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♯5 神の子ですか。②

閑話に続くため短い。


 翌日、俺は数年ぶりの高熱を出した。

 疲れとか、昨日の心身的、身体的負担とか、そう言うものから来たのだろう。帰宅してからの記憶があいまいなのは疲れからか、はたまた既に熱があったのか。一先ず、俺は完全に参っていた。少なくとも今日一日はベッドの住人だ。

 元々新歓の翌日は休日になるようセッティングしていたため、学校に関しての心配はない。今朝になって学校からの連絡があり、校舎の修理のために明日も休校にするとのこと。俺にはありがたい。ただ、俺の熱が引いて、俺がちゃんと学校に行けるのかどうかはその時になってみないと分からない。

 だって、怖いじゃないか。

 不安でたまらない。

 熱のせいで弱気になっているのかもしれない。

 でも、やはり怖いものは怖かった。

「入るよ」

 俺の部屋のドアが開き、タオルの入った桶を抱えたアニマさんが俺へとその切れ目を向けた。今は普段の軽そうな笑みは消え、穏やかな表情を浮かべている。

 現在保護者変わりのアニマさんは甲斐甲斐しく世話を焼いてくれている。申し訳ない。

 時折見せる硬い表情は、やはり昨日のことが影響しているのだろう。彼は臨時と言えど、俺の護衛を任されているのだから。学校の中までおそってくるなど、誰も考えはしなかったけれど。俺達はまだ時期ではないと高をくくっていたのだ。

 ぬるくなっていたタオルがキンキンに冷えたものへと変えられる。気持ちがよくて俺は深く息を吐きだした。

「まだ熱あるな。そのまま寝とき」

 そう言うと、アニマさんは桶を抱えて俺の部屋を出て言った。

 再び一人残される。

 どうしても心細いと感じてしまうのは、両親を思い出すからか。あの頃は、俺が熱を出せば母が傍にいてくれた。それは俺にとってすごく安心できて、心のよりどころって言うか、とりあえず俺は親離れが全然できていなかったから。ぬくもりを求めてしまう。

「イ―ズ……」

 風を引くと心細くなると聞いたことがある。こんなに如実に現れるとは。

 俺は体を丸めて、目を瞑った。


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