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♯1 転入ですか。⑤

微、背後注意です。

R15タグを使用します←?

だいたい。

「タツミ・セガワくん?よかったぁーまだ居てくれたね」


 日が落ちて、部活も大体終わってしまっている頃になってようやく声がかけられた。俺は不満の色を乗せて真横一直線上のドアを向いた。ナザ達と別れてから有に一時間は経っている。


「そんな顔しないで?悪かったから。・・・じゃぁこっちきて」


 特に目立った要素もない顔の男がへらへらと笑いながら手招きをした。

 生徒会はランキング上位者と言っていたが、こいつが上位に入っているとはあまり思えないんだが、もしかするとただの使いかもしれないので素直に従って着いて行くことにする。

 男は無言で、たまに後ろを振り返って俺がちゃんと付いてきているかを確認するという、学校案内あるまじき態度で校内を歩いた。ここはなんていうんですよ―みたいなセリフは無いんですか。分かんないです。一応自分で表札を見ながら覚える努力はしているけれども。

 今のところ、教室棟らしい俺のいた二階の教室と同じ階にあった渡り廊下を渡って、数学研究室などの研究室の表札のあった別の棟のその階に出て、階段を下りている。生徒用玄関は教室棟にあり、始業式を行ったアリーナはこの棟の一個向こうの一番大きな棟の三階にあったため、このあたりに来るのは初めてだ。

 下りきった一階は特別教室が並んでいた。奥へと進みながら見ると、渡り廊下のすぐわきにある階段を手前として、魔工室、生物室、地学室、そして理科研究室と社会資料室が並んでいる。


 と、地学室の前で男が足をとめた。そしてへらへらとした笑みを貼り付けたまま、振り返る。


「タツミクン。俺らさ、生徒会じゃないんだよね」

「は?」


 生徒会じゃない?なら何だって俺なんか連れてきた。こいつは何を考えてるんだ?


「意味不明って顔だね」


くすくすと下卑た笑を男は漏らす。


 刹那、がらりとドアの開く音がして、腕をひっぱられた。急のことでバランスを崩して倒れこむ。男が魔法で照らしていた明かりが消え、真っ暗な空間に目が効かない。また、がらりと今度は閉まる音がする。地学室に引っ張り込まれたようだ。バランスを崩した体は誰か大きな腕につかまれた。両肩をでっかい掌で掴まれて逃れられない。


「なにすんだ!」

「味見」


 さっきの男とは違う声が答える。少しづつ慣れてきた目でも、二人の姿を確認できた。俺をつかんでいる奴も入れて、三人。と、肩を掴んでいた奴の手がするすると腕を伝い始めた。ぞわーっと鳥肌が立つ。


「おい!やめっ――つ」


 振り払おうとした腕をぐっと握られて、声が途切れた。そのまま腕を頭上でまとめられる。

 なんだよこいつら、もしかして俺リンチ!?なんかしたか、俺!?


「!うぁ・・・」


 いきなり背筋をなぞられて変な声が出た。ってか、なんて声出してんの!?俺絶対今混乱してる!

 顎に手が触れた感触がして、ピクリと肩が跳ねた。慣れてきた目を凝らすとさっきとは違う男の顔がある。なぜかすぐ近くにあるその顔はどんどん近付いてきて、添えられた手は俺のあごを持ち上げた。


 うん?ちょっとまて、これって・・・。


「ギャーー!」


 俺はとっさに自由な脚で男の急所を一撃し、よろめいた体を更に回し蹴りでぶっ飛ばした。

 ガシャンと音がして、しんと静まり返る。


「…ちょっと、気を失ってるよ。あんたすごいな」


 へらへらは、そういうと未だに捕まったままの俺の元に歩み寄り、俺の腹部に両手を押しあてた。


その箇所が淡い桃色に発光する。

 なんだ…?力が抜ける…。

 あてられた掌から全身の力を吸い上げられているような感覚に襲われ、俺はその場に崩れた。掴まれていた手も離される。全身の脱力感と、力の入らない痺れで、立っていることさえままならなかった。


 くそっ。これはまずいんじゃないか?


 さっきのことで俺はリンチではなく強姦と呼ばれるたぐいなのは、残念ながら分かってしまっている。あれ?強姦って最後までだっけ?ってか最後って何!?…とりあえずヤられるのだけは回避する必要がある。

 なのに、魔法とかずるくないか!力、はいんねぇじゃん!


「どう?もう立てないでしょ」


 へらへらはそういうと、俺のあごをつかんで持ち上げた。既に慣れた目には楽しそうに笑う顔が写る。


「っのやろ・・・」


 やり返す力がないことを確認してか、にやりと笑うと、にわかに顔を俺の首元に埋めて、舌を這わせだした。

 鳥肌が立って寒気がして、冷汗が背筋を伝う。

 やばい、どうしよう。気持ち悪い。嫌だ。

 力の入らない腕を無理に動かして頭を押すけれども、力が入らないんじゃ抵抗にもならない。


「やめっ」


 ボタンを外され、はだけた前を舌が伝う。ねっとりとしていて気持ち悪いことこの上ない。後ろにいる男は、俺が倒れないように片手で支ているようだった。後ろから手が顎を伝い、口内に指を差し入れ掻き回す。


「うぁ・・・」


やめろ。

嫌だ。

気持ち悪い。

やめて。

おかしくなる。

嫌だ。

怖い。

こわい。

…助けて。


 ジワリと涙が滲んだ、その時。

 がらりと音がして、光が差し込んだ。


「なにしてる。下校時刻は過ぎているぞ……ほ―、お前ら、罰を受ける気はあるな?」

「ふ、風紀委員長・・・」


 風紀委員長?って、風紀を乱す奴は許さない的な役職ですか?

 もしかしなくっても、助けてくれる。助かった。


 俺は心の中で安堵の息を吐きだした。


やっとこういうシーンが出せました(笑


誤字脱字等ありましたらお知らせください。

また、感想・評価などもらえると、作者がやる気を出します←

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