スーパーに行くぞ
あの後、イイ笑顔を残していった二人は、無事に女子軍団を結成し、その名も暁の乙女(暁のエルジュ)、暁の乙女たち(エルジュス)というお名前を付けられたようですよ。今回はフランス語とさらにエンジェルももじって付けたとか。
毎回のそのネーミングセンスに脱帽でございます。誰がつけてるんだ・・・。
しかし、この名前は小学校では非常に人気でございます。
小学生っていろいろと香ばしいお年頃なのかもしれません。
さて、私は今日もアーデルさんとお茶を飲んでいます。
今日はみんなで手芸屋さんに行ってきました。亮君とユリウス君は二人で小さな車のワッペンを買い、どこにつけようかと二人で議論しています。
アイロンで溶けないようなもので、あまり高いブランドじゃないものがいいと思いますよ、と。
私とアーデルさんはお花のワッペンです。
2個で250円だったので色違いのお揃いです。まるで私たちとっても仲良しさんですね。
「小娘、どこに貼るつもりなの?」
「えーと、体操服のポロシャツがたしかワンポイントおっけーだったはずなので、体操服でしょうか」
「あ、沙良、それはいいね、僕もそうしよっと」
ユリウス君が耳聡く聞いていて、まねをしてきます。
「俺もそうしよう」
亮君も同じように答えると、口をムーとしたような顔でアーデルさんが言います。
「小娘、私とおんなじところに貼らせてあげるわ。ありがたく思いなさい」
「アーデルさん、どこに貼るの?」
「それは・・・ほら・・・あれよ・・その」
考えてないんですね・・・。しょうがないので助け舟をだす。
「じゃあ、みんなでハンカチにつけちゃいましょうか」
「そう、それよ」
ということで、白いハンカチを持ってきてもらう。って全部ブランドもんかーい!
「駄目なの?」
つぶらな瞳で聞いてくるユリウスくんが可愛いですってちがーう。
「もったいないから、今度来た時におそろいのハンカチを買いに行こう。100円で買えるやつ」
「まぁ、そんなに安いハンカチがあるのね」
「お揃いか、いいな」
「お母様よかったね」
てことで、次回はスーパーにお買い物に行くことになりました。
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ただいま私は近所にある衣料品なども置いてある、ごく普通のスーパーにて観光ガイドを務めております。
いつもの駄菓子屋メンバーに加え、楽しそうと加わった、都さん、麗子さん、京ちゃん、みっちゃん、茜ちゃん、茜ちゃんのお兄ちゃんという、もう訳わかんない、な状況でのお買い物でございます。
茜ちゃんのお兄ちゃんは、茜ちゃんのご両親は都合が悪くてこれないので、その代わりということですが、お前、そんなにキョロキョロしてたんじゃ全く保護者になれてないからな。
「みなさん、200円はもちましたかー?本日は200円までのお買い物ですよ」
金持ち相手に何言ってるんだろうな、私。
内心のつっこみは置いておいて、しかし、ちゃんと見張ってないとまた店買い攻撃がでても困ります。近所の皆様の台所なんだから、品物がなくなったら迷惑なんですよ。
さて、本日は遠足あつかいということで、各自の家庭で1人200円を用意していただきました。いつものメンバーはまだ慣れている感じですが、他のみなさんは、わざわざ用意してもらった100円硬貨が珍しいようです。
嬉しそうにじっと見たり、透かしたり、模様を観察したりと思い思いに楽しんでおられるようです。札じゃないから透かしても何も見えませんよっと・・。
「まぁ、値段が大きく書いてあるのね」
「見て、こっちは貼ってあるわ」
楽しそうですね、皆様。
アーデルさんと都さん、麗子さんが仲良くできるかなぁと心配していましたが、全く問題なく楽しく過ごされているようでなによりです。
都さん、麗子さんの対人スキルは半端ないですからね。
事前に話していたアーデルさんの話を聞いて、にんまりしていましたので、もともとの相性もいいのかもしれません。
「まずは階段を上って二階でハンカチを買いますよー」
ゾロゾロ個性的で美形な皆様を引き連れて、まずは衣料品コーナーでございます。
「白いのを選びましょうね。綿がいいかと思います。タグを確認してください」
「まぁ、全部100円ですって」
「こっちは200円なのね。高いわ」
今日は200円しか持っていないのでなにか金銭感覚が狂ってきているような発言が飛び交います。
結局みんなでおそろいの白いハンカチ100円を購入いたしました。
ワッペン?どうする気なんでしょう・・・。もしかして、手芸屋さんも今度行かないといけないんでしょうか・・・。
都合の悪いことはお口チャックに限ります。
思いつかなかったことにして、あとは自由にスーパーを巡っていただき、100円で買い物をしてきてもらうことにしました。
各所に配置されているはずの警備のみなさん、頑張ってください。
一息つけると思いきや、結局色々なところから呼ばれ、説明し、走り回る羽目になるのはすぐでした。
「まー、冷凍庫だわ。沙良ちゃん、このアイスも100円で買えるの?」
「小娘、このコロッケというのは容器がないの?」
「おい、沙良、みんなでスイカかおーぜ」
などなど、あっちこっちで呼ばれ、しかし、気のいいお買い物中のおばちゃんたちが説明してくれていたりと、意外とスムーズに買い物終了まで持っていくことができました。
都さんと麗子さんアーデルさんはアイスを、お子様組みはみんなで小さいスイカを買い、皆さんほっくほくの顔をしつつ、みんなでいそいそとユリウス君の家に移動して食べました。
え、アーデルさん、コロッケはどうしたのって?
お揃いにしましょうよと誘われて、なんか色々言いながら買ってましたよ。
にんまり笑って、お友達認定されて、毎週のお茶会を九条邸でするそうです。
よかったですね。
 




