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第3話 初めての戦闘での覚醒


森の奥深く、朝霧が立ち込める中、レッド率いる

パーティー「赤の刀剣」は新たな任務に挑んでいた。

Fランクの依頼ではあるが、モンスターの数は多く、

油断できない戦場が待っている。


「気をつけろ、油断すると囲まれるぞ」

ボルトスが盾を前に構え、仲間に警告する。

キースが呪文の準備をし、ブルーは素早く影に潜む。

レミリアも杖を握り、心を集中させる。


最初に現れたのは、牙の長いオオカミ型モンスターだった。

ブルーが素早く背後に回り、鋭い短剣で攻撃する。

ボルトスが盾で正面から受け止め、キースが炎を放つ。

しかし、一度に複数の敵が襲いかかり、仲間の体力が危険な状態に。


「レミリア! ヒールを!」

レッドの声に応じ、レミリアは杖を高く掲げた。

「ヒール……!」

光が仲間に届くが、思ったより回復量は少ない。


「だめ……このままじゃ追いつかない」

レミリアの胸に焦りが走る。目の前で仲間が倒れそうになる。

その瞬間、頭の中でスキル「倍率」の意味がはっきりした。

『宣言すれば、次の魔法の威力を倍増できる……!』


「倍率、二倍!」

レミリアは声に出して宣言し、次に「ヒール」を放つ。

すると杖から光が溢れ、仲間たちの傷がみるみる癒えていった。

ボルトスの肩の切り傷、ブルーの背中の裂傷、

キースの手首のやけどまで、光が包み込む。


仲間たちは驚きの表情で立ち上がる。

「これが……ヒールの力か?」

レッドが笑みを浮かべ、指示を出す。


「次は攻撃だ! 行くぞ!」

仲間は一斉に反撃を開始する。

ブルーが敵の背後を突き、ボルトスが突進、

キースの魔法が炸裂する。


レミリアは「倍率」を再び宣言する。

今度はキースの炎魔法に掛ける。

魔法の火力が跳ね上がり、オオカミ型モンスターは一瞬で倒れた。

レミリア自身も驚き、しかし確かな手応えを感じる。


「これなら、私でも仲間を守れる……!」

戦場で体が震えるほどの喜びを感じながら、

レミリアは冷静に次の敵を見つめる。

森の中にはまだ敵が残っている。


次の戦闘でも、彼女は「倍率」を駆使し、

仲間の攻撃力を最大化しつつ、回復も怠らない。

アンチヒールも試し、敵の再生能力を封じることにも成功した。

小さな体でありながら、戦況を左右する存在になった瞬間だった。


森を抜ける頃、仲間たちは笑顔で集まる。

「レミリアのおかげだ、助かった!」

ブルーが軽く肩を叩き、ボルトスも満足そうにうなずく。

キースは分析用紙に何かを書き込みながらも、

微笑を浮かべ、レミリアを認めているのが分かる。


レッドがレミリアに向き直り、静かに言った。

「お前、本当に成長したな」

レミリアは小さく笑い、杖を握り直す。

「まだまだです。でも、仲間を守る力は…

 少しずつ身についてきました」


ギルドに戻る道すがら、レミリアは考える。

『弱いと思われたヒーラーでも、工夫次第で戦況を変えられる』

自分のスキルの本当の力、

そして自分の居場所を初めて実感した瞬間だった。


夕日が森を赤く染め、光と影が交錯する中で、

レミリアの小さな光が杖の先で揺れる。

それは希望であり、彼女の新たな冒険の始まりを告げる光でもあった。

「これから……もっと強くなる」

レミリアは固く心に誓い、森の道を歩き続けた。


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