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113.「乙女ゲー」について考えてみました。

 こんにちは、加瀬優妃です。

 『田舎の民宿「加瀬優妃亭」』にお越し下さり、ありがとうございます。

 今回の内容は……

  「乙女ゲー」について考えてみました。

でございます。

 いわゆるナーロッパの貴族令嬢モノは無理!

 でも乙女ゲーならできるかも!


 そう考えた私、急に目の前が開けたように明るくなりました。

 ゲームへの情熱なのか創作への情熱なのかはわかりませんが、それはさておき。

 まず『乙女ゲー』でググってあらすじをざーっと読み、気になったいくつかを拾い読みしました。


 ……が、どうも『そもそもはどういうゲームなのか』という部分が分からないことが多い。

 あと、ゲームなら攻略対象は複数いるはずだと思うのですが、大概はお目当てキャラ一択なんですよね。ここもよくわからん。

 当然、物語は一つの展開を書いていますから、複数の攻略対象からそのキャラをチョイスした場合を書いてるんだろうな、とは思うんですけど……。


 それと、同性とのイベントですね。ここにも疑問点あり。

 どのルートを選んでも破滅する悪役令嬢、というのがすごく多いんですけど何故だろう?


 ファンタジーRPGのラスボスレベルで負けが決まってるんですね。ADV・SLGというのはプレイヤーの選択によって話が分岐するところが面白いのに、どんなストーリーでどういうキャラ設定にするとそういうことになるんでしょうか?

 ヒロインの恋のライバル、ということだったら攻略対象によってライバルの令嬢も変わるはずです。王子様を狙おうが伯爵子息を狙おうが同じ悪役令嬢が立ちはだかるのは変。


 合わせて友情系のイベントもですね。ヒロイン、悪役令嬢以外の女性キャラはいないのかな?

 異性を攻略するのにその当の異性に直撃するしかない、というのはゲームとしてはおかしいです。

 だからヒロインがビッチになるんじゃなかろうか。


 乙女ゲーはやったことないんですが、男性主人公がいろいろな女の子と知り合って最後に一人に決めて告白する、というゲームはやったことがあるんですね。現代ものですけど。

 そのとき、邪魔になる男性というのは攻略対象によって複数いました。あとは、友人とのWデートイベントとか。

 逆に友人がライバルとなりうる場合は、その友人に「○○の方がいいと思うよ」と別の女の子を勧めて邪魔されないようにしたり……。(いわゆる同時攻略不可、というやつですね)


 こんな感じで、攻略系のゲームというのは複数の人間の感情値の大小とそのルートに入るためのイベントを起こしているかどうかで決まるもの、という認識です。

 私はゲームブックでこれに挑戦しているんですが……何といいますか、団体芸なんですよね。目当ての人をただ追いかければいいというものではなく、他の候補の好感度を下げたり、他の候補のイベントからの派生で難易度の高いキャラの攻略ルートに入る、とか条件がいろいろあるんです。

 そして難易度が高いキャラほど、そこへ辿り着く条件が厳しいのです。


 だけど創作物ではこれも皆無だったような……。とにかくピンとこなかったですね。

 私が読んだ作品の主人公はヒロインじゃなく脇役だったため、ゲーム世界の全容が見えない、というのもありますかね。


それで、

「結局乙女ゲーって何なん?」

と思い実際の乙女ゲーをググってみると、令嬢物は少数でむしろ戦国物などの和物が多いんですよ。

 もう、すんごくビックリしました。

 えーっ、何でWebでは貴族令嬢モノで溢れてんの? それ一択と言ってもいいぐらいだぞ?


 よく分からなくなったので、web小説に詳しい方に聞いてみることにしました。

 前もちょろっと、悪役令嬢とかざまぁ、婚約破棄について別の方にお聞きしたことがあるんですけどね。もうちょっと詳しく聞きたくなって。


 少女漫画・女性漫画だと、令嬢系の恋愛マンガって全然ないんです。

 現在の女子高生や社会人が主人公である場合が殆どで、あるとしたら大抵はweb小説を漫画化したもの。

 勿論、商業誌でもヨーロッパ風世界観のファンタジーでは姫や令嬢が出てくることはあります。

 が、複数の国が絡んだり国と民が絡んだりと舞台は広く、『王宮のみ』『貴族令嬢の社交界のみ』というこの非常に狭い範囲内の話を見たことが無いんですね。


 要するに、貴族令嬢系、そして乙女ゲー系っていうのは、web小説内でしか流行ってないんですよ。

 何しろ私はなろう世界にくるまで、貴族令嬢というジャンルがあることすら知りませんでしたから。だから「悪役令嬢って何?」「婚約破棄ってどーゆーこと?」とイチから聞いたぐらいで。(ちなみに上記の『ビッチ』という言葉もなろうにきて初めて知りましたので、そもそも知らないことが多いのですが……)


 という訳で、今回も乙女ゲー系が流行り始めたそもそものところとか、その後の変遷を知りたいなあ、と。

 やはり何事も過程あっての結論ですよ。(そして自分では調べず手っ取り早く教えてもらうというところに、私のぐうたらさ加減が現れているが)


 そして「web小説に登場する乙女ゲーと実際の乙女ゲーは違う」ということを教えて頂きました。

 ある小説がきっかけでブームが起きて、web小説の中で様々な話が創られていくうちにいろいろと違う方向に曲がっていった、ということなんですね。


 ということは、だ。とりあえずゲームのヒロインがイベントをこなしつつ自分の好きな人とハッピーエンドを迎えるのが乙女ゲー。

 共通認識としてはこれぐらいでいいんだな、というのが私の感想でした。あとは比較的自由なんだなって。

 だって既に、実際の『乙女ゲー』からはズレてるんですからね。それって「こうあるべき」という縛りを取っ払ったからでしょう?


 そして、現実の西洋風世界観からも大きく逸脱しています。

 web小説でちょこちょこ出てくる令嬢たちが通う学校、これも完全に創作ですしね。本来のヨーロッパの貴族令嬢は学校なんて行ってはいなかった。


 とまあ、それぐらい自由度が高いことが分かって、ちょっと肩の力が抜けました。結構何でもありやん、と。

 自由はいいですね! 私に向いてる! 細々調べるぐらいなら作った方が早い!


 セオリーとしては、既存のナーロッパを利用した方がとっつきやすいし読まれやすいとは思うんですけどね。

 何しろ『言葉の使用効率』がめちゃくちゃ良い。説明しなくてもその世界を愛好している方々の『共通認識』を利用できる。

 独自の世界を作ると、その世界を理解してもらうための説明部分がどうしたって必要になります。それをしなくていいということは、サクサクと話を進められるということ。作品のテンポアップと軽快さに繋がります。


 ファンタジーを読むのは苦手、という層があるんですね。

 これには「作中世界を理解するのがめんどくさいから」「登場人物が多くて把握できないから」というのが理由として挙げられていて、つまりは『独自世界観を持つファンタジーはとっつきにくい』という印象がある、ということ。

 読者に負担を感じさせず自然とその世界を理解してもらえるような文章運びができればいいんでしょうが、なかなか難しいですねー。


 『わからない』ことは不快感に繋がり、それが結局『つまらない』という評価になってしまう。

 だから極力『わからない』は無くしたほうがいいけれど、わかり過ぎてもつまらないですよね。それは書いてて作者もつまらない。

 それに『わからない』ことの面白さもあるはずですから、この両者は似て非なるもの。ちゃんと区別しないと……。

 って、書いててよくわからなくなってきた(笑)。


 まぁとにかく、既存の『令嬢モノ』のイメージから利用できるものは利用して、その上で自分なりの乙女ゲーを作ってみるか、と考えました。

 で、実際の乙女ゲーを紹介してもらってそのHPを見に行ったり、自分でもいろいろググってみて、何となくイメージだけは掴みました。


 主人公がそのゲーム世界でどう生きるかが主眼ですから、「本来はどういうゲームだったのか」という部分は要らないとは思うんですけどね。

 でもゲーム好きの私としては、ゲーム世界の物語を書くのなら、自分がプレイしたくなるようなゲームにしたかったんですよね。物語を読んだときどういうゲームかわからなかったの、ちょっと消化不良だったんですよ。


 しかしもう一度言いますが、物語としてはさして重要ではないのでバッサリカットは当然だと思います。主人公に関係ないシーンは要らん、は至極真っ当。

 だから物足りなく感じるのは、ひとえに私が攻略本を熟読するぐらいゲーム好きのせい……。(世界観に埋没したいタイプなんですよ)


 それに実際に物語を書くときって、考えている設定を全部オープンにすることってまず無いですからね。

 本編完結まで書いたとしても、せいぜい3分の1ぐらいじゃないかな? それでも多いかも。だって説明だらけになっちゃいますからね。

 だから私が読んだいろいろな作品も、実は『このゲームはこういう話』というのはしっかり決まってるのだけど、表に出てきてないだけなんじゃないか、とも思いました。


 ですので、私が最初に取り掛かることにしたのは主人公のストーリーではなく、ゲーム部分のストーリーですね。

 というか、そこ決めないと話なんて作れないし。だって恋愛がど真ん中の話は作れないんだから。(ポンコツぶりがハンパ無い)


 しかしそうやって考えたものの、実際に書いてみたらその『ゲームストーリー部分』は大幅カット、最低限に留めることになりました。

 だって重要じゃないから(笑)。

 なるほどな、だからか……と、書いてみて初めて納得、ウンウン頷いたのでした。


 ……という訳で。

 ゲーマーである私が「ゲームと言えばこんな感じだよねぇ」という想像のもと、自由気ままに作った『リンドブロムの聖女』。

 プレイしたこともないそのゲーム世界に来てしまった自由過ぎる主人公・マユの今後の活躍を見守って頂ければ、とても嬉しいです。


 さて、乙女ゲーについて色々考察してみた、というお話でした。

 しかし考察はこれで終わりではありません。『乙女ゲー世界に転生』という話を考えるにあたり、疑問点は上記以外にもいろいろ湧き出てきたんですよ。考えれば考えるほど!

 Web小説、いわゆるテンプレの「当たり前」が私にとっては当たり前じゃないので、なーんかあちこち引っ掛かっちゃったんですよね。


 しかし、今回はここまで。内容に関わるので、ネタバレになってしまう。

 よって続きの考察については『収監令嬢』の本編完結時に、あとがきとしてこちらに投稿しようかな、と思っています。

 よって次の更新はだいぶん開きそうですが……それまでに何かあるかな?


 読んでいただきありがとうございます。(^^)/

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