123.「会議」が始まりました。
こんにちは、加瀬優妃です。
『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。
今回の内容は……
「会議」が始まりました。
でございます。
さて、2019年3月11日。
私が初めて秘密基地に訪れ、とりあえず自分の部屋を作り、主役『リュウライ』の初期設定を簡単に投げておいたあと。
ほどなく森陰様も訪れ、『オーパーツ』と主役『グラハム』が実際に使うアイテム案が投げられていました。
なるほど、道具を駆使する主人公ってこういう感じね、と思いながら……その設定の細かさに驚いたり。
未知の道具ですけど、科学的な裏付けと言いますか、その道具の仕組みもしっかりしてるんですよね。
理科系サッパリな私には、案出しなどとてもできず
「へぇー」
と言うことぐらいしかできないのですが。
全くもって役立たず……。
いやしかし、分からない人間にも分かるようになっているというところが重要。そうであれば、読者も分かるはず! そういうジャッジ的な利点はあるはず!
……と、自分に言い聞かせています。(これは現在進行形……)
そしてその二日後、3月13日の朝には登場人物案の項目が。
「は、早い……」
と思いつつ、それらを確認。
ここで主役二人が政府機関の捜査官的なもの、というところは決まり、
「同期か後輩の立場が望ましい」
とありましたので、私は迷うことなく『後輩』を選びました。
というのも、この共同制作自体が「森陰様から与えられたものに返していく」というスタイルになっているので、作中のキャラも「自ら動くより与えられたものをこなしていく」というスタンスの方がリンクしていて書きやすい、と思ったからですね。
話を動かすのはあくまで森陰様側、私の方はそれを受けてどう動かすか、という形になりますから、能動的にあちこち動くキャラにはなりそうもないな、と思いました。
ですのでここも、森陰様側の主人公『グラハム』の性格と立場から、私の主人公『リュウライ』の方の性格も決まったかな、と思います。
で、本当に驚いたのがその日の夜。
すでに『作中の事件案』が出てきた……それも、複数!
「事象」4つに対し、「テイスト」が2つずつ、結果として8つ。
この時点で捜査官である主役二人の他、技術者の双子の登場も確定していましたので、森陰様のやりたい方向というのはもう形になってたんでしょうね。
これを選ぶとこういう方向、こっちならこういう方向、と物語の雰囲気を説明する内容も書いてありました。本当に丁寧です。
し、しかし早いな! 物語のネタが次々と思い浮かぶ人のペースというのはこんなに早いのか、と改めて驚きました。
そりゃ、ちょいちょいプロットなどでアウトプットしておかないと駄目ですよね……。いやはや納得。
この問いかけに対し、「これがいいんじゃないか」と思うものをいくつか選出しました。その根拠となったのは「設定のコンパクト」さ。
結果として、森陰様の希望順位とほぼ同じでしたね。
で、私は返事をするとき、必ずその根拠を書くようにしています。
これは、森陰様のプレゼンに対してどういうことを感じたか伝えないと、誤解の元になるからです。
文章でしか議論できない訳ですから、伝えることに手を抜いてはいけない。表情などから読み取ることはできないんですから。
根拠をきちんと書いておけば
「その部分の認識が違う」
などもすぐに見つかり、
「あ、じゃあそう意味なら私の意見はこうですね」
と修正して、お互いの認識の誤差を埋めることができるからです。
あとは、これまでのやりとりで
「感じたことや思いついたことはとりあえず何でも言ってみよう。取るところは取って、そして捨てるところはちゃんと捨ててくださる」
と森陰様を信頼していました。
ここ、ポイントは『捨てる』の方です。私に気を使って何かを譲るようなことは絶対にされない、と思いました。
真剣に共同制作をするとき、遠慮はご法度です。そこで変な尻込みをすると、絶対に歪みが生まれます。
それに、せっかく創作段階から関わらせていただいているのに
「そうですね、いいんじゃないですか」
ばっかりだと何のための共同制作か分からないじゃないですか。
ここでは「書き手」→「読み手」という一方向の関係性ではない。リサイクル創作というのは「読み手」であり「書き手」でもあります。だから受け止めたらちゃんと返さないと。
さて、話は戻って、その『根拠』なんですが。
最初から大きい世界を想定してしまうと、『本文中に出さないかもしれないけど決めておかないといけない設定』みたいなものが膨大になり大変そうだな、と。
最初は小さい世界にしておいて、徐々に広げる方がわかりやすい。
これは『旅人シリーズ』を書いた時の経験からで、そもそもは『テスラ』『ウルスラ』というそれぞれの国の事情しか考えてはいなかった(同じ世界にあるよー、程度)。
その後3作目を書くにあたり過去の出来事を決める必要があったことから、ようやく『異世界パラリュス』に設定を広げたんですよね。これ、最初から世界観をきっちり設定していたら、まとまらなくなって投げていたと思います。
大きい物から削って抽出するよりも、小さいものを繋げて大きくしていく方が私にとっては考えやすかったので、そのようにコメントしました。
設定の余白とでも言いましょうか。大枠を決めると制限がかかるというか、考えづらくなる気がしたんですね。
そもそも、『121.「ネタ提案」が訪れました。』で、「恋愛・ヒューマンドラマ」ではなくこちらを選んだのも、「一つの都市の話」というコンパクトな感じが書きやすいと思った、というのもあるんですね。「恋愛・ヒューマンドラマ」の方はあちこちで出会う、ということだったので複数の地域の設定、およびそれらの関係性(敵対しているとか同盟があるとか)を考える必要があったでしょうから。
いや、これね。実際に、コンパクトにして大正解だったと思います。
このあと話が進んでいくうちに、本当に細かいことも議論することになりますから。
例えば……
「リュウライが双子の家に行くのは何回目ぐらいか」
とかです。
要するに、主人公同士だけじゃなくて、他の登場人物との関係性についてもちゃんと認識を合わせておかないと、会話のやりとりとかのニュアンスが変わるんですよね。
こまかい議論はこの後もちょいちょいあったような気がしますね……。
キャラ同士の人間関係は、本当に重要。異なる作者が同じキャラを手掛ける以上、共通認識を持たないと駄目なんでね。
これは下書き序盤まで続いた気がしますね……。
~共同制作の軌跡~
・2019年3月13日
森陰様が『登場人物案』の部屋を作る。
森陰様が『事件案』の部屋を作る。
読んでいただきありがとうございます。(^^)/