131.「下書き」の間の思い出です。
こんにちは、加瀬優妃です。
『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。
今回の内容は……
「下書き」の間の思い出です。
でございます。
さて、こうして始まった共同制作の下書き。
グラハム編、リュウライ編、それぞれで一本の話にはなっていますが、共通するシーンも当然出てきます。
これらは殆ど、森陰様に先行で書いて頂きました。それを見ながらリュウライ編を書き、実際に書きながら台詞回しなどを誤字報告で訂正する、という感じですね。
私は一人称で物語を書きますが、基本的にその人になりきらないと何を感じどう喋るか全くわからないので、実際に書いてみないとわかんないんですよね。
二か所ほど『リュウライ側で事態が動いた結果グラハム側にもその影響が出る』という部分がありまして、それについては私が先行しました。基本的に、話を動かす側が先行しないと難しいですからね。
とまぁ、確かに共同制作だったんですけども、私にはどうしても無理だった部分があります。自分の意見は一切なし……というより何も出てこない、完全に森陰様にお任せしちゃった部分。
それは……オーパーツの理論部分!
こういうオーパーツを登場させたい、こういうイベントを起こしたい、と思いつきで書いたものに対し、理論的な裏付けはまーったくできませんでした。ただもう、書き散らしただけ。
その現象はどのように起こっているのか、そのオーパーツはどういう仕組みなのか、とかそういった裏付け部分は全部丸投げでした。
だって……だって、物理化学はサッパリなんですもの!
あとはバトルシーンですね。グラハムと共闘するシーンの字コンテは完全に森陰様です。
私はそれを読んでトレースするだけ。グラハム側から見えていないリュウライ側の動きを補完するのみ。
追加で意見なんて出せる状態ではないです。ただただ感謝。
バトルシーンは本当に苦手です。リュウライはオーパーツ無しでも戦うタイプ、という設定な訳ですから単独でもいくつかありまして、もう殺陣動画やらゲーム動画やらをググりまくってどうにか書きました。
この二点から言っても、私だったら絶対に書けない作品になりましたね、これは……。
科学技術とバトル、超ニガテですもん。共同制作ならではです。(じゃあ何が得意なのかと聞かれるとちょっと困りますが)
さて、ここから約二年半かけて、下書きをすることになります。
……が、この先は物語の内容に関わる話になってしまうので、どのように制作していったかをここで書くことができません。
いやー、非常に残念です。ただ本当に、かなりの頻度で意見交換しています。お互いのキャラと話の方向性が掴めた後半、そしてそれぞれが別の作品を連載していた間などは一カ月以上空くこともざらになりましたが、それまではかなりの頻度で意見交換していますね。
両者の下書きが完成したのが2021年12月10日。
その間でやりとりしたターンは414、そしてそのトータル文字数は約44万字!
すごいですねー。
その中で、印象強かった出来事を一つだけ。
作中で言うと、第20日ですね。グラハムとリュウライでサルブレア製鋼に乗り込む場面。
ここも勿論、森陰様が先行でした。2020年7月22日、その部分が投稿されたんですけども。
グラハムとリュウライで協力しつつ、着々と捜査を進めていく。
そして、敵との遭遇。バトル。
……で、何とグラハムが敵に絞め落とされてしまった!
いやはや、これを最初に読んだときは
「えっ、グラハム気絶しちゃったよ!」Σ(゜o゜;)
とビックリしましたね。
「ごめーん、リュウ、後はよろしく!」
とグラハムに言われたかのような……。おいおい。
ここで決まっていたのは、『敵と遭遇、バトル、二人はどうにか逃げ切りO監に戻る』ということだけでした。
つまりその『どうにか逃げ切る』を任されたわけですね。これは重大任務だ……。
勿論、ただの丸投げではなくて、
「リュウライ側で脱出まで考えて頂いてもいいですし、いい案がなければ一緒に考えます」
というコメント付きです。
とはいえ、せっかく頂いた任務ですし、後輩リュウライとしてはちゃんとグラハムを助けて脱出成功したいところです。うん。
下書きを始めてから約1年。この間に、私はカクヨムで40万字強の『ミネルヴァ』を書き、同題異話SR企画に毎月参加し……と、だいぶん書き慣れてきていました。
水面下では『収監令嬢』の下書きをモリモリ書いていた頃です。
自分でもある程度レベルアップしたかも、と思えてきた時期で、この重要な場面を任せても大丈夫と思って頂けたのがとても嬉しかったですね。やりがいも感じました。
その後、考えるにあたり必要なことを聞いたり、こういう流れで逃げようと思います、というのを相談した上でリュウライ編を執筆しました。
下書き中の思い出としては、これが一番印象に残ってるかな。ラストもいろいろあったのですが、さすがにここでは書けない……。
あ、そうそう、森陰様が話を書くときに何らかの曲をイメージすることがある、と仰って、だったらお互いのキャラクターイメージを伝える一環で、何か曲を選んでみよう、という話になりました。2019年の年末ですから、下書きを書き始めて半年ぐらいですか。
私がリュウライのイメージとして伝えたのは
『アーク・ザ・ラッドⅠ・Ⅱ: 戦闘1』
一番大好きなゲームで、これは通常戦闘曲。なので多分一番よく聞いた曲ですね。
大人っぽすぎるけど3年後ぐらいはこうなってるといいな、という前置きをしてお伝えしたのが
『アーク・ザ・ラッドⅠ・Ⅱ:西アルディア』
しかし、いま聞き直してみると、3年後では無理ですね。書いてみるとやっぱり年相応に若かった(というより青かった)ので……10年後かな。30歳になるし。
そして、森陰様がグラハムのイメージとして伝えてくださったのは
『エンド・オブ・エタニティ:Etshia(A)(B)』
ノーマルモードと無敵モードがあるんですね。通常時(A)、調子に乗ったら(B)というお話でした。
いずれにしても、テンポが速くてとてもノリのいい曲です。
曲調もそうですが、このテンポというのも重要ですね。恐らく本人の思考のテンポ、考えているところから行動に移すまでの早さなどともリンクしてくると思います。
頭の回転が速く、あまり迷わない、迷うよりまず動こうとするタイプかな、と思いました。
うーん、私が文章で書くと何だか陳腐ですが、まぁとにかく、どういうキャラかを感覚的に掴むのに非常に役立ちました。
これから誰かと共同制作をしてみよう、と考えている方はぜひ試してみてほしいです。
さて、この二年半の下書き期間、私と森陰様の執筆状況はというと次の通りです。
赤が私、青が森陰様となっています。
オーパーツの方の数字はプロットでの区分なので、実際に投稿している本編の章分けより細かくなっています。
このように、それぞれ自作品をやりつつオーパーツもやりつつ、といった状況でした。矢印は「初投稿」と「最終話投稿」を結んだだけなので、空白区間は当然その話の内容を考えている期間ですね。
とはいえ、私は2021年春から大幅にサボってるんですけども。オーパーツの方の下書き完成が見えてきたのでこちらに集中したんですね。
それに結局、書きたい話というのも見つからなかったので……。
この頃一番書きたい話がこの『オーパーツ』でした。
そういうことです。うんうん。
~共同制作の軌跡~
※上記の表の通りなので、今回は省略。
読んでいただきありがとうございます。(^^)/