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閑話④

今回はト―レのみで短め。

取っても短い。


 破裂音がした。

 ガラスの砕ける音と、紙の散る音。

 窓際にあった生徒会長用の机が浮いた。

 そこまでは分かる。

 サナ先輩が叫んですぐ後、咄嗟に下がった体を床に打ち付け、それでも間に合わなかった距離に絶望した。

 俺はここで死ぬのか。

 絶望が俺を襲った。

 と、俺達と砕け散ったガラス窓との間を光が走った。

雷壁(らいへき)……!!」

 ある家に伝わる雷魔法唯一の防御魔法。これを発動できるのは……俺は抜けた腰を動かすこともできず、ぎこちない動きで術者の方を向いた。

 生徒会長が片手を突き出し、眉間にしわを寄せて魔力を『雷壁』へと流し込んでいた。

 なんと言う魔力と判断力だろう。あの一瞬で、彼はこれほどの術を無詠章で正確に作り出したのか。

まさに圧巻。

 まだ術を解かないということは攻撃を受けているのだろうか。

 彼が少しでも動きやすくなるには、俺達が出来るだけ遠くにいた方がいい。

 全員、壁の内側にいる。座り込んだり、立ったままだったりするが、皆一様に表情が強張っている。

 かく言う俺は腰が抜けているわけで。

 早く、離れないといけないのに!

「……ディル、いつまでもちますか?」

 イズミ先輩がいつもよりか固い口調で言った。

「くっ……長くても、5分が限度だ」

「わかりました。みなさん!一先ず撤退します。ト―レ、立てますか?」

「はい」

 俺が一番かっこ悪いな。

 かっこよく俺の想っていたことを行動に移してくれたイズミ先輩に(引っ張り起こしてくれました)感謝しつつ、俺達は生徒会長を残して生徒会室を後にした。

 俺達とすれ違いに、委員長が部屋に入って行ったが、俺は彼の実力くらいわかっているつもりだ。

 あの二人なら、もしかすると。

 偉大な二人に望みを託して、震える体を無理やり走らせている俺は――


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