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第5話 真の冒険者として認められる


高い山々に囲まれた谷の奥、上級ダンジョンの入口で

「赤の刀剣」は準備を整えていた。

この依頼は、Fランクでは到底太刀打ちできない危険な任務だ。


「気を引き締めろ。ここからは油断できない」

レッドの声に仲間たちは一斉にうなずく。

ボルトスは盾を構え、キースは魔法陣を描き、

ブルーは影の中に身を潜め、敵の動きを探る。


レミリアも杖を握り、深呼吸をする。

ここで自分のスキルを最大限に活かさねば、

仲間を守ることも、勝利することもできない。


ダンジョンの奥から、巨大なドラゴン型モンスターが現れる。

全身に青黒い鱗をまとい、牙と爪が光を反射する。

息を吸い込むと、火を吐く準備をしているのが分かった。


「レミリア、ヒールとサポートを頼む!」

レッドの声に応え、彼女は杖を高く掲げる。

「倍率、三倍!」

前回までよりもさらに強化して、次の魔法の力を倍増させる。


まずは仲間の体力回復に光を注ぎ、次に敵の再生能力を封じる

アンチヒールも同時に宣言する。

光がドラゴンの鱗をかすめると、その再生能力は弱まり、

仲間たちの攻撃が効きやすくなった。


ブルーが素早く背後に回り、鋭い短剣で弱点を突く。

ボルトスが盾で正面を封鎖し、レッドが指示を飛ばす。

キースは火と氷の魔法を組み合わせ、ドラゴンを追い詰める。


レミリアは杖を振り、回復魔法を仲間に配る。

体力を削られた仲間もすぐに立ち上がり、再び攻撃に参加する。

「これなら……私一人でも戦局を支配できる!」

彼女の胸には、初めて得る自信が満ちていた。


激しい戦闘の末、ドラゴンが倒れ、洞窟に静けさが戻る。

仲間たちは疲れ切った体を休めながらも、笑顔を浮かべた。

「レミリアのおかげだ。助かったぞ」

ボルトスが笑い、ブルーが肩を叩く。


キースも分析用紙を閉じ、彼女に向き直る。

「お前のスキルの応用、予想以上だな」

レッドは杖を軽く叩き、誇らしげに言った。

「これでお前も、真の冒険者として認められたな」


レミリアは小さく微笑み、杖を握り直す。

『弱いと思われた私でも、努力と工夫で仲間を守れる』

その思いが、体全体に力を与える。


帰路、谷の空には夕日が広がり、

光が森や岩を染めて揺れる。

レミリアの杖の先の光も、希望と自信を映すかのように

小さく揺れながら前を照らしていた。


「これからも、仲間を守る力を磨く」

小さな声で呟き、レミリアは仲間たちと歩みを進める。

ただのFランクヒーラーだった少女は、

今や戦術の要として、誰もが頼る冒険者になったのだ。


夜が訪れ、星が空を覆う頃、ギルドへ帰還する一行の姿があった。

笑い声や会話が広間に響き、

レミリアの名前は少しずつ冒険者たちの間でも知られるようになった。


杖の光は消えず、レミリアの心の中で輝き続ける。

小さな一歩が、確かな成長となり、

仲間と共に歩む冒険は、ここからさらに広がっていく――。


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