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128.「裏側」を考えました。

 こんにちは、加瀬優妃です。

 『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。

 今回の内容は……

  「裏側」を考えました。

でございます。

 さて、物語内のキャラクターの背景がだいたい決まり、このあとは『グラハム編のプロットが更新される』→『議論』→『リュウライ編のプロットの作成』の繰り返しになりました。

 その都度、「ここはどうなっていますか?」「こういう予定なのでこうしましょう」とお互いの意思を確認し、少しずつ進めていく感じ。

 背景が決まったことでかなり認識の擦り合わせができていたので、補足説明を加える程度で順調に先へと向かっていました。


 そして、2019年6月4日。


「そろそろ、『A』と『B』の動きを考えた方がいいかもしれませんね」


 珍しく、私から物語の展開に関する提案をしました。

 今までは設定部分についてのみだったのですが。


 というのも、プロットが進むにつれ、物語は核心に触れることになります。

 どういう形で物語に登場するかはだいたい決まっていますが、その登場するまでに裏で彼らは何をしていたのか。

 彼らの意図、目的などをしっかりと決めておかないと、行動にブレが出る。

 行動にブレが出ると、主人公二人の前に現れたときの言動にもブレが出る。


 それに、捜査によって『A』と『B』を追いつめるためには、やはり証拠が要る。

 犯人逮捕のためにどのような証拠が必要か? 敵は当然、捕まらないように動いているはずで、その上で主人公二人はどうやって真相に近づくのか。

 味方キャラについてはだいたい共通認識が持てたので、今度は敵キャラの擦り合わせを行う必要があるのではないか。

 そう考えたのです。


 いま当時のやりとりを振り返ってみても、それを言い出した明確な根拠はどこにもありません。

 森陰様のプロットを見て

「そろそろ大詰めだな」

と漠然と感じただけですね、多分。つまり勘。

 大詰め……つまり、風呂敷を畳み始める段階ということ。ここから解決編に向かうことになり、敵を追い詰める証拠、決め手が必要になります。


 森陰様的にはもう少し情報を積む予定だったようなのですが、

「加瀬さまの勘に便乗します」

と言ってくださいました。


 つまりは物語の展開に完全に口出しをしたことに……。今思えばけっこう図々しいような。

 いやでも、これ以上広げると私の力量ではまとめられない……いや、まとめるのは私の役割じゃない? いやいや、ここまで来たらそういう話でもないような。


 ……と、自分がわりと重要な決断をしてしまったことに後で気づき、ドギマギしました。

 ガッツリExcelで表を作りしっかりプロットを作る方ですが、その決め方はというとあまり根拠が無かったりします。

「この辺でこのエピソードを入れた方がいい気がする」

とか、その程度。何で?と聞かれても答えられない。

 逆に「ここのエピソード要らないな。まどろっこしい」とバッサリカットすることもあります。

 これも感覚ですね。漠然と長いと感じたら切る、みたいな。


 リアルでも重要な決断ほど勘で決めるようなところがあって、突然決めて行動するので周りをびっくりさせることが多いです。

 それが創作活動にも出ていますね。しかし共作でそれをやってよかったのかな、と思わないこともない。


 でも、それがここで飛び出したということは、私のリハビリは終わって順調に回復しているということになります。

 だから、いい兆しなのかも。

 だけど、それはあくまで『私にとって』であって、周りは迷惑かもしれないですね。たまに暴走しますし。


 この時点での敵側のキャラ原案はすべて森陰様です。

 なので、これまでのプロットから読み取れた「こういう人物だと思っている」という見解を森陰様にお伝えし、森陰様からその認識で合っているかどうかということと、まだ明文化されていなかった敵側の人物の背景や互いの関係性などを説明していただきました。


 合わせて、解決編への段取りとして、解決に繋がる重要な鍵として「どこで」「何を」拾うか、という話もしました。

 どういうものが考えられて、グラハムとリュウライ、あとO監でどのように分担するか。

 後は、最後の肝となる部分の流れ、根本的な設定の打ち合わせもしましたね。これはネタバレになるのでこれ以上は書けませんが、物理的と言いますかSF的な知識が必要で私にはサッパリ。その原理等について丁寧に説明していただきました。


 ここで私の方でも

「あれ、ここの人員が足りないや」

と気づき新キャラを設定したり、

「何か波動が出てこんな効果になって……」

と超アバウトなアイディアを出したりしていました。

 ふんわりしたアイディアは出るんですが、原理はまーったく説明できないんですよね。何しろ物理化学は本当に弱くて。

 そのあとも、思いつきで書いた不思議系の現象は、すべて森陰様に後付けで理論を構築していただきました。


 ありがたや……。自分には絶対に無理……。SFなんて書けない……。

 ただまあ、そんな私にでも理解できる理論であれば読み手にも伝わるはず! そういう役割は果たせた……はず!


 このあと、森陰様はプロットを作りつつエンディングまでの構想を立てる、私はそれに対して感じたことや疑問に思ったことを聞いて、Excelの年表に反映させる、という形になりました。

 『A』と『B』、敵側は2グループありますので、その関連性とかですね。『A』と『B』がそれぞれどういう意図で最後は動くのか、というところをかなり細かく擦り合わせをしました。

 細かくといっても、場面とかは後回しです。肝心なのは敵側の心情の動きと、それに対するグラハムとリュウライの思考パターン。

 ここさえ決まれば、後は書いているうちに相応しい舞台を思いつけるはずなので。


 だから、言うなれば「事象」ですね。何が起こって、それに対してキャラ達がどう考えて行動に移るのか、といったところ。

 いま見返すと、ここの流れに相当議論を費やしていますね……。議論と言っても案出しは森陰様で、私は整頓係なんですけどね。

 このパターンならこの流れでこのパターンならこの方向で、だとするとこういう感じ?とイメージを伝えたり、『B』側は私が過去を考えたのもあって私担当みたいな感じになったので、その際の心情などをお伝えしたり。


 そしてこれだけ話し合っていてもなお、お互いの意図がズレていることがわかりましたね。まぁ、話し合っていたからズレてることが判明した訳ですけど。

 だけど全く別の、顔を合わせたこともない人間が同じ物語を書く訳ですから、当然と言えば当然ですね。最初にこの話を書くとなった決め手、「事象」についてはきっちりと認識を同じにしなければならないので。

 これはなかなか大変な作業でした。書く前にこんなに詰めるかね、というぐらい詰めてますね。心情面という、目に見えないものに。


 とにかく言葉を尽くして説明し、イメージを修正して考え直し、といったことを繰り返していました。

 まさに共同創作してます。ここのやりとりは相当アツいです。いやー、皆さんにお見せできないのが残念です。

 ……でも、この頃にはそれほどアツいやりとりができるぐらい、私の創作脳は刺激されて復活している、ということなんですよね。

 本当に感謝、感謝です。


 そして2019年6月29日。森陰様のプロットが最後までできあがります。

 物語の枠組みがおおよそ完成し、いよいよ執筆に入るための準備へと移るのです。


 

~共同制作の軌跡~

・2019年5月30日~6月3日

  プロットの中盤の流れを議論する。

・2019年6月4日~6月29日

  敵サイドの状況、およびラストに繋がる流れを議論する。

  以下、月末までさまざまな内容を話し合い、確定次第、森陰様のプロット更新&加瀬の年表更新が行われる。

・2019年6月6日

  森陰様が『お知らせ』の部屋を作る。役割は設定集の内容の更新などを報せるためのもの(内容変更の場合はブクマの更新チェックに上がってこないため)。

・2019年6月29日

  議論の結果、確定事項を反映させて森陰様がプロットを完成させる。


 読んでいただきありがとうございます。(^^)/

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