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122.「秘密基地」ができました。

 こんにちは、加瀬優妃です。

 『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。

 今回の内容は……

  「秘密基地」ができました。

でございます。

 さて、ネタが決まってからの森陰様の動きは凄かったです。


『可及的すみやかに規約とかも作っておきます。』


というコメントの翌日、3月10日には『規約』が送られてきました。

 いや、『規約』とか、思いもよらなかったですね。

 「お互いのアイディアや作品の取り扱い」「リサイクル作品」「コンテスト関係」の3つですね。

 後で揉めないようにきちんとした合意を、という配慮の行き届いた素晴らしいもので、

「うひゃー!」

と思いました。


 そもそも私自身が「リサイクル創作」という認識でしたし、原作者は森陰様な訳ですから、森陰様の指針に全面的に従うつもりだったんですけども。

 なのにこんな……素晴らしすぎる。


 そして、お互いの擦り合わせの方法。

 なろうのメッセージは「受信ボックス」と「送信ボックス」が分かれているため、どういう問いに対してどういう返事が返って来たか、という、擦り合わせに必要不可欠な作業がかなりやりづらい。

 実際、私はゲームブックを作る際、梅雨空様に対する質問とその回答を自分でwordにコピペして保管していました。埋没してしまうし、やりとりが見づらかったんですよね。


 そこで、もともと自分のHPを作ったりしておられた森陰様が、なろうの外でそういうお互いのやり取りが見られる場所を作るのはどうか、と提案してくださった訳です。

 

 この外部の場所を使う利点は


・トピックごとにフォルダを分けられる

・なろうの活動報告と同じで、記事の下欄にコメントが積みあがっていく形式


ということ。

 このフォルダはそれぞれが作ることができるので、例えば

「世界観設定」「森陰様側の登場人物」「加瀬側の登場人物」

というように分けることができ、提示されたそれらに対する議論などをその下で展開できる、ということなんですね。


「是非それでお願いします!」

とお返事したところ、3月11日には

「できました」

という連絡と共に、使い方を説明していただきました。

 そのときの心象風景を物語風に再構築しますと、次のようになります。


   * * *


「えーと……ここ、かな?」


 手元の紙を何度も確認しながら辺りを窺い、カセユキが恐る恐る足を踏み入れる。

 大通りから外れ、やがて辺りは樹木だらけに。人一人がやっと通れそうな土の道を地図を頼りに進んでいくと、パッと開けた場所に出た。

 背後と左右、背の高い濃い緑の針葉樹林に囲まれた、五十坪ぐらいの原っぱ。

 その中央に、三角の赤茶色の屋根が映えるベージュの壁の、メルヘンチックなこぢんまりとした家。原っぱの中央にポツンとある。


『例の場所、用意しました』


 そんな連絡が森陰様からカセユキの元に届いたのはついさっきのこと。

 同封されていた地図と手の平サイズの鉄の鍵を手にしたカセユキは、居ても立ってもいられずすぐさま自宅を飛び出した。


 二人以外は誰も訪れることがない家。

 まるで子供の頃に憧れた秘密基地のようだ、とワクワクしながら、カセユキは鍵穴に鍵を差し込んだ。

 カチャリと小さな音が聞こえて、扉が開く。


「うっわー……」


 ぐるりと見回し、声が漏れる。

 できたばかりのその家は、どこもかしこもピカピカで、何の匂いもしない。まだ何の道具も備え付けられてはいないし、何も飾られてはいない。


 手紙には、この家の使い方や増築の仕方と共に

『まずは自由に使ってみてください。私も随時部屋を整えていきますから』

と書いてある。


「よし、まず自分の部屋を作ろう!」


 これからこの家にはどんどん物が運び込まれてどんどん増築され、それぞれの好みが反映された素敵な家になるのだ。

 いや、そういう風に仕上げていくのだ!


 そう意気込んだカセユキは、持ってきた荷物を下ろすと鼻歌を歌いながら自分の部屋作りに没頭するのだった。


   * * *


 いや、ワクワクが止まらなかったですね。

 ネタがB案で決まったときもワクワクしていましたが、それ以上でした。

 そして、この時点で既にお互いの主人公の特徴は決まってました。二人とも男性で、『未知の道具を駆使して戦うタイプ』と『己の肉体と技で戦うタイプ』。

 で、私の方が『肉体派』でした。何となく、格闘ゲームで誰を操作するかを選ぶ気分になりましたね。(格闘ゲームはやったことないけど)


 肉体派と言っても、筋肉ムキムキのマッチョは嫌だ。強いように見えないのに強い、というタイプがいいな。

 ……となると、モンク系じゃなくてむしろ拳法使いかな。だけど、ここぞというときに出す武器がある方がカッコいいかも。第二形態的な。

 ……そうだ、棒術だ!


 という感じで、刺激を受けたことですでに頭は回り始めていまして、ゴゴゴッと主人公像を妄想していました。

 まだ世界観は決まってなかったので文明レベルは分からないけれど、棒なら太古の昔から今に至るまでどこにでもある。

 どんな話が来てもそれに合わせて使えるな、と咄嗟に思ったんですね。


 調べてみると、「棒術」は厳密には「棒術:6尺(180cm)」「杖術:4尺(120cm)」「半棒術:3尺(90cm)」と長さで分かれるのですが、これで言うと私がイメージしたのは「杖術」でしたね。身長よりは低いけれどちょっと長めの棒を扱う主人公。


 そう、棒術の何たるかも全然知らないまま――動画さえ見ないまま、直感で決めました。

 いや、こういう時って降りてきたものを大事にした方がいいんですよ、きっと。知らないことは調べればいいんだし。

 戦闘描写は苦手だけれど、今はゲームなどのプレイ動画を見ることもできる。

 どうにかなりそうな気がしました(根拠のない自信)。

 何しろ、自分がそのキャラを気に入るかどうかということが非常に重要なんです、私の場合。


 一般的にはどうか分からないのですが、私はキャラの性格を掴んでからストーリーの中身を作ります。

 順番で言うと

 「物語の始まりと終わりを決める」→「キャラの性格を掴む」→「通過ポイントを決める」→「必要な人員やイベントを考えて物語の間を埋める」

という感じです。

 キャラの性格を掴むためにキャッチフレーズをつけたりするぐらいですから、完全にキャラ重視です。

 そうしないと、キャラが性格にそぐわない言動をしそう。ストーリーに都合のいいキャラになってしまいそうです。


 この時点では、具体的なストーリーは何も出てきていません。

『二人の主人公がいて、それぞれ事件に遭遇して最終的には一つの結末に向かう』

という、ただそれだけ。

 ですが今回のような話の場合、主人公が何を武器に闘うかというのは、物語の間を埋めるためには重要だと思いました。

 森陰様の本編があり、恐らく私の方はその裏でどういう事件に遭遇し、どういう行動をしていたのか、その辺を書くことになる。

 森陰様側の主人公との合流点はちょこちょこあるはずですが、別行動部分は私がちゃんと話を考えないといけない訳です。

 すると、武器が何なのかで主人公を活躍させる場面というのは絶対に変わってきます。

 例えば、素手で闘う主人公と弓矢で闘う主人公、カッコイイ見せ場って全然違うと思いませんか?


 ですので性格まではまだ決めていませんでしたが特徴ぐらいは決めておかないと、いざというとき始められないな、と。

 武術には詳しくないですし戦闘シーンを書くのも苦手ですから、調べたり動画を見たりしてイメージだけはちゃんと作っておかないといけないな、と思ったのです。


 そして「こっち側の主人公は棒術でいきたい」とお伝えし、森陰様からも「それでやりましょう」というOKの返事を頂き。

 さらに「棒術だとゲームやアニメでこんなキャラがいましたよ」とアドバイスしていただき、森陰様側の主人公の性格・雰囲気などもお聞きしました。


 そして

「それではお互い自作の方を頑張りましょう」

と激励しあい、とりあえずこの場はそのまま手を振って別れたのでした。



 このときお互い「ではでは」と自宅に帰ったのは、それぞれが自作品を抱えていたからですね。

 私の方はゲームブックの完成を目指していて、「GWまでには作るので、GW明けからなら大丈夫」というようなことをお伝えした気がします。

 それまでに動画を見たりして自分の主人公のキャラを掴んでおきます、と。確かそんな話でしたね。


~共同制作の軌跡~

・2019年3月10日

  森陰様から規約が届く。

・2019年3月11日

  森陰様が秘密基地を用意する。

  カセユキが『カセユキ』の部屋を作る。

  森陰様が『アイテム案』の部屋を作る。


 読んでいただきありがとうございます。(^^)/

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