駄菓子屋にいくぞ2
「まぁ、また来たのね。ずうずうしい。今日も駄菓子屋に行くつもりなの?仕方ないわね、斉藤、500円を渡しなさい」
2回目のユリウス君のお宅訪問です。忘れないうちにまた遊びにいかねばということでお邪魔させていただきました。
扉を開けたら待ち構えていたユリウスママが言った台詞が上記でございます。
なんか、本当に可愛い人だなぁ。
前回、意気揚々と帰ってきた私たちは、上品なお皿にスナック菓子を乗せてみんなで食べました。みんなで食べるスナック菓子はとっても美味しかったです。
ユリウスママは大事に握り締めて持って帰ってきたビー玉を宝石箱に入れて、ずっと眺めていたようです。
しょうがない、また行くかー。
でも、たぶんついて来る気満々のユリウスママのお着替えも今回は先にお願いしておきましょう。前回と同じように警備をお願いして、いざ出発です。
どうしても亜麻色の髪と青い目は目立ちますが、服装を地味にし、店内に慣れたこともあり
前回ほどの注目は集めませんでした。
今回のお買い物はちょっと選ぶのに時間がかかりました。
亮君とユリウス君は100円で作れる飛行機をそれぞれ買い、私とユリウスママはなんと二人でお金を合わせてビーズセットをお買い上げしちゃいました。残りの100円はまた大きいスナック菓子です。
ユリウスママと力を合わせる日が来るとは。
人生は分からないものですね。
亮君とユリウス君は帰ってきて早速組み立てて、外に飛ばしにいっちゃいました。
私とユリウスママは向かい合ってビーズキットで好きなアクセサリーをそれぞれ作っています。
「ちょっと小娘、そこはこの色をつなげるほうが映えるでしょう」
「あ、本当だ。ユリウスママはセンスいいね」
「ふん、当たり前でしょう」
こんな会話をしつつ、黙々とビーズを消費している私たちって傍から見たら仲良しさんなのではないでしょうか。
「だいたい、私はユリウスママなんて名前じゃないわ。アーデルハイドって名前があるんですからね」
「あ、ご丁寧にどうも。私は沙良です」
「お前は小娘で充分だわ」
「そうですか。アーデルさん」
「勝手に略さないでちょうだい」
そんなこんなでビーズアクセサリーの完成です。
私もアーデルさんも腕輪を作りました。200円のビーズキットでは腕輪を2個つくる量しかなかったともいいます。
「ふう、できたわ。疲れたからいつものお茶を用意してちょうだい」
満足そうにキラキラ光るビーズアクセサリーを見ながらアーデルさんが指示をだす。
「小娘はそこに座りなさい。ありがたく思いなさいね。このハーブティーは肌を綺麗にたもったり、より女性らしくいられる効果があるのよ」
「だからアーデルさんは綺麗なんですね」
「努力のない美なんてないのよ。でも小娘には飲みにくいかもしれないわね。庶民の口にあいそうなお茶もいれてあげなさい」
「ありがとうございます」
前世でハーブティーブームのときに結構飲んだ記憶があるけれど、こちらでは初めてです。確か非常に癖のある、飲みにくい味をしていたように思うので、気遣いがありがたいですね。庶民用のお茶からの薫りが高そうな紅茶なんだろうなと教えてくれます。
ひとしきりお茶を楽しんだところで今日は帰らせていただくことにしました。
「小娘は平凡な顔をしているからすぐに忘れてしまいそうだわ。せいぜい私が忘れないうちに来ることね」
「はい、また来ますねー。今日はお茶をご馳走様でした。失礼します」
なんだかお互い慣れてきたようです。




