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上手に笑えない君

すみません。間違えてジャンルを文学にしてました。

恋愛に変更します。

そんなこんなで、日々を過ごしていたの私ですが、気になってしょうがないことがあります。


最近の亮くんが気持ち悪いんです。


明らかに上手に笑えなくなっています。


前みたいに無邪気な笑顔じゃなくて、ニコって口をつりあげるようにして笑ってます。


ぜんぜん楽しそうに見えない笑顔をみるとモヤモヤいらいらするんです。


ついに耐え切れなくなってある日、みんなの前で言ってしまいました。


「亮くん、変な顔で笑わないで」


そしたら、ポカンとした顔をした後で怒ってしまいました。


「さらの馬鹿。悪口いうな」


でも、負けません。


「変な顔だもん。笑ってないもん。笑いたくないときに笑わないで」


「うるさい。必要なくても笑わないといけないときもあるんだ」


そう言って、悔しそうな顔をする亮くんを見て、きっと心無い大人に傷つけられたんじゃないかって思います。


「でも、やだ!」


でも、悔しいからそんなのは無視して、思いっきりほっぺたを両手でビヨンて引っ張ってやりました。


「ちゃんと笑えなくなってるくせに、ばか!」


周囲の大人たちもあっけにとられてるのが分かるけど、そんなの気にしません。

子供はいいたいことを言う生き物なのです。


「無理しすぎてるから、もうやめて」


「いやだ。がんばらないと会社つぶれるもん」


もう、誰でしょう。こんな子供にイヤミな一言をなげつけたおばかさんは・・・。


「たった4歳の亮くんが、がんばらないと潰れる会社は、もともと潰れかけなんだよ!」


「つぶれかけてない!」


「じゃあ、笑わなくってもつぶれない!」


言い切ったら、亮くんがボソッとつぶやいた。


「でも、パパとママのこと悪く言われたくない」


亮くんなりに、パパとママのことを守ろうとして頑張っていたんだなって思いました。

なんていい子なんでしょう。

でも、だからって壊れかけている亮くんを見ないふりはしたくありません。


「亮くん、一生懸命がんばってたんだね」


ぎゅっと亮くんの手を握り締めて、気持ちが伝わるといいなって必死で話します。


「やさしい亮くん、頑張り屋さんな亮くん」


「でも、苦しいときは苦しいって言わなきゃだめだよ。亮くんが頑張りすぎて消えちゃったら悲しいよ」


亮くんの目からぽろっと涙がこぼれました。


「真美ちゃん、亮くんを助けて。亮くんを手伝ってあげて」


真美ちゃんを見上げてお願いします。

今まで気づかずに大人になったとばかり思っていた亮くんの告白に涙目で震えていた真美ちゃんが亮くんを抱きしめました。


「ごめんね、気づかなくてごめんね。亮ちゃん、ありがとう。ありがとう」


亮くんも涙をポロポロこぼして泣いています。

抱きあいながら泣いている二人を見て、なんとかなりそうだなとホッとしました。


おせっかいしちゃったかな。

でも、何もしないで後悔するよりいいかな・・。


ママの手をひいて、そっと部屋からでておうちに帰りました。



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