130.「下書き」が始まりました。
こんにちは、加瀬優妃です。
『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。
今回の内容は……
「下書き」が始まりました。
でございます。
さて、舞台の完成は2019年7月12日ですが、私は一足早くリュウライ編のエピソード0、すなわち『序章』に当たる部分を投稿していました。
初投稿は、7月9日です。
というのも、リュウライがどういう人間かとか、O監の中でどういう役割を担っているか、またその関係性……距離感とでも言いましょうか、そういうのをあまり森陰様に説明していなかったので、自己紹介を兼ねた序章を投稿することで感じてもらおうとした、ということですね。
何しろグラハム編でもリュウライは出てくるわけで、そちらでも動かしてもらわないといけないので。
いや、文章で事前に説明できれば良かったのですが、私自身がキャラについては明文化しない、というよりできないんですよね。
こう聞かれたら多分こう答える、こういうときはこう動く、みたいなことは言えるんですけど、
「この人はこういう性格でこういう感じの人」
というのを上手く説明できないんですよね。
後は、この序章だけは三人称で書きましたので、
「三人称ってこんな感じでいいんでしょうか?」
という課題提出のような(笑)意味もありました。
現在は短編等で何回か挑戦している三人称ですが、このときはほぼ初めてに近かったので不安だったんですよね。
今見返すと、やはり不慣れ感がハンパないです。当時の私が
「ちゃんと書くのは大変!」
と愚痴ってますが、いやアンタ、ちゃんとは書けてませんよ……とツッコミたくなりました。
まあ、3年も昔ですからね。清書で大幅に書き直しました。それでもちゃんとは書けてはいないでしょうが、3年前よりはマシなはずです。
ちなみにプロット完成後すぐに出したものであまりにも早かったせいか、森陰様にはとても驚かれました。珍しく、顔文字使用で(笑)。
せっかちなので、思いついたらとにかく早く外に出したくなるんですよね。頭に留めていると忘れてしまうので。
とは言っても、森陰様の『序章』もかなり早く、翌日の7月10日に投稿されました。
前に共同制作を始めるときに作って頂いた、規約と共に。
これも、やはり「グラハムはこういう人」というのを私に知らせるためですね。
グラハムはリュウライ編にも登場する訳ですから、私がグラハムを動かさないといけない局面もある。どういう雰囲気を醸し出していてどういう言い回しをする人間なのかを知らなければならない。
細かい台詞回しは誤字報告機能で訂正できますけど、やはり人となりを知らないと上手く動かすことはできませんしね。こういうこと言いそう、こういうことやりそう、といったキャラクター把握をしないといけないんですが、それは実際に舞台でどう動くかを見せた方が手っ取り早いです。
つまり、お互いが書き手で読み手でもある、という状態で下書きは進められました。
それぞれのキャラの台詞とか動きについて、最初の方はお互い訂正をすることが多かったんですけど、終盤は殆ど無かったですね。きっとちゃんと自キャラになっていた、ということなのでしょう。
プロットの作成時は別々の人間が同じレベルで考えないといけないので大変だった、と書きましたが、一方下書きは「大変さ」よりは「快適さ」が上回りました。
というのも、物語の創作はとても孤独な作業です。
自分の書いたものがどれぐらい人に伝わるかは、予想するしかない。不安だからと書きすぎると重いし、書かなさすぎると訳がわからない。
いわゆる情報出しですね。その量とか矛盾がないかとか、そういうのは推測でやるしかないのですが、共同制作なので確実に読んでくれる人がいます。その反応で説明不十分とか矛盾点は指摘してもらえる。
これは、かなり大きいです。
そして実際に書きながら、新たな施設や主人公たちが動く場所の設定が次々とできました。
O監の「備品管理課」とか、バルト署とかはそうですね。
あとは、キャラクター同士の関係性なども必然的に詰めることになりましたね。
私の中で一番印象が強いのは、
「リュウライが双子の家に行くのは何回目か」
という議論ですね。
序盤に、グラハムに引きずられて双子の家に夕飯を食べに行くシーンがあるのですが、ここでのリアクションがリュウライと双子の関係性によって変わるなあということで議論になったんですね。
その際に回数だけでなく人をおもてなしするとはどういうことかとか、双子はリュウライをどのように見ているのかとか、そういうすごく細かい話になりました。
これはですねー、私自身が他人を自分の家に招き入れたことが殆ど無く、また自分も他人の家の食事にお呼ばれした、ということがあまり無いためによくわからなかったんですね。
それに私、料理も全くしないですしね。おもてなしをしたことがない(笑)。
そういう、一見物語とは関係なさそうな私と森陰様の経験の違いが価値観の違いに現れたといいますか、そんな議論でしたね。
話を書くとき、100%空想ということはほぼ無いんだなあ、と。自分の日常や感じたことがテキメンに出ていて、それはあくまで「自分にとっての当たり前」で「他人にとっては違う」というのをすごく感じた出来事でした。
そしてこの議論が実際に物語の重要な設定にも繋がっていくのだから、何がどう転ぶかは分かりませんね。
そんな訳で、下書きを進めつつも、設定面の補完も当然並行してやっています。
この頃にやっていたのは、島の一大企業の歴史と、その企業の事業内容についてですね。それと島内にある施設としてどのようなものが必要か、ということ。
というのも、それが無いとこの島の中でその企業はどのように事業展開しているのかがわからないですし、それらの施設のどれがこの物語のイベント場所として使えるか、というのも見えてこないですしね。
下書きを始めたことで、実際にキャラが舞台『シャルトルト』の中を歩き始めています。そうなって初めて見えてくることがあって、私は書き始めると急にいろいろなことが気になるタイプなので(本当に小姑か、と思うぐらい)
「そう言えば」
と、いろいろな質問を森陰様にぶつけました。
そこからイメージ交換が始まって議論になって、確定させて……というようなことを、下書きをしている間は本当に最後のエンディングを迎えるギリギリまでやっていましたね。
慣れてきた後半は
「勝手にこういう感じで設定してみたんですけどー」
と聞く前に書いてしまったりもしています。
下書きなので、後で訂正はどれだけでもできますし(実際、訂正によって新たに書き直した箇所、というのがお互いいくつかある)、物語の形で書いてみた方が
「なぜそういう設定にしようと思ったのか」
などが伝わりやすいんですよね。
とはいえ……今そのときのやりとりを見返すと、プロット時点で「こうしましょう」と決めたことも覆したりしていますね。
確かに実際に書いてみて修正が必要なところもありましたが、大抵の場合は私の方がめんどくさいことを言い出してますね……。
最初の方で、
「思いついたことがあれば気にせずどんどん書いてみてください。こちらで合わせますから」
と仰ってくださったので、
「えーと、それなら」
と少し肩の力を抜いて書くようになった結果、どんどん調子に乗ってしまった、という感じでしょうか。
きっと森陰様は、私の「大変だった」よりだいぶん「大変だった」のではないかと思います。
共同制作ですが、基本的に私は思い付きをとりあえず書き並べるだけ。その中から森陰様が使えそうなものを拾って……。
…………。
うーん、今見返してみるとかなり拾って頂いているので、私の思い付きの案に相当寄せて考えてくださったのだなあ、と思いますね。
当時はハイテンションにとりあえず書き散らしていたんですけども……。
話が創れないと嘆いていた割に、いざ作り始めたら口出しウザ過ぎ、という感じですね。
じゃあお前がやれ、と言われても仕方がないぐらいだぞ……。
……と、当時のやりとりを見返して反省しました。うぐぐ。
ただ、とーっても、楽しかったです!
~共同制作の軌跡~
・2019年7月9日
加瀬がリュウライ編の『序章』を初投稿。
・2019年7月10日
森陰様がグラハム編の『序章』を初投稿。
・2019年7月16日
森陰様がグラハム編で『リュウライ初登場回』を投稿。
・2019年7月19日
加瀬がリュウライ編で『グラハム初登場回』を投稿。
※ここから「リュウライが双子の家に行くのは何回目か」議論が始まり、双子の住居の設定などを詰める。
・2019年7月26日
森陰様がグラハム編で『リュウライ初登場回』の改訂版を投稿。
・2019年7月29日
上記を受けて、加瀬がリュウライ編の該当シーンを投稿。
読んでいただきありがとうございます。(^^)/