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♯4 新歓ですか。⑦

お気に入り登録100件越え!!

いやもうほんとありがとうございます!!

これからもよろしくお願いします!


この機会に拍手お例文的な企画をしたいと思っております。

詳細はあとがきに!

 思いの外話が出来ているト―レと見回り業務を開始して早1時間。ルール違反とシバいた奴の数、14人。……多くないか?

 そしてまた増えそうだったりする。

「お前か、へへっ、大人しくしてりゃ怪我しなくてずむぜー?」

 どこのチンピラですか。絶対やられる雑魚キャラのセリフですよね?

 俺は今日何度目か分からないため息をついた。とてつもなく深いやつを。

「ごめんなト―レ、やっぱ俺のせいだよこれ……」

「先輩は悪くないですよ」

 そう言ってにっこりと笑うパートナーに俺は苦笑を返す。本当は別々に見回る予定だったのだが、開始して5分も経たずに、馬鹿共が押し寄せてきたため、それからほとんど途切れなく来る馬鹿どもを二人でシバいている。

 本当に申し訳ない。俺のせい。怪我なんかしちゃった、俺のせい。

 そう、こいつらは俺が三日前に怪我をしたということを知って(多分させた奴らから)、まぁ、よからぬことをしようと俺にたかっているわけだ。俺を倒せば二階のこのフロアを自由にできると思っている輩もいたし。ト―レの存在忘れているだろ。

 でも、俺の怪我のことは俺たちだって考慮していた。主に委員長であるダンテさんが、ペアを決めるときに一年生で一番強いト―レと組ませてくれるということまでしてくれている。そのおかげで、今まで襲って来た奴らを難なく倒せている。あとでダンテさんにはお礼を言っておく必要があるな。

 うん。ほんとにありがたい。俺もう体のあちこち悲鳴上げてるし。まだ魔法の訓練だって再開してないんだから。

「さて、教室に入れておきましょうか」

 ト―レが今の今まで威勢良く挑んで来ていた奴らを引きずっていた。早すぎだろ。

 彼は本当に強い。俺が呆気にとられるほど。二年最強のケイといい勝負かもしれない。本調子の時に手合わせを願いたいほどだ。一体その細っこい体のどこからそんな力が出てくるのか。大の男を3人も引きずっている姿なんて、絶対想像できない容姿なのに。

「これで、何人目だっけ……」

「じゅう……17人ですね」

 俺は今日何度目か分からない、盛大なため息をついた。

「ありがとな、ト―レ。お前いなかったら俺ヤバかった」

「そんな、いいですよ。お役にたてて光栄です」

 そう言ってト―レは麗しく笑む。いや、ほんとに麗しいんだよ。君絶対モデルだから。女性の。

 そんな笑みと優雅な言葉遣いに赤面しない男子はいない!だって俺がそうだから!

「あー……ごめん」

「いいですよ。慣れてますんで」

 恥ずかしくて俯いた俺を、ト―レは大して気に留めず、ずるずるとチンピラじみた生徒どもを教室へと引きずっていた。

 ……この姿見たら百年の恋も冷めるだろうよ。

 ところで、俺達はチンピラみたいなのの相手ばっかりしているが、ここを通るのはそう言う奴らだけではない。何せ渡り廊下のある二階だ。人通りはそれほど少なくはない。追いかけたり逃げたり加速していたりするので一瞬で通り過ぎていくものがほとんどだが、ちゃんと人通りはあるのだ。

 一応、今はケイドロ中。俺は実感ないけど、偶に窓から見える生徒たちや、風のように通り過ぎていく生徒達を見て、まぁ後者はどうかと思うが思い出す。……加速魔法ってすごいな。まさに光陰矢のごとし。

 と、ポーンと言う気の抜ける音がして放送が入った。今放送室をジャックしているのは生徒会だ。

『定期報告です』

 あ、アセラだ。

『開始から1時間現在。警察組は捕獲者44名。一方泥棒組は捕獲者57名。優勢は泥棒組です。後一時間で午前の部は終わりです。定期終わります』

 昼休憩とか、あるのかな……?

 それからは変に襲ってくる奴も無く、本来の見回りを開始して、何事もなく午前の部を終わった。


『営業中』

 俺はドアに垂れ下った札を見て、本気で胸をなでおろした。ここがダメだと俺の昼飯はない。

 キィィとドアを開くと、来客を知らせるベルが鳴る。

「あれ、タツミ君?」

「こんにちは」

 今日はイズミさんのようだ。俺はレジに座って本を読むイズミさんに軽く会釈をした。彼は俺を認めると、掛けていたシンプルなメガネをはずし、優雅に立ち上がった。この人も美人なんだ。さっきまでトーレといてこれって、今日は美人デーか?

「誰かから聞いたの?」

「昨日始めてナザ達から聞いたんです」

「じゃぁ今日が初来店かな?」

「いえ、昨日もきました」

 そう言うと、へぇ、とイズミさんは感嘆を現した。どうしたんだろう?

「サナがちゃんとレジしたんだ」

「?」

「いや、サナはレジとか、面倒な機械が嫌いでね。だからここもさぼったりしてたから。僕も毎日はこれないし、その辺は妥協してたんだけど」

「……ちゃんとしてくれましたけど」

「やっぱり辰巳君のこと気に行ったのかなぁ」

「へ?」

 イズミさんは大層楽しそうにくすくすと笑う。何がそんなに面白いのでしょうか。サナさんが俺を気にいるって、どこをどう見てそうなるんでしょうか。まぁ、嫌じゃないけどね。嫌われるよりは好かれた方が楽しいし。

 てか、今は腹の虫が鳴りそうです。

「えっと、パン選んでもいいですか?」

「あぁ!ごめんね!どうぞどうぞごゆっくり」

 お言葉に甘えて俺はパンを吟味する。クロワッサンみたいなテラテラ光る奴を選んだ。あと、昨日とは違う木の実の入ったロールパン。どれもおいしそうで迷うんだけど、また明日も来よう。

 始終ご機嫌なイズミさんに会計をしてもらい、パンを買ってト―レの待つ特別教室棟二階から一階に降りたつ階段へと向かった。そこで昼食を食べようと約束した。ト―レと、あと捕まらなかったらという条件付きでナザとレント。アセラは残念ながら生徒会が優先。これはト―レにも事前に許可を取ってある。 まぁ、あの二人は捕まらないような気がするけど。なんだかんだで運動神経いいから。特にナザは。

 案の定、階段には三人がすでに腰かけていた。一番上にナザ、その下にレント、その隣にト―レ。俺は 簡単な挨拶をして(おう、とかそんなん)ナザの隣に座った。

「やっぱ残ったね、二人とも。後半戦も頑張れよ」

「おう。タツミんとこも大変そうだったな。さっき教室ん中覗いたけど」

「あー……」

 なんで見せたのかなト―レ君。いや、にっこり微笑まないで。弱いんだから。美人と美形にはとことん。

「だって廊下汚いですし、分かる人にはわかりますって」

「ったく。平気平気。ト―レ強かったし」

「平気って……お前怪我してんじゃねっけ?」

「それみーも聞いたよ?タツミん教えてくれないんだも―ん。ちゃんと言ってよね?知らなきゃ心配も出来ないじゃーん」

 心配させたくないから言わないんですが。

「タツミん分かる?心配するのとしないのとじゃ気持ちが違うんだよ?大事だから心配するの。ちゃんと心配したい相手が教えてくれなかったら悲しいんだからね?」

「……」

 じーん。真面目な顔で覗きこまれる。

 肉親以外で俺を心配してくれる人なんていなかった。ただでさえ人みしりの激しい俺だ。友達なんて、出来てもそれほど親しくはならなかった。

 だから、

「うん」

 こんなに真摯に言ってくれる友人など、いなかったのだ。

「うん」

 俺のこの気持ちは表情にちゃんと表せているだろうか。

「ありがと。ちゃんと、次からは心配してもらう」

 きっと俺は今すごく幸せな顔をしているんだ。だって、幸せなんだから。

「……心配は、かけない方がいいんだぞ」

「わかってるよ」

 苦笑いのナザに、俺はなおも笑顔で返した。


誤字脱衣等ありましたらお知らせください。



まえがきにかいた詳細。

拍手お礼といってもやったことは無いのですが、まぁ、見よう見まねで、リクエストを受け付ける形にしたいと思います。初めは人気投票でも!と思ったのですが、もうちょっと粘ってみようかなと。

ひそかにもうちょいで一周年ですし^^

『神の力の箱ですか。』『少年魔術師』(これはほんとに放置していますが)『短編集』に出てきたキャラか、属性(?まぁ、キャラに無い奴ということで)でのリクエストを受け付けたいと思います。既存キャラはCPが成立していなくとも構いません。殆ど既存CPとかありませんし(笑)パラレル的な感じでくっつけますwww

リクエストは感想かメッセージか活動報告で受け付けます。活動報告は更新しておきます。期限は9月24日終日とします。

書いたものは『短編集』の方に置く予定です。

よろしければリクエストしてみてください!

では、本当に読んでくださりありがとうございます。これからもよろしくお願いします!

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