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男友達


「お前なかなかやるな、友達になってやるよ」


亮くんの台詞に嬉しそうに微笑むユリウスくん。


「うん!」


どこかで使い古されたような友情物語が目の前で繰り広げられています。


ベ・・・ベタだな。


しかし、ベタな話というのはどこか心をぐっとつかむものがあるようで、感動して泣いてしまいそうです。いい話や・・・。

男の友情が生まれる瞬間に心が熱くなりますね。


これで、亮くんの私への執着も少し減るでしょう。

うん、めでたい。


「ユリウスくん、すごいね」


「かっこよかった」


「亮くんと戦うなんてすごい」


ユリウスくんも、クラスのみんなに囲まれています。

こちらもお友達との距離が縮まったようでなによりです。


えぇ、めでたしめでたしで終わると思っていた時代が私にもありました・・・。


次の日、お花をもって立っている亮くんとユリウスくんを見るまでは・・・。


ま、まさかですよね・・・。

私もう回れ右して今日は帰ってもいいでしょうか。

行きたくない、行きたくないという気持ちが足をとめます。


しかし、二人には気づかれてしまったようで、亮くんは当たり前のように、ユリウスくんはにこっと花が咲くようにわらってからこちらにやってきます。


ひぃぃいいいいぃ。


パニックです。激しくパニックです。


しかし、そんな私の気持ちには誰も気づくこともなく、二人は満面の笑みでお花を一輪づつ差し出してきました。


「あ、ありがとう」


ひきつった笑いをうかべた私に、二人は微笑んで答えました。


「ん」


そして、お花をラップで包んだのを確認すると、片方づつ両方の手を握られて教室まで連行されていきました。

片や、漆黒の髪を揺らして切れ目の美少年、片や、亜麻色の髪をふんわりさせる青い目の美少年。

間にはさまれるのは、どこをどう見ても平凡な私・・・。

場違い感が半端ないです。


男の友情に私を入れるのはやめてほしいです。切実に・・。



でも、一番頭を占めるのは・・・。

な、なんでこうなった??


疑問と後悔です。

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