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♯1 転入ですか。④

短めです。

「なぁ、辰巳はなんかこのあと用事とかあるか?部活とか、見た方いいだろ」


 ナザは体育会系特有のちょっと暑苦しいスマイルを俺に向けた。


 …何故だろう、親の血が騒いでいるような気がする。俺は腐ってないからな!ただ読んだことがあったやつのキャラを思い出しただけだ!


「気持ちは嬉しいけど……俺このあと生徒会の人に学校案内してもらうんだ」


 五時間目終了後に担任に言われた言葉を思い出しながらいった。なんかハゲのおっさんだったな…。担任。


「へー、生徒会直々なんだぁー。まぁ、たつみんならランキング上位に食い込みそうだもんねー」

「ランキング?」


 かわらず軽い調子のレントは、アセラの肩口に腕を後ろから巻き付けている。それをアセラも受け入れていて、普通なら、ここで仲いいなぁ、何て思うんだろうけど、カミングアウトされているわけだから、いちゃついているようにしか見えない。

 ところで、反射で聞き返したけど、ランキングって…まさか、ねぇ?


「しらないー?結構こーいう制度のがっこーあると思うよー?」

「俺田舎から来たからさ」

「ふーん。ランキングはねー二つあるんだー――」


 レントの間延びしたしゃべり方で聞いた説明を、簡潔にまとめるとこうだ。


 この学校の生徒会及び執行部は、『抱きたいランキング』と『抱かれたいランキング』の上位者によって構成され、上位者は強制的に何らかの役職を与えられる。因みに張り出されるのはそれぞれ15位まで。もちろんその全員に役職は与えられる。そして投票は年に三回、長期休暇後に行われる。投票するかは自由で、持ち票は一人最大5票。

 なぜそういう仕組みなのかと言うと、親衛隊の制度が生徒会執行部にしかないんだそうだ。親衛隊を作って統括しておかないと、何をやらかすか分からない…らしい。与えられる役職はその人個人の能力で決めるそうだ。


 っていうかね?

 やっぱりだよね。もしかしてここって王道学園だったりするんじゃないかな!?

 あ、俺が知ってるのは両親の影響だから。何度も言うけど腐男子じゃないよ?その証拠に王道学園来ても喜んでないからね。だって、俺には関係ない世界でしょ。あの二次現的な出来事は、かっこよくないと起こらないのさ。いや、別に俺に起こらなくていいんだけどね。面倒事は嫌いだし。受け流したい人だし。

 …なんだけど、確か説明する前に、レントは俺がランキングに食い込むとかなんとか、言ってなかったか。あり得ないだろ。そして全力で遠慮する。

 何が悲しくて男と…や、まぁ、この世界では恋愛に関して区別はないんだろうけど、俺もたいして抵抗ないけれども。区別がなくっともノンケは普通にいるし、陛下だって妻(♀)いたし。


 うん。俺はノーマルでいたいな。


「じゃ、俺部活あるから」

「僕もそろそろいかないと」

「じゃあみーもー。たつみんじゃーねー」


 ナザがぼそりと呟いたのを皮切りにそれぞれ用事を思い出したらしく、俺も簡単に挨拶をして見送った。

 何て言うか、明るい人たちだな。ちょっとビックリしたけど。明日も話せるかな。

 心なしかワクワクしながら、いつの間にやら誰もいなくなった教室を見渡す。俺たちが最後だったみたいだ。


 さて、この部屋に迎えに来てくれるといっていたが、ずっと待っていればいいのだろうか。どうも、申し訳ない気がするが、内部構造を知らない俺が出歩いたところで、余計な手間にしかならないだろう。ならば、堂々と待っていることにしようと、俺は魔法工学の教科書をカバンから取り出した。


活動報告で小話をしています^^

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