126.「舞台」が作られ始めました。
こんにちは、加瀬優妃です。
『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。
今回の内容は……
「舞台」が作られ始めました。
でございます。
2019年5月7日、私が割烹を再開した日なのですが、こちらの方もいよいよ物語の『舞台』を詰めていくことになります。
オーパーツが発掘される『遺跡』の設定ですね。これぐらいの規模のこういうイメージ、というものが実在の建築物を例に提示されまして
「おおお!」
とテンションが上がりました。GoogleEarthって便利だな。
何しろ文字だけで舞台装置とその雰囲気を説明するのは大変です。
この後も、絵を描いたり自分のイメージに近い画像のURLを貼り付けたり、とあるゲーム画面を例に出したりしてお互いの脳内イメージを擦り合わせていくことになります。
やはりここでも、ゲームという共通の趣味にだいぶん助けられた感がありますね。ゲーマーって、ゲーム画面を見るとプレイしなくても何となくどういう雰囲気のゲームかはわかるんですよ。
それと、その世界の文明レベルですね。これも部屋の様子やキャラクターの服装などから何となく……説明は難しいのですが、舞台の想像がつく。
今回は事件を捜査するというお話ですので、そこで使える手段はどれぐらいのものなのか、という擦り合わせをするために文明レベルは重要だったんですね。
あとは、肝がオーパーツですので、普通はこういうことはできないけどオーパーツならこういうことができる、という明確な線引きが必要でした。
そのためにこの世界の科学技術レベルがどれぐらいか、というのはかなり重要な要素でした。
結果、「FF7ぐらい」「FF7が発売された1997年頃」とわりとサクッと決まりました。
そして2019年5月11日、ついに。
森陰様の方から、物語のプロットが提示されました!
この時点では前半部分(第4章まで)だったかな。
さて、ここからは私の重要な仕事、リアクションです。
すでに出ていた登場人物案・事件案を読み返し、関係図を書いて(視覚化しないと頭の中が整理できないタイプなので)、グラハム編のプロットについていろいろと質問。
また、わかったこと、多分こうだろうと推測した内容から、リュウライ側の動きの案を3つほど出しました。
1つに絞らなかったのは、「こういうことをしたい」という具体的な物が何も無かったのもありますが、今回の物語は「それぞれが捜査をしつつ一つの事件の解決へ向かう」という形ですので、両者が交わるところでどういう情報をやりとりするべきか、というのが肝だったからですね。
私はポイントを決めて逆算で考える方なので、「この時点でこういうことが必要です」という着地が決まれば、そこに向かうために何が必要で、それにはどういうイベントがあればいいか、と考えることができる。
ですので、その辺の意図を確認しつつ、ここでは物語の設定に関する質問もいっぱいしました。
グラハムが訪れる研究所とはどういうころか、世間ではどう認知されているか。敵はどういう立場なのか、公にはどう見られているのか、など。
例によって「事象」の擦り合わせですね。ここはきっちり合わせておかないと話が成立しません。
例えるなら……そう、電話お料理教室!
「おでんを作りましょう」
となって、森陰様が『カツオ出汁・ダイコン・ちくわ・はんぺん・こんにゃく』を用意しているのに、私が勝手に味噌おでんだと思って『味噌・ダイコン・豆腐・はんぺん・こんにゃく』をテーブルの上に広げていたら、全然違うものができてしまいますし話も噛み合わなくなります。
「ここで味噌を入れればいいですかね?」
「えっ、味噌!? 何でおでんにそんなものが!?」
……みたいなことになりますよね。
材料を用意するところからやり直しとなり、二度手間三度手間になってしまう。
共作というのは、少なくともテーブルの上に広げるメインの材料は全く同じでなければならない、と思います。
だから私がやることはというと、森陰様が用意した『カツオ出汁・ダイコン・ちくわ・はんぺん・こんにゃく』をちゃんと自分のテーブルの上に広げ、
「つみれも入れていいですかね?」
と聞いたり、
「こんにゃくは黒ですか、白ですか?」
と確認したり、といったことですね。
当初森陰様は『加瀬側がリュウライ編でやりたいこと』というのも汲み上げてプロットを書いてくださる予定だったようです。
だけど私が案らしい案を出さないものだから、プロットもあえて曖昧な部分を残し、私の案を差し込めるようにしてあったんですね。
しかし……私はというと、案というほどの案は相変わらず無い。出さない、というより出せない。
やりたいこと、というのがそもそも無いんですよね。やっぱり私にできることはリアクションぐらい。
それに、むしろグラハム編の裏で
「グラハムがそんな感じということは、じゃあリュウライはこんな感じかな」
と考えることに喜びを感じていました。
やりたいことが無い、と書くとまるでやる気がないように見えますが、そうではありません。
「こういうイベントを起こしたい」
「こういう話を書きたい」
と案を出すことがそもそもできない、というところから持ち上がった共作です。
絶不調から抜け出し、やる気はとても出てきたのですが、自らネタ出しをすることが非常に不得手なだけなんです(それが致命的とも言うが)。
ですのでそのやる気を、森陰様がやりたいことを汲み取り、理解してより明確な形にする、という方向に全部持っていった、ということですね。
そのことに、非常に楽しみを見出していた、と。
ですので、そのことを正直に伝え、
「こちら側が後付けの逆算で考えたいので、まずは本編のエンディングまでの流れが知りたいです」
と素直にこちらの要求をぶつけました。
いや、客観的に見るとひどいですよね……ストーリーの流れを全部考えてくれ、と言っている訳ですからね。
しかし、無い袖は振れないのであった。(ちょっと開き直った)
今その頃のやりとりを見返してみると、本当にぶん投げなんですよね。
出して頂いたものに対して思ったことや感じたことを自由に書き、疑問に思ったことは残さず聞く。書きたいことを書くだけ書いてとっ散らかっている。
その一つ一つに対応するの、森陰様も大変だったんじゃないかと思います。前も書きましたが、一人で作るのならば「書きながら決めていくかー」としてしまってもいいはずの部分を、共作のために事前にちゃんと決めておかなければならない、という。
そして私はというと、「これがいい」「あれがいい」と断言できるほどの創作の勘はまだ戻っていなかったので、とにかくいっぱい並べて好きな部分を拾ってもらう、という手段を取っていました。
読むのも大変だっただろうし、その取捨選択もめんどうだっただろうなあ……。
何しろ文章がつたないものですから、とにかく自分のイメージを伝えるために物凄く文字数を費やしていたので。端的に説明できない(笑)。
~共同制作の軌跡~
・2019年5月7日
森陰様が『オーパーツ』の部屋を作る。
ターゲットの『A』をグラハムが追い、リュウライ側では『B』を追うことで最終的な結末へ、という方向性に決まる。
・2019年5月11日
森陰様から『A』の設定案が出る。
議論の場である掲示板と別に、確定事項を載せるための『設定資料』を森陰様が作り、なろうにアップする(当然ながら検索除外)。
森陰様が『プロット Side グラハム』の部屋を作り、プロットを載せる(第4章まで)。
・2019年5月12日・13日
プロットに出てきた事柄について確認したり、意見を出し合ったりし、認識を擦り合わせる。
おおよそリュウライ像も伝えられたということで、ストーリの骨組みをすべてお任せする。(オイオイ……)
読んでいただきありがとうございます。(^^)/