞いていますね。


 しかし結果、『B』と『B´』という設定改変となり、そのとばっちりで森陰様側のあるキャラの名前が変更になりました。

 いや、ま、でも、風貌とか行動とかは、何となくその新しい名前の方っぽいというか……いや、その名前になったせいでそういうキャラになったのかな?


 なお、呼びかける愛称は森陰様が挙げてくださったものをそのまま頂きました。

 外国人の愛称、調べて考えてはみたのですがどうも不自然で。こういうとき、創作物に不慣れだと駄目ですね。


 そっかー、やっぱりこの時期ぐらいから私の脳ミソは回り始めたのかもしれないなあ。(しかし回り始めた途端ワガママいっぱいだ……)

 で、グラハム編プロットもまだ途中だったので、確定する前に「とにかくそのシーンは入れたい」とお願いしたんだと思います。


 これが決まったことで、私が『FLOUT』の中でやりたかったこと、というのがほぼ決まった気がします。

 復活するきっかけになったと『127.「宿題」をもらいました。』で言っていますが、こうして『書きたいシーンが舞い降りる』という経験ができた、というのが大きかったのかもしれないですね。


 『B』はもともと森陰様が作ったキャラで、『B′』は私が考えた彼女の過去。それが合わさったこのキャラは、この共同制作『FLOUT』の象徴みたいだな、といま改めて思いました。


 そうそう、キャラと言えば、大半は森陰様が作ったキャラです。その中でリュウライ編でも自由に使わせてもらっただけ。ラキ局長とかミツルとか。

 私が作ったキャラはというと……そうですね、グラハム編にも登場するキャラ(★)、とリュウライ編にしか出てないキャラ(●)を名前が判明した順に挙げてみましょう。


★リュウライ・リヒティカーズ

 言わずもがな、主人公。

 リュウライという名は仮だったのだけど、気に入ってしまい本決まりに。

 そして合わせられる名字が見つからず、「極端に言いにくい名字のためみんなファーストネームで呼んでいる」という設定にしてしまった……。


★アルフレッド・ワグナー

 『B』の過去を考えるにあたり作ったキャラ。

 『護衛任務』の対象として登場することは確定していたので、経歴などもかなり早くに決まっていた人ですね。


★アロン・デルージョ

 プロットでその存在が示されたのは2019年5月23日……とかなり早いのですが、ずっと名前がありませんでした。

 下書きを書く段になってやっと決まりましたね。今回振り返って初めて気づいたのですが。


●ガティ・マトス

 下書きを書くときに初めて作ったような……。リュウライ一人で護衛って変だし、そもそも警備課任務だよなあ、ということで。

 割と好きだったのですが、後半に登場させる理由もなくそのまま退場……。

 多分、その後任務とかで会ったら

「おーし、メシでも行くか!」

とか強引にリュウライを引きずっていきそう。


●エリック・スペンサー

 これも、下書きを書いているときに作ったキャラですね。リュウライ編のプロットには『列車事故及び関係者を調査』とありますが、こんな事故が起こればまずは地元警察だろう、と思ったような気がする。

 この人も登場はちょっとだけですね。まあ、仕方がない。


●サーニャ・プレズリー

 最初は名無しの備品管理課窓口のお姉さん。備品管理課の設定自体が下書きを書き始めてからできたものなので、本当にただのモブキャラ。

 ……だったんですが、下書きを書き進めるうちに「妙にこのお姉さん目立ってるなあ」と気づきまして、名前付きキャラに昇格しました。

 というか、多分私が気に入ったから登場シーンが増えて目立ったんじゃないかと思うんですけどね。

 リュウライ編を書く中で私の心のオアシスでした(笑)。


●ピート

 『B』の過去を考えた時点で登場は確定していたキャラですね。そもそも冒頭に出てますしね。名前が出てくるのが遅かっただけで。

 彼自身の過去設定および『B』との関係性も考えてはあるのだけど、ひたすら暗いので特に公開予定は無し。


●イアン・エバンズ

 いつ作ったのか、全く記憶にない……。いくら容貌がモブキャラだからって、ストーリーでは結構重要なのにな。台詞も多いし。

 振り返ったところ、2019年6月13日提示のExcelに初登場していました。『A』『B』の動きを考えるにあたりもう一人必要になったからですね。

 結構キモになる人物なんですが……なんですかね、この「いつの間にか居た」感は?


 三年半、この作品について考え、書いてきました。

 これでもうお別れだと思うと、淋しいような。

 いつもなら「じゃあ後日談でも」とか思ったりするのですが、この作品についてはそれは無いかな。

 何となく、書き切った感があります。


 共同制作を提案して下さった森陰五十鈴様。

 そのあとも本当にいろいろとお世話になりました。感謝の気持ちでいっぱいです。どういう風に言い表せばいいかわからないぐらい。

 本当にありがとうございました。


 そして『FLOUT』を読んでくださった方、この『田舎』の創作裏話にまでお付き合いくださった方。

 どうもありがとうございました。

 

 

 

 



 いやー、お話を頂いてから四年余りですよ! 感慨深い!

 そして共同制作についてもいろいろと語れて良かったです。

 「誰かとやってみよう!」と思った人の参考になればいいな、と思います。


 読んでいただきありがとうございます。(^^)/

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