♯4 新歓ですか。⑨
閑話を入れたいため短め。
鈍痛がする。頭が痛い。体も少し痛い。
そうだ、窓から落ちたんだ。
なんでだっけ?
まだまどろむ意識で考える。
なんで俺は気絶してるんだ?
まだ瞼が重い。ひらかない。
(き……る?聞こえる?辰巳)
!?
直接脳内に声が響く。頭うっておかしくなったか?
(そんなことないよ。せいじょー。一寸いろいろ教えた方がよさそうだからもうちょっと気絶しててねー)
え?え、読まれてる?本日二度目!?
(辰巳キャラ変わってない?まぁいいけどー、単刀直入に言うよ)
どこかで聞いたことある様な気のする声は、失笑すると途端にまじめな口調になった。
いや、マジでどっかで聞いたことある。
ひとまず、真面目な話を聞くとしよう。
(緑色の髪の男はダンテが追い返した。彼に大きなけがはない。だけど、グラウンドにも一人いる。こっちの方が被害が大きい。グラウンドはめちゃくちゃだ。そして生徒会室の窓が吹き飛ばされた。ダンテもそっちに向かった)
……
俺は言葉を失った。
そうだ。あいつらが来たんだ。
そしてダンテさん刃を向けた。
俺のせいなのに。
俺は殺さないと言った。
どうせなら俺だけを狙ってくれればいいのに。
俺だけを。
俺さえ――
(辰巳、それ以上言ったら、思ったら?……許さないよ)
はっとした。
声は圧力を含んで語りかける。
(辰巳はどうする?)
そんなの決まっている。
俺が何もしなくていいなんてありえない。
(わかった。暴風時に火事はつきものだよ。気をつけて)
そうして俺はまどろみから落ちて行った。
むっくりと起き上がる。
夢と言うか、あれはなんていうのか。暴風時の火事って。
とりあえずさっき意識の下で会話をしたおかげですっきりしている。身体的にも、内面的にも。体の鈍痛も心なしかなくなった気がする。
え、無くなるって、俺二階から落ちたんじゃ……?
落ちたであろう窓を見ながら思うが、感じないもんは感じない。
一先ず立ち上がり、体に異常がないかもう一度確認した。特別教室棟と教室棟の間の茂み。ここから なら生徒会室よりもグラウンドの方が近い。上履きのままだけど、今はそんなことどうだっていい。
生徒会室が被害にあった。
アセラ、サナさん、イズミさん、コナカ、クラウ、イラつく生徒会長に、そうだ、ト―レもいるはずだ。
皆どうか無事で……!
茂みを駆けながら、俺はギリリと拳を握りしめた。
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いつまで♯4なんだろうか(汗