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Alive In World Online  作者: 一狼
第7章 Katana
36/83

35.逃走と兎人と鬼ごっこ

 ――AL103年4月22日――


 俺達は『逃走の使徒』ミントが詰めていると言う騎士団の詰所に向かっている。


 昨日のうちに『逃走の使徒』のクエストに挑戦すると連絡を入れておいたのだ。

 本来であればミントは騎士団でもなんでもないので騎士団の詰所には居ないのだが、昨日『投槍の使徒』リザルトが言っていたが、騎士団の要請で詰所に集合していたらしい。


 なので、昨日のうちにトリニティを連絡係にして今日クエストを受けに行くと伝えておいたのだ。

 無論、ミントも快く承諾して本日のクエスト挑戦となった訳だ。




 トリニティに案内されて騎士団の詰所に来た俺達は早速見張りに立っていた騎士の目に止まり尋問を受けた。


「む、止まれ。ここは赤狐騎士団の詰所だ。貴殿らはここに何の用だ?」


「あ、『逃走の使徒』のクエストを受けに来たんだけど、ミント、ここに居るんですよね?」


「ああ、貴殿らがエンジェルクエストを受ける挑戦者か。ミント殿から話は伺っている。通って宜しい」


 俺の言葉に騎士は納得して道を開けた。

 その後別の騎士に案内されミントの前に連れて行かれる。


 俺達は詰所のある内の1つの部屋でミントと再開した。

 が、肝心のミントはぐてーっとテーブルの上に伸びており、お疲れモードだった。


「あ、来たんだ。昨日ぶりー」


「おう・・・って、何か疲れているみたいだな? 何かあったのか?」


「うん、そうなの。昨日は大捕り物があってね。そのせいで殆ど徹夜状態~」


「大捕り物?」


「何をトチ狂ったのか、奴隷市を襲撃したテログループがいてね。ボク達はそのテログループを捕まえるために呼ばれていたわけ」


 あー、奴隷市ね。


 俺達異世界人(プレイヤー)からすれば奴隷と聞けば強制労働を強いているイメージが強いが、この世界での奴隷は国際奴隷法によりしっかりと法整備がされており、奴隷の命の保障をしているから立派なビジネスとして成り立っているらしい。


 そしてこの天獣祭のメインの1つである奴隷市も祭りに含まれるくらいのビックイベントとなっている。

 その奴隷市を襲撃するとなるとよっぽど胆の据わったテログループだな。

 奴隷法により犯罪者となるのは襲った方になるのに。


「あ、もしかして昨日ウィルが居たのもそれと関係があるのか?」


「え? 鈴鹿、ウィルを見かけたの?」


 まさかウィルの名前が出てくると思わなかったのでトリニティは驚いていた。


「ああ、昨日の夜、寝付けなくて町中を散歩してたらずぶ濡れ状態の上大怪我をしたウィルを見かけてな。

 ユニコハルコンで治したのはいいけど、随分慌ててたみたいですっ飛んで行ってしまったよ。

 ミントの言うそのテログループと何かぶつかってたんじゃないのか?」


「あー、あり得るかも。

 お姉ちゃんのクラン『月下』は奴隷商のブラント商会との繋がりもあるからね。今回の奴隷市にお姉ちゃん達を護衛に雇ったんじゃないのかな?」


 あー、なるほど。護衛で獣王都市に来てそこでテログループの襲撃に巻き込まれたわけか。


「ウィルは後で詳しい事を説明するって言ってたけど、後でそのブラント商会が泊まっているところに尋ねに言った方がいいな」


「だね。後でどこに泊まっているか調べておくよ」


 ウィルには『災厄の使徒』の時の助力は大いに助かったから今回の事件で困っていれば何か手助けになればと思っている。


「それで今日の町中は少々騒々しいわけか。

 こっちは城の中で休んでいたから町中の騒動は聞こえてこなかったからな」


「はい、城の中の皆様には大変お世話になっております。お蔭でぐっすりお休みすることが出来ました」


 マクレーンやミューレリア姫の言う通り、来賓として気を遣われたのかジオビースト城では外の騒動が聞こえない様に配慮されたと思われる。


「テログループの襲撃そのものがあっけなく片付いたのも騒ぎが大きくならなかったってのもあるけどね。

 ついこの間まで『知恵と直感と想像の使徒』が居たからこの襲撃を未然に防げたって話だよ」


「は? 『知恵と直感と想像の使徒』が居た、だと・・・?」


「うん、臨時の軍師として期間限定で獣人王国に雇われていたみたいだよ。

 この襲撃阻止も、定期的に『神託の使徒』に神託を授かりに行って事件を未然に防ぐ手立てを考えた結果でもあるんだって」


「いや、待て。そんな事よりその使徒はまだ城に居るのか!?」


 確かに定期的に『神託の使徒』に神託を授かっていれば何かあった時の対処はしやすい。

 そんなことを採用した『知恵と直感と想像の使徒』は凄いんだろうけど、実はすぐそばにいたのか?


 俺の鬼気迫る問い詰めにミントは若干引きながらも答えてくれる。


「今はもう雇用期間が終わったからお城から出て行ったよ。

 まだ獣人王国内に居るか、エレガント王国に行ったかまでは分かんないけど」


「そうか、もう城には居ないのか」


「もう、鈴鹿くん慌てすぎ。ミントがこの間まで居たからって言ってるじゃない」


 アイさんに指摘されて思い出してみればミントはちゃんと居たって言っているな。

 まさか四天王以外に使徒が居ると思わなかったからちょっとばっかし焦ってしまった。


 アイさんの話によればその『知恵と直感と想像の使徒』はエレガント王国の第四衛星都市に居るって話だったはず。

 もしかしてアイさんは既に『知恵と直感と想像の使徒』が第四衛星都市に居るって情報を掴んでいるんだろうか?

 まぁ兎も角今はその使徒が居ないからここで騒いでも意味が無い。

 『知恵と直感と想像の使徒』については獣人王国の使徒四天王が片付いてから考えるとしよう。


「で、ボクの『逃走の使徒』のクエストを受けるのはそっちに居る全員でいいの?」


「あー、いや、クエストを受けるのは俺とアイさんとトリニティとハーティーの4人だ。あ、騎竜のスノウも一緒だな」


「了解了解~。 そっちに居るのは羊王国のミューレリア姫だよね? まさかお姫様も一緒にクエストを受けるのかとビックリしたよ」


「私は勇者様の応援に来たのです」


「俺はその護衛だよ」


 この後のクエストの事を考えれば応援出来るのか?って疑問に思うがまぁ、姫さんには出来るだけ満足して帰ってもらう方針にしたからな。


 昨日、流石にマクレーンが憐れになって来たので、ミューレリア姫には天獣祭が終わったらはっきりと羊王国に帰ると約束させた。

 天獣祭と言うより、俺達がエンジェルクエストを攻略し終えれば獣王都市を離れるので、それまでと言う約束だな。


 下手をすれば姫さんがごねてこのまま俺達に付いてくると言いそうだったのでしっかりと帰る約束を取り付けたのだ。

 まぁ、口説き文句?として「一途に想い人の帰りを待つ女性は好ましい」と言ったところ姫さんは随分その気になってしまったのだが、誰も俺が好きな女性のタイプだとは言っていない。

 そもそも俺の帰る場所は羊王国に帰じゃないからな!


「こっちの人数の心配より、ミントの体調を心配した方がいいんじゃないのか?」


「にぱぱ、これくらいどうってことないよ。寧ろハンデ? ボクの逃走を舐めてもらっちゃ困るね」


 俺の心配をよそに、ミントは大胆不敵にもこちらに情けまでかけてきた。


 舐めやがって。いいぜ、その顔に吠え面をかかせてやる。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 『逃走の使徒・Escape』。本名、ミント・ショコラティア。

 獣人・兎人(バニット)であるが故、異世界(テラサード)のバニーガールの姿を真似た格好をした女性。

 『逃走の使徒』のエンジェルクエストは挑戦者が鬼になりミントを捕まえる鬼ごっこ。

 但しフィールドは獣王都市ビーストロア全域。時間は24時間。

 獣人王国に住まう使徒・四天王の中では比較的楽なクエストと言う事だ。

 因みにクエストを失敗すると再戦には1ヶ月後と言う制約が科せられるらしい。


 とまぁ、ここまでがトリニティが仕入れた情報になる。


 で、その肝心の『逃走の使徒』ミントはと言うと・・・


「ん? 捕まえないの? もう始まっているよ?

 あ、それともボクのクエストの内容が分からないのかな?」


 ミントは可愛らしげに首をコテンと傾げる。

 バニーガールのうさ耳がそれに合わせて揺れる。

 尤も兎人(バニット)であるのでそのうさ耳は自前のものだ。


 そしてバニーガールの格好から分かるのだが、意外と巨乳だ。

 歩くたびにたゆんたゆんと揺れる。


 脚も網タイツなどではなく、生脚の脚線美を艶めかしく晒している。


 早速クエストを始めようと詰所の外に出たところでミントが聞いてきたのだ。


「知ってるよ。鬼ごっこだろ? 俺達が鬼でミントが逃げる役。鬼が多すぎてこっちがかなり有利だとは思うんだけどよ」


「にぱぱ、そう思っているのも今の内だと思うけどね。

 その通り。皆が鬼でボクを追いかける何でもアリの鬼ごっこ。

 戦技魔法アイテム何でも使ってもいいよ。

 但し、当然のことだけどボクを追いかけている途中で物を壊したり人を傷つけたりすればそれ相応の責任が伴うから。

 クエストを理由に免除されたりしないから、そこんとこよろしく」


 なるほど。何でもありだけどなるべく人様に迷惑を掛けないで捕まえろってことか。

 獣王都市全域ともなればそれなりにトラブルもあるだろうしな。


「で? 捕まえないの?」


 ミントは再び首をかしげる。

 俺達とミントの距離は1mも離れていない。


 余りにも無防備すぎるミントに手を伸ばしてその腕を取ろうとする。

 ミントは俺が腕を取るのを分かっていたかのようにサッと避ける。


「・・・・・・」


「にぱぱ」


 俺はもう一度手を伸ばす。

 ミントはバックステップで躱す。


 移動先を狙ってトリニティが背後から捕まえようと両腕で抱き付く。

 ミントはそれすらも跳躍で躱し離れたところに着地する。


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「にぱぱ」


 ミントのその笑顔に俺とトリニティに怒りゲージが跳ね上がる。


「上等じゃねぇか。いつまでも笑ってられると思ったら大間違いだ!」


 それを合図にミントと俺達の鬼ごっこ(クエスト)の火蓋が切って落とされた。


 ミントが脱兎の如く詰所から離れ、それを俺とトリニティが爆走して追いかける。

 一気に間合いを詰めてミントを捕まえようとするが、その瞬間、ミントは跳躍し俺の腕は空を切る。

 ミントはそのまま兎のように跳躍を繰り返し大通りの中を跳ねていく。


 この人ごみ中をよく踏みつぶさないで跳んでいけるな。

 しかもバニーガールの格好なのでハイヒールを履いたままでだ。


 もしかしてこれも使徒の特性の1つなのか?


 勿論俺達もミントが跳ねている姿を黙って見ている訳じゃない。

 大勢の人がいる中をステップを駆使して間を縫うようにして駆け抜けていく。

 トリニティも剣姫流の俺ほどではないが、ステップでぶつからない様に追従してくる。


 獣王都市の住民らは跳んでいるミントやそれを追いかけている俺達を見て最初は驚いていたが、次第に納得したかのように落ち着いて見ていた。

 まぁ、四天王と言うくらい根付いている使徒だから、こんな風にクエストが何度も行われていて慣れているのだろう。


「ていうか、何で跳躍しているのに追いつけないのよ! 物理的におかしいでしょ!」


 トリニティが走りながら吠えるが、それには俺も同意だ。

 跳躍すると言う事は高さがあればそれだけ滞空時間が増えることになる。

 特に人の頭を跳び越えるほどの跳躍をすれば着地までの時間が長くなるはずだ。


 尤も人の頭を跳び越えるほどの跳躍が出来る時点でおかしいんだが。

 まぁそれは獣人の身体能力や使徒としての能力のお蔭なんだろうけど。


「いや、寧ろはねて逃げている方がこっちとしては捕まえやすいぞ。

 狙うは着地のタイミングだ。

 一旦空中に飛び上がってしまえば方向転換は出来ないからな」


「なるほどね。それじゃああたしが先に飛び込むから鈴鹿はその着地を狙って捕まえてね」


 トリニティと合図を決めタイミングを合わせ、人ごみの隙間を縫いながらミントを捕まえようと走り抜ける。


 先ほどの作戦の通りトリニティが先に追いつき手を伸ばす。

 ミントはギリギリのタイミングで跳びあがり、更に先の人のいない場所へと着地する。


 俺はその着地のタイミングを見計らって(またたき)で一気に間合いを詰め両腕で抱き付く様に飛びついた。


 が、俺のその両手は再び空を切った。


 何とミントは着地寸前で空中で方向転換をしたのだ。


 俺は飛びついたせいで無様に地面へと転がる。

 ミントは俺のすぐ先で着地し笑いながらこっちを見ていた。


「にぱぱ、君の様に着地を狙う人は沢山いたよ。当然ボクも対策しているに決まっているじゃん。

 それともそんな簡単に捕まると思っていたのかな? だったら心外だなぁ。この鬼ごっこをその程度でしか見ていないのならボクを捕まえる事は出来ないよ」


 ミントはにぱぱと笑いながら一気に跳躍をし俺達の前から跳び去る。


 ・・・あーそうかい。確かにたかが鬼ごっこだと少し甘く見ていたよ。

 そこまで言われて黙ってられるか。こうなったら大マジで捕まえてやる!


「待ちやがれぇー! この野郎!」


「にぱぱ、女だから野郎じゃないよ―――!」


「鈴鹿、女性に野郎は無いんじゃないのかな!?」


 爆走する俺、跳ねるように逃げるミント、少し時間差を付けて追いかけるトリニティ。

 3人が獣王都市の町中を賑わせる。

 住人は毎度の恒例行事として大いに盛り上がる。中には今回の挑戦者は『逃走の使徒』を捕まえることが出来るか等賭けをしている始末だ。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 何度も空を切り手応えが無い応酬が3時間ほど続いた。

 流石にこれだけ全力疾走をすると息切れが激しい。


 師匠との特訓や『災厄の使徒』の従属モンスターの群れと戦った時に比べればまだまだ楽な方なのだが、ちょっとばっかし精神的に参っていきている。


 何度も捕まえたと思った瞬間に手が空を切る感覚を味わっていると、無駄な事をしているんじゃないのかとか、本当に捕まえることが出来るのか等、ネガティブな考えに陥ってしまうのだ。


 それが更に体力の消耗に拍車をかけている。


 因みにトリニティは途中ではぐれてしまった。

 全力で追いかけるあまり追いつけずに体力が切れたトリニティはその場に蹲ってしまった。

 当然俺はトリニティを気遣う余裕が無いのでそのまま置いて行ってミントを追いかけていく。


 最早攻撃で一撃を当てるつもりの渾身の(またたき)でミントに迫るも、跳躍と謎の空中機動であっさりと躱される。

 俺はそのまま滑るように地面に蹲る。


「ぜー、はー、ぜー、はー」


「にぱぱ、鬼さんこちら~」


 ミントは笑いながら跳んでいき人ごみに紛れて消えてしまった。


 ちくしょう、人をおちょくったようなあの笑顔がマジムカつく。


「ああ、やっと見つけました。何1人で追いかけているのですか」


 息を整える為片膝で座っていたところにハーティーが声をかけてきた。

 そう言えばハーティーもだしアイさんもミントを追いかけてこなかったよな。


「ハーティー、お前何のんびり構えているんだよ。鬼ごっこだぞ? 追いかけないと始まんないだろ」


「はぁ・・・鈴鹿、まずその認識から間違ってますよ。

 まぁそれ後で説明します。取り敢えずは来てください、アイさんが呼んでますよ」


 はぁ? 鬼ごっこの認識が間違っているって・・・鬼ごっこだろ?

 まぁいいか。取り敢えずはアイさんが呼んでいるって事だから行ってみるとして、問題はどうやってミントを捕まえようか。

 さっきまでは俺とトリニティの2人で追いかけていたから今度は4人で包囲網を敷きながら追いかけるか?


 そんなことを考えながらハーティーと共にアイさんの元へと行く。

 既にトリニティも一緒で、アイさんと一緒にテーブルでのんびりお茶をしていた。

 何故かミューレリア姫とマクレーンも一緒だったが。


「あ、やっと来た。もう、鈴鹿くん一人で突っ走りすぎ。

 これは鬼ごっこに見えて鬼ごっこじゃないのよ。ただ闇雲に追いかけても捕まらないわよ」


「それさっきもハーティーが言っていたけど鬼ごっこじゃないんだったら何なんだよ」


「ここまで規模が大きくなると最早鬼ごっことは言い難いのよ。

 ミントにとってはある程度距離を取ったら時間まで隠れれば捕まることは無いんだからね。そう言った意味ではかくれんぼとも言えるわ。

 尤もミントはその性格か『逃走の使徒』の影響か分からないけど隠れることは無いみたい」


 むぅ、確かに鬼ごっこと謳いながらここまで規模が大きくなると、かくれんぼとも言えるな。

 だが、ミントは隠れないんだったらただの規模の大きい鬼ごっこじゃないのか?


「鈴鹿くんが24時間全力疾走でミントを追いかけ続けていられるのなら鬼ごっこと言えるけどね」


「・・・流石に24時間全力疾走は出来ないよ」


「でしょ? だから追いかけなくても捕まえるようにすればいいのよ」


「どういう事だ?」


「罠を使うのよ。物理的トラップ、人的トラップ、精神的トラップ。色々あるけどここは物理的トラップを用いてミントを捕まえるの」


 俺の疑問にアイさんが答えてくれる。

 と言うか、罠の発想は無かったな・・・鬼ごっこと言う概念に捕らわれ過ぎたか。

 確かにミントは何でもありだと言ったし。


「で、罠に嵌める為にそれぞれ役割を決めなければならないわ。

 役割は4つ。観測者(スポッター)追跡者(チェイサー)罠師(トラッパー)捕捉者(ホルダー)


 観測者(スポッター)は常に対象者を捉える皆に居場所を伝える役割ね。その為全体に指示を出す指揮官の役割も兼ねていることがあるわ。

 これは私がやるわね。スノウにも手伝ってもらうわ。空からの観測が出来るのに使わない手は無いから。


 追跡者(チェイサー)は文字通り追いかける役割ね。対象者を追いかけながら罠に誘導するの。

 これは鈴鹿くんとハーティーにお願いするわ。鈴鹿くんはさっきまで全力で追いかけていたから油断するかもしれないから罠に嵌めやすいかも。


 罠師(トラッパー)はそのまま罠を設置する役割になるわ。これは盗賊(シーフ)であるトリニティにお願いするわ。

 一応獣王都市の簡易地図に罠を仕掛ける場所に印をつけたから罠の設置をお願いね。後は随時指示を出すからその都度罠を仕掛けていって。


 捕捉者(ホルダー)は最後に捕まえる役割よ。簡単そうに見えるけど、最後の最後で逃がさない様に捕まえるのは意外と難しいのよ。

 トリニティには申し訳ないけど、罠師(トラッパー)と兼務してもらうわ」


 アイさんからミントを捕まえる役割を割振りされる。

 俺のやることはさっきまでやっていた事と同じだ。

 但し闇雲に追いかけるんじゃなく、今度はアイさんの指示の元ちゃんと追い込むように追いかける訳だ。


「皆に指示を出す為これを渡しておくわ」


 そう言いながらアイさんは闇属性魔法のシャドウゲージを使い、影の中から腕輪を4つ取りだす。


携帯念話(テレボイス)よ。普通に念話を掛けられるけど、今回はグループチャットで4人が同時に話せるようにしているわ」


 携帯念話(テレボイス)を腕にセットすると目の前に空中にホログラムの様にスマートフォンの様な画面が浮かび上がり、4人同時の通話状態になっていた。


 本来であればセットした腕の方の手を電話のような形にして念話をするのだが、今回はグループチャット仕様で画面上で念話をする形だ。

 因みに画面ホログラムは邪魔にならない様に視界の隅に小さく出来る。


「さて、何か他に質問はある?」


 アイさんが俺達の質問が無い事を確認すると作戦を開始する。


 俺とハーティーはミントを追いかける為町中を走る。

 トリニティは地図の記された場所に罠を仕掛ける為そちらへと向かう。

 アイさんはミントを見つける為、全体を見渡せる高いところから探す必要があるので高い建物に向かって行く。


 スノウも空を飛んでミントを探すが、良く考えたらどうやってスノウはアイさんにミントの場所を伝えるんだ? 一々アイさんの所へ報告に行くんだろうか?

 ・・・まぁアイさんの事だから何か方法を見つけているのだろう。


 そして残されたミューレリア姫とマクレーンはのんびりとお茶をしていた

 姫なんかは「勇者様、頑張ってー」なんてのんびり声をかけてくる。

 姫さんは本当に応援しているだけだな。

 と言うか、俺の姿を追いかけて見ている訳じゃないのに楽しいんだろうか?




◇ ◆ ◇ ◆ ◇



「そう言えば今さらだけどハーティーは使徒なのに俺達と一緒にクエストを受けてもいいのか?」


 俺は一緒に並走しているハーティーにふと思った疑問をぶつける。

 既に『勇敢な使徒』のクエストを一緒に受けているから今さらだけど、よくよく考えれば26の使徒が26の使徒のクエストを受けるのは何か反則なような気がするんだが。


「確かに今さらですね。

 でも大丈夫ですよ。26の使徒が他の使徒のクエストを受けてはいけないと言う規則はありません。

 厳密に言えば26の使徒には他の使徒の証を受け取ることが出来ないからクエストを受ける意味が無いんですよ。ですから使徒がクエストを受けることはありません。

 僕は鈴鹿達に付いて行きたいと願ったからクエストを一緒に受けてるだけで、他の使徒から見れば風変わりの使徒になりますね」


 ああ、なるほどな。確かに使徒の証を集められないのなら他の使徒のクエストを受ける必要はないもんな。

 そりゃあ他の使徒の協力を得て大勢の使徒でクエストに挑まれちゃ堪ったもんじゃないしな。メリットが無ければ受ける必要もないか。


『鈴鹿くん、ハーティー、その200m先にミントがいるわ。どうやらのんびりおやつを食べてるみたい。

 鈴鹿くんはそのまま真っ直ぐに。ハーティーは迂回して東側へ追い込むように迫って。

 東の03ポイントにトリニティが罠を仕掛けているから』


「「了解」」


 アイさんから指示が入る。

 と言うか普通に了解したが、03ポイントって何処だよ!?

 まぁいいか。俺達の役割は追い込むこと。捕まえるのはトリニティの役目だ。


 ミントを肉眼で捕捉できる距離まで縮める。

 向こうはおやつに夢中で俺達の事に気が付いていない。


 背後から一気に距離を縮め触れようとするが、ミントはその一瞬で何かに気が付いたように身を翻して俺の手が空を切る。

 そしてそのまますかさず跳躍して距離を取り改めて俺を認識した。


 ん? ミントの直前に察する感じのあれ、どこかで見たような・・・?


「にぱぱ、ビックリしたよ。もうとっくに諦めたかと思ったんだけど、まだ心が折れなかったみたいだね」


「ぬかせ。俺は諦めたつもりはないぜ」


 俺が会話で意識をこちらへ向けている間、ハーティーが横から近づくもミントはそれすらも気が付いているようにひらりと躱す。


「じゃあ鬼ごっこ再開だね!」


 そしてそのまま東の方へと跳ねていく。

 俺は思わずにやりとする。

 ミントが逃げて行った方向はアイさんの指示によればトリニティが罠を仕掛けている方向だ。


 その後も俺とハーティーが追いかけ逃げ道を誘導し、ミントを罠のある方へと追い込む。

 ミントが03ポイントと呼ばれる地点に差し掛かった時、その罠が発動する。


 細い裏道の通りをミントが跳躍で抜けて行こうとした時、地面や両壁から魔法陣が輝き地属性魔法の捕縛魔法――バインドがミントを捉えようのその蔦を伸ばす。


 流石にミントもそれには驚いたのか一瞬動きが硬直する。

 だがしかし、ミントはあり得ない空中機動――宙をジグザグに跳ね回り――で絡みつこうとする無数の蔦を躱してしまった。


「嘘だろ・・・!?」


「嘘っ!? お姉ちゃん特製のトラッピングバインドを躱した!?」


 建物の頭上で捕まえるために控えていたトリニティも思わず声を上げていた。

 あれ、デュオ特性の罠魔法なんだ。

 あれは流石に俺でも無傷で躱すのは難しいぞ? しかもあの空中機動は何なんだよ!?


「にぱぱ、今のは流石に危なかったよ。これだからこの鬼ごっこは面白いよ」


 そう言ってミントは裏道から跳躍のしやすい大取りへと抜けていく。

 俺とハーティーは別の罠へ追い込むため再び追いかける。

 トリニティも別の罠を仕掛けながら罠で絡めたあと捕まえる為先回りをする。




 その後もベタな頭上からの網トラップや、落とし穴、足元を掬うロープなど様々な罠に追い込んでいくのだが、ミントはその罠を悉く躱していく。


「マジかよ・・・! これだけの罠を1つ残らず躱すだと・・・?」


「『逃走の使徒』の名は伊達じゃないらしいですね。もう仕掛けた罠の数も大分減りました。

 後はトリニティの随時仕掛けた罠頼みになりますね」


 うーん、これだけ罠を躱すとなると、この後の罠もあまり期待できないな・・・


 そう思ってアイさんの指示である方向へ向かうと、そこにはのんびりと俺達が一度集まったカフェでお茶をしているミューレリア姫とマクレーンが居た。


 あいつらまだあそこに居たのかよ。


 そして一番呆れたと言うより馬鹿にされているの分かるのが、姫たちと一緒にミントもお茶をしているのだ。


「いや~悪いね。奢ってもらっちゃって」


「いえ、ミント様は女神アリス様より使命を授かった使徒様なのです。礼を尽くして持て成すのは当然です」


 隣ではマクレーンが「俺も使徒なんだがな」と苦笑いをしていた。


 俺とハーティーはアイさんの指示でこっちの区画に追い込んだ後、建物の陰に隠れてミント達の様子を伺っている。


 むぅ・・・お茶をして油断しきっている今なら捕まりそうだが、これまでの経験からそれすらも躱しそうな気がするんだよな。

 ここまでくれば一番最初に言っていた「ボクの逃走を舐めないでね」ってセリフが大げさでもなんでもないことが良く分かる。


「ミント様、美味しいですね」


「うん、美味しいね、これ。異世界(テラサード)のプリンって食べ物でしょ?

 とっても甘くて美味しいよ」


「満足いただけて良かったです」


 ミューレリア姫が微笑み、ミントも釣られて笑顔になる。

 そしておもむろにミューレリア姫がミントに抱き着いた。


「えいっ」


「わっ、どうしたのお姫様。もしかしてお姉さんに甘えたいお年頃なのかなぁ~?」


 ミントは突然のことに戸惑いながらも微笑ましそうに姫の頭を撫でていた。


『鈴鹿くん、ハーティー、左右から挟み込んで!』


 突然のアイさんの指示に驚きながらも確かにこれはチャンスだと思い飛び出す。

 ミントは今、ミューレリア姫と言うお荷物を抱えているのだ。


 俺達の姿を見つけたミントは慌てて跳躍しようとするが、姫さんが抱き着いたままなので一瞬動きが鈍る。


「言っておくけど、ミューレリア姫に万が一傷でも付けたら国際問題ものだからな」


 そしてそこへマクレーンの一言。


 抱きかかえて飛ぼうとしたところに言われたため、ミントは誤作動を起こした機械の様に動きがぎこちなくなる。


 と言うか、マクレーンよ。お前は姫さんに傷を付けないために居る護衛じゃないのか?

 おまけにこの国の王様自ら国際問題を招いているから今さらだと思うがな。


『トリニティ、今よ!』


 動きのぎこちなくなった瞬間を狙ってトリニティが現れ魔法を放つ。


「ロープバインド!」


 何故かミューレリア姫が腰に下げていたロープがミントへと向かい姫ごと両腕と両足を絡め取りミントの動きを封じ込めた。

 流石にこれにはミントは跳ねて逃げることが出来ずにその場で芋虫状態になってしまう。


 多分その状態でも体のバネだけで跳躍できるかもしれないが、ミューレリア姫と一緒の為それも困難だ。


 トリニティはその状態のミントにサッと近づき肩に手を置いて俺達の鬼ごっこの勝ちが確定した。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇



「いや~、参ったね。まさかお姫様を使うとは思わなかったな~」


「いや、それには俺もビックリしたよ」


 確かに何でもありとは言ったが、姫さんまで使うとは思わなかった。

 2人を縄から解き、ミントは完敗だといった風に両手を上げていた。


 ミューレリア姫はと言うと縄にグルグルにされる状態が嬉しかったのか興奮した様子で喜んでいた。

 どうやら不敬罪とか言った罪に問われることはなさそうだ。


「言ったでしょう? 罠には物理的トラップや人的トラップ、精神的トラップがあるって」


 と、そこへアイさんが戻ってきた。


 ・・・確かに言ってたな。

 あー、ミューレリア姫が人的トラップで、マクレーンの一言が精神的トラップか。


「鈴鹿くんとトリニティが追いかけている間、ミューレリア姫に協力をお願いしたのよ。

 そうすれば勇者様の力になれるって」


 おおおい!? これ、後が大変なんじゃないの!?

 いや、確かに役には立ったけどさ!


「勇者様、私役に立ちましたか?」


 ミューレリア姫が褒めてもらう犬の様に期待の眼差しで俺を見つめてくる。

 犬じゃなくて羊だけどな。


「ああ、助かったよ」


 俺は仕方なく姫さんの頭を撫でてあげる。

 ミューレリア姫は嬉しそうに微笑む。


「あー、それにしてもわなを仕掛ける挑戦者は今まで沢山いたけど、今回みたいに躱し辛い罠は久々だったなぁ」


 ミントがやり辛かったと言ってくるが、俺から見れば平然と躱しているように見えたが。


「それはトリニティのお蔭ね。

 ミント、貴女の祝福(ギフト)か使徒の特性かは分からないけど、危険感知みたいなものを持っているでしょう?」


「え? 良く分かったね。ボク『逃走の使徒』と言うことで逃げることに特化すれば危険を感知する能力が備わっているんだ」


「やっぱり。実はトリニティは危険感知のS級祝福(ギフト)を持っているのよ。

 だから貴女の危険感知で逃げる方向を予測しての罠を仕掛けることが出来たの」


 あ! そう言えばミントが直前に感知するあれはトリニティの危険を感知するあれと似ていたんだ。


 で、そのトリニティはと言うと。


「ええっ!? あたし祝福(ギフト)なんて持ってたの!? と言うかS級祝福(ギフト)って・・・」


 ・・・どうやら本人は知らなかったらしい。

 確かに今までのエンジェルクエストでも紙一重での危険回避を行っていたよな。


「そう言えば、小さい頃からギリギリで危険な目から逃れられていたっけ・・・あはは、あたしって結構凄かったんじゃん」


 トリニティは自分のこれまでの出来事を思い出して自分の中の祝福(ギフト)を喜びを噛みしめる。


「まぁ、だからと言って思う様にコントロールできるわけじゃないけどね。今までだって咄嗟にしか使えていないんだから」


 アイさんにそう言われてトリニティは思わず口を噤んでしまった。


 まぁ凄い才能が有っても使いこなせなきゃ意味が無いからな。

 トリニティはこれからその祝福(ギフト)を使いこなすようにコントロールできないと何の意味も無いし。


「さて、クエストをクリアしたから使徒の証を渡さないとね」


 そう言ってミントは俺達に手を翳す。

 そうすると首から下げている使徒の証に光が灯る。


 時計版のホログラムを展開すると、ちゃんとEの印に光が灯っていた。


「もうわかっていると思うけど、Eの使徒の証の特殊スキルは逃げるだけのスキルだから。

 大抵の戦闘とかから逃げれるけど、100%逃げ切れるわけじゃないよ。

 使いどころさえ間違えなければ勝てない戦いも勝てるかもね」


 確かに逃げるが勝ちって言葉もあるしな。

 一見地味だが非常に役に立つスキルと言えるかもしれない。




 まずは四天王の一角、『逃走の使徒』のクエストはクリアだ。

 次は『投槍の使徒』だな。






◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 Alive In World Online攻略スレ312


112:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:23:02 ID:Yari7g3HeHa

 何だあれ

 『投槍の使徒』のクエストって可笑しいのレベル超えているよ


113:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:26:24 ID:ggrks99054

 そうか? 別に普通のクエストだと思うよ?


114:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:28:51 ID:Pggy954NG

 あれを普通のクエストと言っていいものかw


115:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:33:03 ID:Nage8r3Haha

 確かに癖のあるクエストだよな

 ある一点に偏っていると言うか


116:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:34:44 ID:AkjAlssft1

 そう言った意味では『逃走の使徒』も偏っているな


117:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:37:33 ID:O9ri000kAmi3

 確か『投槍の使徒』のクエストは投げ槍を掻い潜って『投槍の使徒』に触るだけだっけ?


118:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:41:51 ID:Pggy954NG

 そうだね。但しその投げ槍を躱すのがとても大変w


119:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:42:44 ID:AkjAlssft1

 殆んどノータイムで撃ってくるよな

 幾ら使徒の特性だとは言えあれは躱し続けるのはムズい


120:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:45:02 ID:Yari7g3HeHa

 投げ槍も大変だけど、『投槍の使徒』が高いところに陣取っているってのはありなのか?

 どうやってあそこまで登れと!

 こっちは鳥の獣人じゃないから空を飛べないんだぞ!


121:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:47:33 ID:O9ri000kAmi3

 あー、それは確かにキツイw


122:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:49:24 ID:ggrks99054

 他のエンジェルクエストに比べればまだマシな方だと思うけどな


123:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:51:51 ID:Pggy954NG

 高さ100mの鉄柱の上からの投げ槍

 確かに躱しながら登るのはムズいよな


124:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:55:25 ID:YariM3Sx69

 『投槍の使徒』って鷲鷹人なのよね

 そう言えば猛禽類は食べてなかったから食べてみたいわね。ジュルリ


125:名無しの冒険者:2058/3/4(日)12:58:51 ID:Pggy954NG

 まぁそこをどうにかするのがエンジェルクエストなんだがな

 実際どうやってあそこまで登るか・・・クリアした皆はどうしてた?


126:名無しの冒険者:2058/3/4(日)13:02:24 ID:ggrks99054

 え? 普通に登ってだけど?


127:名無しの冒険者:2058/3/4(日)13:03:03 ID:Nage8r3Haha

 俺はPの使徒の特殊スキルでパワーアップした仲間からぶん投げてもらって


128:名無しの冒険者:2058/3/4(日)13:04:51 ID:MsTs8GLiRt

 別にこっちから登る必要はないだろ?

 要は触ればいいんだから『投槍の使徒』を引きずり下せばいいんじゃないのか?


129:名無しの冒険者:2058/3/4(日)13:05:44 ID:AkjAlssft1

 腕のいいガンナーに投げ槍を迎撃しながら登攀で


 >>124 それは食用としてか? それとも性欲としてか?w


 >>126 や、普通には登れないからw


 >>127 それは随分と豪快な戦法だなw


130:名無しの冒険者:2058/3/4(日)13:08:02 ID:Yari7g3HeHa

 意外と対応策があるもんなんだな・・・

 ちょっと簡単に諦めていた

 みんなの対応策を参考にもう一回仲間とがんばってみるわ









次回更新は12/25になります。

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