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赤い玉のミサンガ



京ちゃんが、今度は赤い玉を渡してきました。


「沙良ちゃん、次はこれでよろしくね」


都さんに似たイイ笑顔でにっこり笑われるとちょっと悪寒が走るので、自重していただきたい。


今度はどうするのかと聞いたところ、ふふ、男の子が終わったら?と聞いてきたので、次は女の子を虜にして集団化するんだなと思いました。


私や茜ちゃんが受けている教育は週一回ですが、京ちゃん、みっちゃんはそれ以外にもいろいろと特殊な教育を受けているらしく、学校が実践の場になっていたりします。社会にでたときにちゃんと戦えるように戦場にでるまえの訓練場だそうですよ。

京ちゃんとみっちゃんの立場も微妙に違うようで、こういった実践は京ちゃんが単独でこなし、みっちゃんはそのサポートとなっているようです。


次は一体どんな中二ネームが誕生するのかドキドキすぎます。


「どうやって虜にしてるの?」


つい、好奇心に負けて聞いてしまいました。

ふふ、っと流し目で見た後、ほっぺたを両手で挟まれてしまいました。

みっちゃんも一緒にほっぺたを挟んできます。


ちょっ、近いって。


どんどん、顔が近くなり、大きい黒曜石の瞳がキラキラと色気を含んできらめいて、顔先2センチでそっと囁かれました。


「「知・り・た・い?」」


「ひょあぁああぇぇええぁぁああ」


両方の耳にふっと息を吐きかけられるようにして囁かれ、思わず変な叫び声をあげ、後ろに飛びずさります。


「ご遠慮しまぁああああす!」


「「ぷ、くはははははははっ」」


2人とも笑いすぎです。側で見ていた茜ちゃんは、目をまんまるにしていましたが、やがてぷっと一緒に笑い出しました。


「ひどいよぉ、からかって」


涙目で抗議です。ますます3人は笑い出してしまいました。

ひとしきり笑って落ち着いた後、みっちゃんが口を開きます。


「そうねぇ。でも、一方的に虜にしているわけじゃないよ。派閥を作ってる感じかな。派閥に入るメリットももちろん沢山あるんだよ」


それに京ちゃんが続けていきます。


「でも、メリットでつながるだけじゃあ脆いから、心酔してくれるように誘導したり、いろいろね。何かを口にするとき、動くとき、いつも計算してるわ。こう言ったら、動いたらどういう風に相手が感じるのか計算して行動してるの。」


どこか悲しそうな京ちゃんに、思わず言葉がこぼれます。


「いいんじゃないかな」


「え?」


「たとえそうだとしても、救われたり、好きになったり、憧れる気持ちはその人の本当でしょ。それを利用してひどいことをしなきゃ、いいんじゃないかな」


それに、素敵だと思わせられる人間でいないと、いくら誘導したってそう簡単に人の心が動くとは思えません。そういったことを話すと、茜ちゃんもうんうん同意してくれました。


京ちゃんとみっちゃんは二人で顔を見合わせてまたひとしきり笑った後、何かすっきりした笑顔で去っていきました。


「ふふふ、じゃあ期待にこたえていっぱい虜にしてくるわ」



やりすぎには充分ご注意ください・・。









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