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127.「宿題」をもらいました。

 こんにちは、加瀬優妃です。

 『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。

 今回の内容は……

  「宿題」をもらいました。

でございます。

 さて、

「こっちは気にせずグラハム本編のプロットをよろしくぅ!」

と森陰様に完全にぶん投げた結果。

 5月14日、森陰様からこんなコメントが来ました。

 

「承知しました。とりあえずこちらのプロット作成ですね。とにかく骨格を作り上げ、それから肉付けしていきましょう。しばらくお待ちを。……その間に、加瀬さまは『B』の過去でも考えてみますか?」


 おお、宿題です! 宿題をもらいました。

 今回の物語は

『二人の主人公がそれぞれ事件に遭遇し、それぞれの方法で捜査をしつつ協力して解決に導く』

というものでしたから、敵サイドは『A』と『B』の二つがありました。

 そしてグラハム側は主に『A』を追うプロットになっていたので、自然とリュウライ側は『B』寄りになったんですね。


 『B』のキャラ原案はもちろん森陰様で、本編でどういう動きをするかは決まっていましたが、その行動をすることになる背景は全く決まってなかったんですね。

 グラハムは『A』を追っているので『B』についてはそこまで深く掘り下げる流れにはなっていない。『B』については、この人物が本編でやった『事柄』が重要なのであって、『過去』はあまり関係がなかったので。


 しかしグラハム編の裏側を描くリュウライ編は、グラハムとは全く違う捜査方法で証拠を得るという流れ。ということは、必然的に『B』に関わる流れになるはずですから、その背景も必要。

 書くのは私ですから、その背景も私が考えた方が話も作りやすくなるのでは、ということですね。


 そして私は、

「着地が決まっていれば逆算してネタを考えることができる」

と森陰様に言いました。

 『B』が本編でどういう役回りになるかはもう決まっているのですから、過去は考えられることになりますね。逆算ですから。


 確かにこれなら私にもできそうだし、むしろ私がやらないといけないことだ。

 そう考え、よし!……と急に前向きな気持ちになりました。

 これがきっかけで、ようやくこの共作の創作にきちんと乗り出した、と言えるかと思います。


 さて、私は物語を作るとき、Excelで表をつくります。縦軸は時間経過で、横軸は「主人公」「相手」「その他」など、行動を書く欄になっているのです。

 物語は主人公の一人称ですが、その頃に他の人達がどういう動きをしているのかわからないと主人公の目の前に現れた時の心境や状況がわからないですからね。『漆黒の昔方』と『トイレのミネルヴァは何も知らない』の1時間目・2時間目はExcelの表なしで作りましたが。


 ……あれ? 無い方が物語に勢いがあるような。

 いやいやでもでも、今回は作らないと無理ですよ。情報量が多くて頭に入りきらないですし。

 そうそう、それに設定は共有しないといけないんですから目に見える形にしないとね!

 という訳で、こういう感じのものです。


挿絵(By みてみん)


 まだできているプロットはグラハム編のみなので、他の欄は空欄です。

 思えばこれを人に見せるのは初めてだったのですが、たいそう驚かれました。


 上に空白の欄があるのは、これから過去(物語開始前)を作るからですね。書き込みながら行を増やしていくんです。

 さて、この表を前に書き込みをしようとして……いくつか『B』に関する疑問点が出てきます。 

 そしてその疑問事項を整理するうちに「こういう設定はどうだろう?」と思いつくことも出てきて、気が付けば私はちゃんと『創作』を始めていました。


 しかしその私の思い付きが本編にも影響を及ぼす事態になり、そのせいであるキャラの名前が変わる羽目になったりもしました。

 いかに普段思いつきで書いてるか、ですよね……。

 そしてプロットを作ってもその通りに書いたこと、殆ど無いですし。(つまり本書きの時点でまた新たな思いつきが発生して変更しているから)


 ただ、私はめちゃめちゃ張り切りました。

 宿題を出されて3日後、17日には『B』の背景とリュウライ編の動きが出来ていました。

 こんな感じ。(文字はつぶしておいたので拡大しても読めないハズ……)


 挿絵(By みてみん)

 

 なお、この頃は森陰様のプロットも進んでいて、第5章までできてますね。

 そしてこの年表を作りながら疑問に感じたことを森陰様に質問、森陰様からその返事と共にリュウライ編に関する質問……となり、掲示板でのやりとりはにわかに活気づいてきました。


 「主人公二人はいつO監に入ったのか」という話からオーパーツ監理局自体(養成機関等)の設定を考えたり。

 双子の研究者の動きを年表に反映させたことから、オーパーツに関する設定が付け加わったり。

 おおよそのエンディングから「こういうシーンを作りたい」みたいな話になったり。

 プロットはまだ第5章でしたが、結末だけは聞いてそこから逆算してリュウライや『B』の設定を付け加えたり。


 ……と、17日からの一週間で本編に関わる重要な設定がかなり急ピッチで作られていきましたね。

 時系列で整理してみると無理がある部分がわかったり、オーパーツ監理局について私の認識がちょっとズレていたことが判明したり、と。

 というより、久しぶりに創作脳が刺激されたものですから、私が誤作動を起こして大暴走したんですよね。


 ここでもう一度、組織の規模や世界観などの擦り合わせをしつつ、キャラクターの背景も決まっていきました。

 『B』の過去を考えるだけのはずが、『B』の過去から主役二人の経歴、O監の在り方、O研の誕生、加えてラキ局長のこと、双子のこと……と、結局登場人物全部に関わる背景に繋がっていったので。


 私が考えたものに対し森陰様から意見をもらい、「こういうのはどうでしょう」と案を出して頂いたりもしました。

 ですので、当初はいろいろと意見を交換しつつ、『森陰様が話の主軸や設定をすべて考える』→『加瀬が質問しつつ細部の認識の誤差を埋め、裏側を考える』というスタイルのみだったのですが、逆に加瀬側が提案して決まっていく部分も出てきました。


 ここにきて、ようやく共作らしくなったかな、と。

 共作――つまり、本当の意味で共に作る、という形になった気がしますね。

 ひとえに、私の脳ミソと心が凝り固まっていたせいなんですけどね。

 長いリハビリ期間でした……。



 本人の能力を見てやれる仕事を割り当てる。

 うーん、きっと森陰様は仕事の上司としても優秀に違いない。


 ……と感心しつつ、ようやく私も物語自体に本格的に関わることになりました。

 この頃、私はカクヨムで『ミネルヴァ』の2時間目を連載していました。GWに思いつきで書いたミネルヴァですが、その後2時間目もふっと降りてきたのでまとめてカクヨムに持っていったんですね。

 だから創作活動は再開していたことになりますが、本文でも書いたようにどちらもプロットはありません。


 ですから、こうしてちゃんと考えてプロットを組むのは『旅人シリーズ』以来になります。

 そして『ミネルヴァ』はその後Excel年表を使ってしっかりとプロットを組み、3時間目・4時間目を書いて本編完結、となりますので、やっぱりこの『Bの過去を考える』という宿題が私が本当に復活するきっかけになったんじゃないかな、と思います。


 そんな訳で、森陰様は私にとっては復活の女神なのです。そうなのです。

 大変感謝いたしております。m(_ _)m


 ……でも多分、「そんなつもりはなかったんですが」と言われそう(笑)。最初に声をかけたのも「単なる思いつき」と仰っておられたので。

 でも、人が人を救う時というのはそうじゃないですかね。「何とかして()()()()」とか思う暇もなく、無自覚についやってしまったことが結果的に救いになる、こっちの方がきっと本物。


~共同制作の軌跡~

・2019年5月14日~16日

  森陰様から「『B』の背景を考える」という宿題が出される。

  それにあたり、『A』『B』の本編での設定を詰める。

・2019年5月17日~24日

  加瀬がExcelで『年表』の大枠を作成。

  ラキ局長の経歴、オーパーツ監理局など諸々についての議論が始まる。

・2019年5月25日

  オーパーツ監理局および教育機関に関する設定がほぼ決定する。

  『B』の過去、リュウライの経歴が確定する。


 読んでいただきありがとうございます。(^^)/

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